学ぶが勝ち! 生産財のセールス&マーケティング
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Vol.21 2003年10月3日

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◆ここ最近のテーマ
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「受注の方程式」

   受注=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

 1.お客様にニーズがあり、かつ、
 2.お金をもっていて、かつ、
 3.当社にそのニーズを満たす商品があり、かつ、
 4.その商品は競合より優れた個所があり、かつ、
 5.顧客と信頼関係があれば、
 
  ・・・必ず受注できる。


 今日は比較優位についてでーす。

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◆比較優位を検討しよう
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 現代は競争が激しい。そんなわけで、どうしたって比較優位を検討していかないといけない。

 ・・・というと、
 「いやー、ウチの製品なんて、どこでも作れるしなぁ」
 「高いわクレーム多いわ、自分の会社ながら情けないのが実態ですよ」

 てな声が聞こえてきそうデスよね。

 ヘンな話ですが、私の友人のほとんどは「ウチの会社の製品はダメだなぁ」と、自分の勤める会社の悪口を口にするんです。

 実際の営業現場ではそんなことぁないんでしょうが、本音は「ウチの製品は必ずしもすばらしいわけではない」と思っている人がほとんどじゃねぇのかなぁ・・・というのが、私の個人的な実感ですね。


 ということは、逆にいうと、みんなそんなに卑屈になる必要ないってことですよね。オレも含めて。
だったら、思い切って「ココがスンゴイんです!」って言っちゃってイイ。そう思いません?

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◆比較優位の作り方
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 さて、問題はどうやって比較優位を作りこむか。どうしたら、他社の同類製品より優れているとアピールすることが出来るのか。それを考えないといけない。

 そうだそうだ。以前、情報格差を利用した比較優位の作り方を話たことありました。参考までにそれを再掲しましょー。

※Vol.013 2003年9月2日ヨリ(一部改定)
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◆専門情報の過不足を利用したマーケ手法

今まで、ウチは某業界の大手企業にイロイロとプラント設備を販売してきました。そのため、その設備についてソコソコ情報が蓄積されています。

しかし、それは別にウチだけしか出来ない技術、というわけじゃぁない。もっというと、売ってる我々は、あんまりたいした技術は使ってないよなー、と感じている程度のモンです。だから、大手企業を相手にしちゃうと、競合他社もワンサカいるためスグに価格競争になってしまう。

 それを避けるためにどうしたらよいか?その答えのひとつが「専門情報の過不足を利用したマーケ手法」なんです。

◆立場変われば価値変わる

「情報量をパワーバランスで考え、自分を強い立場に置く」

当社を取り巻く環境は下記の通りです。
  • 当社は実績を積み、その設備の情報が蓄積されている
  • でも、その情報は競合他社も持っている
  • 大手ユーザー企業には大勢の会社が入り込むため、情報が集まっている
つまり、大手ユーザー企業には、当社も含め同じようなプラント会社が出入りしている。そのため、ユーザー企業は多くのプラント屋から設備情報を仕入れることができる。
 そして、こっちの持っている武器(専門情報)は、競合他社とほぼ同じであるため、競争になるとどうしても価格競争が激しくなってしまう。んなわけで、利益率が低下しまくりになる。というわけだ。

そこで、競争の少ないセグメント・・・つまり、我々の持つ専門情報の集まりにくいお客さん、情報不足で困っているお客さん、を探せば、過度な価格競争に陥らずに、商売できるんではなかろーか、って作戦なわけだ。

で、ターゲット・セグメントに浮上したのが、同業界の中堅・中小規模企業群というわけだ。一般論から考えても、中小企業は常に情報不足にある。そこにこちらの専門情報を提供し、喜んでもらいながら、こちらもお金を頂戴する。それを狙おうってわけなのだ。


さて、ここで例の方程式を使って考える。

(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係=受注

ニーズ :大手企業と同業界で、基本的な製造工程は変わらないため、ニーズは存在しているハズ

投資能力:これが心配。結構なお金が必要だからなぁ・・・

製品  :ニーズに対応する製品はもちろん持っている

比較優位:競合他社が少ないハズなので、実績・技術の確かさを前面に出せば、比較優位をPRすることが出来ると思われる。

信頼関係:未構築。これが一番タイヘンだ。


 というわけで、障害は・・・

 ・投資能力
  ・信頼関係

・・・に絞られることとなる。このうち、投資能力についてはこちらからできる手立てはあまりない。そいうお客様に会ったら、それはしょうがないものとして、次のお客さんを探すことにする。

問題は信頼関係だ。
これをスピーディーに構築するために、ここでも「専門情報」を使う予定だ。
正しい情報・誠意ある態度は確実に信頼関係にプラスになる。

     ☆          ☆         ☆

・・・と、これが情報格差を利用したマーケ作戦でした。

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◆比較優位の作り方2
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 この場合、「専門情報」を比較優位としたわけであるが、相手によって、この情報が「比較優位になるか否か」変わってくるのである。

大手ユーザー企業は、情報を大量に保有する立場にある。なぜなら、社員が多かったり、いろんなメーカーがいっぱい宣伝に来ているからだ。

そのような相手に「コレがウチだけしか知らない情報でっせ〜」と持っていっても、「んな情報、もう持ってるわぃ!」となってしまう。

ところが、中堅企業だとナカナカ情報が集まっていないため、同じように情報を持っていけば、「えー、今、業界ってそんなことになってるんですかぁ!」と驚いてくれる可能性が高くなる。つまりこの場合は、

 専門情報の価値
    大手ユーザー企業にとっては 小
    中堅ユーザー企業にとっては 大

ということなのだ。


何が言いたいのかというと、これから「比較優位」となるような「製品の特徴」を探すことになりますが、それが特徴であるか否かは「対象とする市場」によって異なるということなんです。

 つまり、比較優位を作るには
  1. 製品そのものの特徴、優位となる点、強み
  2. 対象とする市場・顧客を取り巻く環境
の2つを分析せないかんわけです。

そうはいっても、どうやっていいのか分からないですよね。
ところが、それを手助けしてくれる超便利な分析手法があるんです!その名は・・・次号を待てっ!

Vol.22 2003年10月7日

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◆SWOT分析 導入編
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 分析しなきゃならない、
  • 製品そのものの特徴、優位となる点、強み
  • 対象とする市場・顧客を取り巻く環境
 この2つの事項。この分析の手助けをしてくれるツールがあるんです。それが、「SWOT分析」。耳慣れないですね。どう読んでいいかも良くわからんですね。

SWOT分析とは何なのかっていうと・・・

 他社製品との圧倒的な比較優位を作り出す、これまで誰も真似できなかった”秘中の秘”ともいうべきツールです。
これまで
このツールを使った企業の79%が20%以上の売上増を達成しており、普通ならば、60万払わないと入手できないツールなんです。
そこを、今回、メルマガをご覧になっているアナタだけに、
特別に5万円で提供いたします!


・・・なんていう、アヤシイものではありませぬ。

(最近ヘンなの多いかんねー。特に中小企業の社長たちは気をつけてくださいね。実践で見つけた!・・・って、それ、昔からあるあの理論じゃんってのたまに見かけます。)


 で、SWOT分析。
SWOT分析は経営戦略関係の本には頻繁に登場する、かなり由緒正しい分析フレームです。

といっても、この分析をすれば黙って答えが見えてくる・・・なんていう都合のいいツールではありませぬ。ってか、そんなツールありません。

  そうではなく、これは、思考の枠組みを、比較優位が見つけやすい方向へと導いてくれるツールなのです。・・・って、なんのことやらわからんですね。平たくいやぁ、比較優位が見つけやすくなるツールなんです。

まぁ、コンサル系の人であれば、目新しさも何もないんでしょうが、やはり基本は基本だかんね。個人的には大切にしたいフレームだと思ってます。

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◆で、なんなのさ!
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 今日は、簡単にふれるだけにとどめときますね。

<SWOT分析>

  内部環境
  S:強み(Strength)
   W:弱み(Weakness)

  外部環境
  O:機会(Opportunity)
   T:脅威(Threat)



 SWOT分析とは、企業内部の強み・弱みを「内部環境」とし、企業外部に存在する機会・脅威を「外部環境」としてですね、それぞれの頭文字を・・・

えっ?
んな難しいことの前に、SWOT分析って何て読むのか教えろ?

あー、失礼しました。
これね、「SWOT分析」と書いて、「スゥオット分析」って読むんですよ。
スオットではなく、「スゥオット分析」ね。小さい”ゥ”が入りますから。

スワット分析という人もいるけど、オレは「スゥオット」ね。まー、極めてどうでもイイことなんですけど、オレは「スゥオット」なんですね。

はい、あなたも画面の前で口にだして読んでみましょう!


・・・ね、周りの人に気味悪がられてますね。
ま、人生そんな日もありますよ(笑)
Vol.023 2003年10月10日
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◆SWOT分析 こんどこそ導入編
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 さて、このSWOT分析(スゥオットと読む)、どんなものか紹介しましょう。小難しい用語だけど、中身は簡単です。ゆっくり読んでください。

 何事も理解するのに最も大切なのは目的意識だって、だれかが言ってましたので、繰り返しになるけど、まずは目的を再度確認しましょう。

比較優位を検討するために、

1.製品そのものの特徴、優位となる点、強み
2.対象とする市場・顧客を取り巻く環境


               を分析する。

 OKですか?いいですよね。

 で、この二つ、大きく分類できるのが分かりますか?どう分けるのかというと、企業の内部のことか外部のことかで分けるんです。つまり・・・

1.製品の特徴、優位となる点、強み・・自分のこと=企業内部
2.市場・顧客を取り巻く環境・・・・・市場のこと=企業外部

 
 ・・・となる。つまり、「自分のこと」と「市場のこと」を分析すればいいわけです。

 ところが、「自分のこと」や「市場のこと」を分析しろったって、どっから手をつけていいのかわからないじゃないですか。そんな時、「こういう点について考えればいいんだよ」って、ガイドして欲しくありません?

 そのガイドが「SWOT分析」なんです。

 具体的には・・・

  「自分(製品・企業内部)のこと」については・・・

    S:強み(Strength)
    W:弱み(Weakness)


   ・・・について考えなさい、

  「市場(顧客・企業外部)のこと」については・・・

    O:機会(Opportunity)
    T:脅威(Threat)


   ・・・について考えなさい、

 というように、SWOTの各頭文字で考えるべき事項を示してくれているのです。

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◆SWOT分析 中身編
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 まぁともかくやってみましょうか。

ええと、お遊びなので、なるべくムリっぽそうなのがイイですかね。それでは、例えば「そろばん」の比較優位を見つけるために、SWOT分析するとどうなるか?

 今の時代、「そろばん」を売るためにどこに比較優位を見つけ、誰に売るべきか!?
・・・ま、やってみましょ。結果がどうなるかは今の時点で私も不明(笑)。

 S(強み)
計算する機能を持つ
電源不要
故障しにくい
指を使うのでボケ防止になる
暗算力も鍛えられる

W(弱み)
使いこなすのに勉強しなくてはならない
でかくて持ち運びにくい

O(機会)
親の教育熱の高まり
昨今の理系人気の高まり

T(脅威)
少子化
低価格電卓の存在
英語塾などの存在

 ええと・・・こんな感じでしょうか。私はソロバンのことよく知らないので間違ってたらごめんちゃいです。

で、SWOT分析したことで、「製品の特徴」と「市場の特徴」が見えてくるわけですが・・・どうです?なんか見えました?

これをもとに、「誰をターゲットにしたら優位に販売できるか」「何を最も主張したら優位に販売できるか」といったことを考えて、マーケティングのストーリーを考えていくわけです。
 
皆さんなら、誰にどうやって売ります? 

興味のある方は、「誰にどうやって」売るのかメールでアイデアを教えてください。自分なりにSWOT分析し(上のSWOT分析でなくてもイイです)た結果をもとに、

 1)ターゲット顧客層を誰にするか?、

   例)ターゲットは環境意識の高い知識層

2)比較優位は何で、宣伝チラシには何と書くか?
 
   例)比較優位:電卓と違い電源が不要
     宣伝文句:自然にやさしいソロバン

・・・の2つについて、メールください。

自分のマーケ人間度が試せるかもよん。

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◆雑談
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 さすがにメールこないだろうなぁ・・・と思いつつも、半分冗談で宿題コーナーにしちゃいました(笑)

だって、テーマがソロバンだもんなぁ。もうちょいイイ題材なかったのかいっ!って自分で思いつつ送信しちゃいました。

今日の内容は、ある程度マーケティングの本などを読んでいる人にとっては、期待はずれだったと思いますが、SWOT分析という基本はやっぱり重要です。

また、SWOT分析は知っているが、分析したあと、どうしていいのか分からないって人、けっこういます。SWOT分析したのに、そこからマーケティングのストーリーを描けない人が多いんです。ちょうど今日宿題にしたようなことですね。

さぁ、アナタに出来るのかぁ!どうだぁ!

・・・とメールを煽ってみたりして(笑)
Vol.024 2003年10月14日
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◆SWOT分析 こんどこそ導入編
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 というわけで、前回は宿題形式にしてみました。
さすがにダレも送ってこんだろーなー・・・と思いつつやってみたのですが、嬉しいことに一人の方からメールをいただきました。もー感激。リンゴとハチミツでカレー作りたくなるほどカンゲキです。ありがとうございます。

実際の話とはしては、SWOT分析から戦略展開する方法がいまいち不明だったんではないだろうかと思ってます。例をあげましたが、ちょっと分かりにくかったですしね。

とりあえず、実際にどうやってSWOT分析から戦略ストーリーを構築するのか解説しましょ。

 大まかな流れは次のようになります。

 -------------------------------------------------------------------
1.SWOT分析で比較優位となる特徴を抜き出す。
    ↓
2.それが比較優位として有効と思われるターゲット顧客を選定する
    ↓
3.比較優位をそのターゲットに有効に訴求する方法を検討する
 -------------------------------------------------------------------
 
どうです?これから例を使って説明するので、ちょっと付き合ってくださいね。

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●1.SWOT分析で比較優位となる特徴を抜き出す。

 比較優位となる特徴は、S(強み)の項目に表れます。だから、まず、S(強み)にある項目をじ〜とみて、特徴を認識します。

 S(強み)
計算する機能を持つ
電源不要
故障しにくい
指を使うのでボケ防止になる
暗算力も鍛えられる

 例として、「電源不要」というのに注目して考えてみます。
もちろん、別の項目でもイイ。大切なのは、それが「強み」であるということです。

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●2.それが比較優位として有効と思われるターゲット顧客を選定する

 まずは、O(機会)の項目をチェックします。

O(機会)
  親の教育熱の高まり
  昨今の理系人気の高まり

もしここに「電源不要」と直結するようなことが書いてあれば、悩まずに済んだのですが、今回は関係ある項目はないですねぇ。

でも、SWOT分析は、追加でどんどん修正してかまわないものなのです。
だから、一呼吸おいて、他にO(機会)がないか考える。アタマをギュッギュッと絞り考えましょー。

例えば・・・

 ・環境問題は社会的テーマとなっている
 ・「そろばん」は木製なので廃棄しても環境にやさしい

 なんてなことを、O(機会)として捉えてもイイですよね。つまり・・・

O(機会)
  親の教育熱の高まり
  昨今の理系人気の高まり
  環境問題は社会的テーマとなっている
  「そろばん」は木製なので廃棄しても環境にやさしい

・・・となるわけです。

そうなるってーと、「電源不要」に対するターゲット顧客層が見えてきたでしょ?
そう、「環境意識の高い知識層」なんて風になるわけだ。

これで、
 
●「電源不要」を比較優位として、
●「環境意識の高い顧客層」に仕掛ける

というストーリーの大枠が出来上がりました。あとはそれをどうやるかを検討すればイイ。

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●3.比較優位をそのターゲットに有効に訴求する方法を検討する

これまでの一連の作業を通して、ボクらは非常に大切な”あること”をしていたのです。それは何か?

”捨てること”
です。

「小中学生」を捨てて 「環境意識の高い層」に絞り込む。
「主婦層」という漠然なものを捨て 「環境意識の高い層」に絞り込む

このような”捨てる”ことを行うことが”戦略構築”にとって大切なんです。

今回の場合、小中学生を捨てることで・・・

・宣伝媒体は「環境意識の高い雑誌」に絞ることができる
・宣伝文句は「自然にやさしいソロバン」に絞ることができる

・・・わけなんです。

逆に「小中学生」をターゲットとしていたとすると、宣伝媒体は「マンガ雑誌」になったりしますよね。選ぶ道が全然変わってくる。

一方、「環境意識の高い層」も「小中学生」も「主婦層」も全てターゲットにしちゃった場合は、宣伝媒体はマンガ雑誌から高級な雑誌から全てが候補になってしまう。そうなると、宣伝広告費が膨大になり、利益が出なくなってしまう。

いかがです?”捨てる”ことの大切さ、分かりました?

ともかくもこうしたプロセスを通して、

●「電源不要」を比較優位として、
●「環境意識の高い顧客層」に仕掛ける
●方法は、環境系雑誌に「自然にやさしいソロバン」の広告を載せる

 というストーリーが描けるわけです。
もちろん、これは”例”です。んでもって、実際には”悪い例”なんですね。
顧客層がウスすぎるしムリがある。

もっと良いストーリーがあると思うのですが、ミナサマいかがでしょうか?
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◆雑談
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おそらくSWOT分析→戦略展開の方法を、ここまで丁寧に解説してるコンサルタントは絶対いない!・・・ってぐらい丁寧なつもりなんですが、それでも分かりにくかったかもしれません。
本屋にいって、経営のキホンみたいな本を覗いてみてください。伝統的な手法を紹介してる本ならば、まずSWOT分析は載っています。
でも、それを戦略展開に活用するプロセスは絶対載ってない。おそらく「SWOT分析→ドメインの設定」なんてコトバでごまかしている。

それじゃー読んでるほうは分からんだろうに・・・ねぇ。だから、分析したあと、どうしていいのか分からないって人、SWOT分析したのに、そこからマーケティングのストーリーを描けない人が多いんだよなー、きっと。

さて、ここで再度募集だ!
今回は「電源不要」からストーリーを作りましたが、アナタならどうする!
 送ってくれた人には、先着20名様にサカイ特製受注に繋がる丸秘営業グッズをプレゼント!・・・ってなことはするハズもなく(笑)、その代わりアドバイス込みお返事カキカキしたいと思います。そんなわけで、試しにアイデア送ってちょーだいな。
Vol.025 2003年10月17日
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ここ最近のテーマ
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「受注の方程式」

   受注=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

 1.お客様にニーズがあり、かつ、
 2.お金をもっていて、かつ、
 3.当社にそのニーズを満たす商品があり、かつ、
 4.その商品は競合より優れた個所があり、かつ、
 5.顧客と信頼関係があれば、
 
  ・・・必ず受注できる。


 今日は比較優位の作り方・・・SWOT分析を使った方法についてでーす。

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◆違うパターンで「そろばん」を解くと
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さて、前回は・・・

●「電源不要」を比較優位として、
●「環境意識の高い顧客層」に仕掛ける
●方法は、環境系雑誌に「自然にやさしいソロバン」の広告を載せる

というストーリーで結んだのですが、視点を変えるとどうなるのか。ためしにやってみましょう。

進め方は、前回と同じです。ただ、「注目するポイント」をずらしてアレコレ考えてみるのです。まずは、再度SWOT分析の表を書いときましょう。

●「そろばん」のSWOT分析

S(強み)
計算する機能を持つ
電源不要
故障しにくい
指を使うのでボケ防止になる
暗算力も鍛えられる

W(弱み)
使いこなすのに勉強しなくてはならない
でかくて持ち運びにくい

O(機会)
親の教育熱の高まり
昨今の理系人気の高まり

T(脅威)
少子化
低価格電卓の存在
英語塾などの存在

以上は前回と同じですね。同じSWOT分析から、視点を変えるとどんなストーリーが見えてくるのか?ムフフ。ボク、こういうの考えるとき、楽しくってしょうがないんスよねー。

考え方はこれまでと一緒。1,2,3の順番で考えていきます。

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●1.SWOT分析で比較優位となる特徴を抜き出す。

 比較優位となる特徴を、S(強み)の項目から探す。じーと見つめていると、見えてくるモンです。ホント!

S(強み)
計算する機能を持つ
電源不要
故障しにくい
指を使うのでボケ防止になる
暗算力も鍛えられる

 前回は「電源不要」から組み立てましたが、「指を使うのでボケ防止になる」も立派な強みですね。これでやってみましょう。

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●2.それが比較優位として有効と思われるターゲット顧客を選定する

 まずは、O(機会)の項目をチェックします。

O(機会)
  親の教育熱の高まり
  昨今の理系人気の高まり

もしここに「指を使うのでボケ防止になる」と直結するようなことが書いてあれば、悩まずに済んだのですが、今回も関係ある項目はない。

でも、SWOT分析は、追加でどんどん修正してかまわないものなんだから、またしても考える。ホラ、浮かんできますよね?新聞などでしょっちゅう目にする・・・

 ・高齢化社会

 がキーワードとして思い浮かぶわけだ。

これで、
 
●「指を使うのでボケ防止になる」を比較優位として、
●「高齢者層」に仕掛ける

というストーリーの大枠が出来上がる。「何を・誰に売るのか」が決まるわけだ。あとはそれをどうやるかを検討すればイイ。

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●3.比較優位をそのターゲットに有効に訴求する方法を検討する

 高齢者層であるのだから、接点を考えると・・・

  ・健康雑誌
  ・老人ホームへの宣伝
  ・盆栽など高齢者向け雑誌への宣伝

 なんてなことはスグに思いつきますよね。

●「指を使うのでボケ防止になる」を比較優位として、
●「高齢者層」を対象に
●「そろばん」を計算機ではなく健康グッズとして宣伝・販売する

 というストーリーが描けるわけです。

読者の方からも、これと同じアイデアを頂戴したました。その方は、さらに突っ込んで・・・

・高齢者はそろばんになじみがある
・孫世代が大いに関心を持ってくれる
・そろばんの両端にひもを付けて健康器具(背中マッサージャ、足ふみ等)

 なんて大胆な発想までして送っていただけました。イイ!ステキ!やっぱりこうやって楽しまなくっちゃストーリー作りは進みません。

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ええと、とにかくここで知って欲しいのは、誰にだってマーケティングの策定はできる ってことです。

冗談半分に「そろばん」をテーマにやってみましたが、自分が取扱うアノ製品、コノ製品について、同じことをやってみてください。

自分が扱う製品のことは、「そろばん」以上によ〜く知っているハズです。
ってことは、情報は豊富にあるってことです。マーケティング戦略の策定がうまく出来ないのは、単に、あなたがその方法を知らないというだけなんです。

    誰でもできる。あなたがやろうとするならば、スグに。

人に見せたら笑われるんじゃないだろうかっていうストーリーでもイイじゃないですか。まずはトライすることですよね。
Vol.026 2003年10月21日
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◆ストーリーのチェックは忘れずに。
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 このストーリー・・・

●「指を使うのでボケ防止になる」を比較優位として、
●「高齢者層」を対象に
●「そろばん」を計算機ではなく健康グッズとして宣伝・販売する

 ・・・って、要するに、

●何を
●誰に
●どうやって


という3つについての問いに答えるものなんです。これがマーケティングの根幹となるわけですね。
しかし、これはそれなりにアタマを使って考えたものだとはいえ、やはり一歩引いてチェックする必要があるわけです。例えば、「市場規模は十分か?」とか、「販売方法は具体化できるか?」とかイロイロです。

そうそう、ソロバンでは、下のようなストーリーも作りました。

●「電源不要」を比較優位として、
●「環境意識の高い顧客層」に仕掛ける
●方法は、環境系雑誌に「自然にやさしいソロバン」の広告を載せる

  ※詳細はvol24参照お願いチュ!
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=214492

 分かった人は分かったと思いますが、悪い例としてこのストーリーを作りました。一見して突っ込みどころは多いですよね〜。

・「環境意識の高い顧客層」にとって、「電源不要」というのはまぁ一応訴求効果があるように思えけど、今の電卓って太陽電池なんだから、「電源不要」じゃねーか!

・だいたい「環境意識の高い顧客層」ってダレなんだよ!

・ソロバンって、計算する道具だろ。環境系雑誌を見つつ「あ、オレ、自然にやさしい計算ってやってみたかったんだよなぁー。イイ広告みつけちゃった〜」って、んなヤツいるかっ!

・・・ってなもんです。ストーリー作りをすると、どうしても思いついたストーリーを大事にしすぎてしまいます。苦労して作ったんだから、大切にしたいのは分かるけど、やはり割り切らないとね。

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◆マーケティングと営業マン
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どうもこのメルマガの読者は営業マンだけじゃないっぽい・・・というか、メールくれる人って、なぜか営業マンじゃない人の方が多いんだけど、営業マンが考えるマーケティングというのは、このヘンのレベルで十分じゃないか、というのが私の印象なんです。

実際、マーケティングを総ざらいで勉強すると、いろんなコトバが氾濫してます。

4Pの視点で考えるとうんちゃらとかドメインはどうなんだとか価格設定はスキミングプライスでどうなんだとかやはりデータベースマーケティングでないとやらいやそれは古いからやはり今はワントゥワンマーケティングでうんたらでバイラルマーケティング を駆使するとどうなって・・・

・・・ れる・・・でしょ。

そいうことより、営業マンにとっては、やはりセールスに直結せねばマーケティングの意味は薄いですよね。身の丈に合ったマーケティングでイイんじゃないかって思うわけです。

そう考えると、実体験として、このメルマガで紹介している範囲で十分なんじゃないかなぁと思えるわけです。

逆に、ここまで骨格を整えたなら、あとは具体的な手法や手続きをどんどん考える方が大切 になる。

ソロバンの例でいくと、

●「指を使うのでボケ防止になる」を比較優位として、
●「高齢者層」を対象に
●「そろばん」を計算機ではなく健康グッズとして宣伝・販売する

ここまではマーケティングの骨格。次に「どうやって」をブレークダウンしていくのがポイントになる。

○「そろばんを健康グッズとして宣伝・販売する」には・・・
・老人ホームをリストアップする
・老人ホームでイベントを開催してみる
・大学の先生などにソロバンと健康とが関係している論文を書いてもらう
・高齢者+健康をキーワードとする雑誌を探し広告を載せる

などなど・・・。こうしたブレークダウンを行うことで、マーケティングの枝葉が出来上がる わけです。当然、それぞれの案も評価しなくてはなりません。
自分の権限の範囲で出来ることなのか、社内の誰を絡めれば実行できるのか、上司の許可は必要か・・・などですね。

で、舞台が整って、やっとセールス。

自分で決めたターゲットに対し、自ら考えた方法でアクセスし、自らセールスを仕掛ける。どうです?楽しくありません?

・・・なんて書きつつ、私もヒラ社員の一人。そうそう思うようには出来てません。でも、ココロに秘めて、仕事してます!
Vol.027 2003年10月28日
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◆おさらいをたっぷりと。
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 受注の方程式も8割の説明が済んでしまいました。この辺で、これまでのおさらいをしときたいと思います。


●営業マンの販売活動って一体何?

 営業マンのによる販売活動とは、突き詰めると、次の3つにまとめることができます。

   ・顧客情報の収集
  ・自社製品情報の伝達
  ・信頼関係の構築

 私もミナサマも営業マンである以上、日々商談をしてらっしゃると思うのですが、営業マンの仕事とは、

「訪問活動などにより、『顧客情報の収集』と『自社製品情報の伝達』という二つの活動を通じ、顧客との『信頼関係の構築』を図るもの」

・・・であるのです。

 皆様自身が日々行って入ることを振り返ってください。絶対コレを行っているはずです。

 ちなみに、よく、営業マンにとって、『訪問回数×面談時間が大切』といわれますが、なぜだか分かりますか?

これって、要するに接触時間が長くなると・・・

・顧客ニーズを聞き取る機会が増える
・自社製品を伝える機会が増える
・顧客との信頼関係を作りやすくなる

 ということに繋がるからなんです。だから、上の3つを意識しながら接触時間を延ばしていけば、通常、受注は増えていくものなんです。

 詳細は Vol7 営業というお仕事 を参照ください
 http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=196458

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●受 注の方程式

 で、上の3活動をもう少し展開すると、次の方程式になるわけです。

   受注=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

 先の「顧客情報」は「ニーズ×投資能力」と対応しており、「自社製品情報」は「製品×比較優位」と対応しているわけですね。

 この式で言いたいことは・・・
 
 1.お客様にニーズがあり、かつ、
 2.お金をもっていて、かつ、
 3.当社にそのニーズを満たす商品があり、かつ、
 4.その商品は競合より優れた個所があり、かつ、
 5.顧客と信頼関係があれば、
  
 ・・・受注できる 、ということなんです。

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●ニーズを起点に組み立てる

 まずは顧客ニーズを見抜かなきゃぁいけません。

ニーズ :必要性。しなければならないもの。
ウォンツ:欲求。したいもの


お客様がニーズ・ウォンツの両面で気分が乗っていると、購買行動に動きやすくなるのです。

 vol11 ニーズとウォンツの違い
 http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=201601

また、製品提案する場合にも顧客ニーズを見つめておくことは重要だって話をしました。
具体的には、顧客ニーズを細分化してそれぞれのお客様に合った製品提案を しましょーね、って話です。
まさか、どのお客様にもおんなじ分厚いカタログを持っていって、「ウチはなんでも対応できます」なんて言ってる人は、もういませんよね。

市場細分化についてはvol12を参照ください
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=202404

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●投資能力の拡張

 お金のないお客様は正直いって、相手にするだけムダに終わる場合が多い。
だけれども、分割支払などで「小さく売る」ことで解消できることもあるのだ!っという話でした。

vol14
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=204569

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●製品についてもっとよく知ろう

 顧客ニーズとあわせて「製品ベネフィット」をトコトン考えましょーね、という話をしました。
例えば、顧客がドリルを買おうとしているときなら、

顧客ニーズ   :穴が欲しい!(ドリルが欲しい!ではない)
製品ベネフィット:穴を開けること!(ドリルの提供!ではない)


・・・ということになるわけです。

また、プロダクト・オーグメンテーションという概念を紹介しました。付帯サービスもひっくるめて1つの製品ですよーという考え方です。
改めて明確に書いときますが、今の時代、この「プロダクト・オーグメンテーション」の発想をしない限り、競争に勝つことはありえません。製品にどんなサービスや情報を付加するのかで売上は大きく変わってきます。

 製品ベネフィット vol14
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=205281

プロダクト・オーグメンテーション vol17
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=207960

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●比較優位を見つけてマーケティング戦略を策定するのだ

 SWOT分析による比較優位の見つけ方と、それを使ったマーケティング戦
略策定の流れを紹介しました。

<SWOT分析>

  内部環境
  S:強み(Strength)
   W:弱み(Weakness)

  外部環境
  O:機会(Opportunity)
   T:脅威(Threat)


<マーケティング策定の流れ>

1.SWOT分析で比較優位となる特徴を抜き出す。
    ↓
2.それが比較優位として有効と思われるターゲット顧客を選定する
    ↓
3.比較優位をそのターゲットに有効に訴求する方法を検討する

 vol22-vol26
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http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=213506
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http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=215369
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=216412


ここまでの話で、営業マンなら誰だってマーケティング戦略を策定することができるハズなんです。
もーね、ホント、あとは慣れですからね。とりあえずでいいからやってみる。それが第一歩ですよ。

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◆んでもって、信頼関係・・・は次回。
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 さて、ずらずらっとまとめてみましたが、覚えてます?

受注の方程式で、残ったのは「信頼関係」だけですね。で、ジツをいうとこの信頼関係は、最も重要 な項目なんです。

ところが、最も大切なんだけど、これまでのような具体的な「手法」があまり存在しないのが「信頼関係の構築」なんです。
Vol.028 2003年11月11日
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◆信頼関係
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  受注=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

 「受注の方程式」は全て”掛け算”で成り立っている。ということは、例えばバツグンな”製品”であっても、信頼関係がゼロならば、答えもゼロだ。つまり、受注できない。

「信頼関係」の重要性は深く考えるまでもない。

 お客様は、信頼してない相手に、本当のニーズをしゃべるわけないし、予算額も本音を漏らさない。また、こちらの製品メリットだって、信頼されてなければお客様はそれを信じない。胡散臭いとおもうにきまっている。

繰り返すが、受注の方程式は掛け算だ。だから、どれか1つでもゼロであれば、受注はできない。例え世界に誇れる製品であっても、ニーズがまったくない市場へ投入しては売れるはずがない。当然だ。
顧客の信頼関係を気づけない場合もしかり。記憶に新しいのは雪印乳業の失墜だろう。ブランドが地に落ちた、といわれたが、要するに顧客との信頼関係が崩壊したということだ。

しかし、この掛け算の公式が成り立たない取引が存在する。それは”サギ ”だ。
実際は何のメリットもない製品であっても、さまざまな手法で相手を『信頼させ』、「この製品にはメリットがある」と思わせて販売してしまう。買い手は使ってみて、どうもおかしい・・・ダマされた!と感じるわけだ。

信頼関係がなければ、本当に存在する製品メリットを信用してもらえない
  
偽りでも信頼関係を作れば、存在しない製品メリットを信用させることができる

この2つを比べると、信頼関係の重要さがひしひしと伝わってくることだろう。信頼関係の有無は、ニーズや比較優位の有無以上に大切といっていいだろう。



ところが、だ。

この信頼関係について、正直いうと、私は語るものをあまりもたない。なぜなら、マーケティングのようなテクニックでカバーできるテーマではないからだ。私自身、まさしく学びの途中なのである。

 勤め先で売上No1になったこともある。しかし、それは会社の名前を背負い、先輩たちの築いてきた既存顧客とのつながりをも活用したものだ。すなわち、他者の築き上げた”信頼関係”をも利用して可能となったものなのだ。私個人の努力ももちろんあるが、それだけでNo1になったのではないことは明白なのである。

つまり、人より早く、顧客の信頼を獲得し、受注に結びつけるというテクニックを持っていると自信をもって言い切れることはできないのである。

でも、いわゆるトップセールスマンの方々は、きっとそれが出来る人なんだろうと、漠然と想像している。

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◆信頼関係の作り方
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 さて、これまでメルマガで、中小企業診断士として身につけたマーケティング手法などを紹介してきた。それなりに努力して身につけたことである。そのため、どことなくエラソーに、「教えちゃる」という生意気なスタンスがあったことを否定しない。

だが、この『信頼関係』では、私は皆さんとまったく同じ土俵に立つことになる。いや、逆に皆様から教えていただきたいくらいの気持ちでいる。

皆様からも意見やアドバイスがあれば是非聞かせて欲しい。私も、「信頼関係の構築」については、”餓え”ているのである。


 さて、そうはいっても信頼関係についてこれから何も語らない、というわけではない。
信頼関係について、マーケティング的な視点やセールスの視点で語られている本がいくつかある。そういうものを紹介しながら、私自身、改めて考えたいと思っている。

私は、マーケティングやセールスの本質に注意しながら読書してきたつもりだ。量も相当なものになっている。これから紹介する内容も、ユニークなものになるだろう。期待して欲しい。
Vol.029 2003年11月18日
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◆信頼関係の作り方を本から学ぶ
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 さて、今日からは主に「信頼関係の作り方」を考えてみたいと思います。とはいえ、このテーマは私も勉強中の身。というわけで、本を題材に話をすすめてみたいと思います。

はじめに紹介する本は、コレ。

売り込まなくても売れる!−説得いらずの高確率セールス−
    ジャック・ワース/ニコラス・E・ルーベン著、神田昌典監修 (フォレスト出版)
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 ええと、正直、この本はけっこう衝撃でした。

 この本の「序章」には、これまでとはまったく違うセールスの本であると書いてあるんです。
天動説から地動説へパラダイム転換したかのように、これまでのセールスとこの本が主張する高確率セールスはまったく違うものである・・・とまで書いてあるのデス。って、怪しいともいえなくないケド。

んー、そこまで言うかぁ?・・・と思いつつ読んだのだが、確かに相当思い切ったことを提案していますねぇ。

特に、この本の主張する「信頼関係を構築する方法」は、非常に画期的だと思います。信頼関係の重要さをアピールする本は数あれど、具体的手法を明確に示している本は、おそらく他にないんじゃないでしょうか。

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◆従来型セールス
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 ではいったい、この高確率セールスとは一体なんなのか私なりに解説してみよう。
そうそう、注意点ですが、あくまで私の視点での解説だということを忘れないでくださいね。やっぱり、本は自分で読むのが一番デス。


 さて、この本では、セールスのスタイルを次の2つの構図に分けて説明しています。

 従来型セールス VS 高確率セールス

で、この本のありがたみをより良く知るには、従来型のセールスってどんなもんか知っておいた方がいい。

従来型セールス というのは例えば・・・

・お客様のところへ通いに通って断られても通いつづけ、少しずつ信頼してもらって、注文をいただく方法
・お客様の前で商品のメリットや顧客が得る利益などをプレゼン資料や身振り手振り心理学やしゃべり方も含めてなんとか買わせる 方法
・酒を飲ませおみやげ持たせてムリにでも買ってもらう 方法

というようなやり方のことです。顧客とのやりとりは、駆け引きであり、その上手い下手で受注量が左右されてしまう世界の話なわけですね。しかも、基本スタンスは「買わせる」 ことにありますね。

ちなみに、私、どれも経験がありますね。
 そりゃー10年やってりゃイロイロありますわな。作った見積書を投げつけられたことはあるし、酔っ払った客がカラオケ中「しゃべっとらんで、オレの歌を聞け!」といってマイクで頭殴られたことあるし・・・聞いてたっちゅーねん、まったく(笑)

まぁ同僚にはもっと大変なお客を相手にしている人もいるし、世間では夜討ち朝駆け当たり前、玄関前で土下座してでも仕事を取る!なんて人もいるんだろうし・・・。

ともかく、苦労の程度はサマザマとしても、従来型セールスというと、だいたいこんなような感じなわけですね。

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◆高確率セールスとは
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さて、では高確率セールス とはどんなものなのか?
一言でいうと、”売り込まない”方法ということなんです。根本的に一切売り込むことをしない。そういうセールス手法。

この本を理解するには、これが重要なんで繰り返しますね。

『根本的に』一切売り込まないセールス手法

これが、この本の主張するテーマなんです。
間違ってはいけないのが、ありがちな、表面的にだけ売らないことを装う手法ではないということです。これは”根本的に”売り込まない手法なのです。
だから、「売り込みは嫌われるから潜在的なニーズを引き出すような誘い文句でまずは誘導して・・・」みたいな、あいまいな表記は一切ない。

だから、「高確率セールス」とは、スタートからしてある意味異様。これまでのセールスとは性質が違う。

そもそも、この手法によると、「買う気とお金のある顧客」としか取引しないそうなのです。買う気のない客やお金のない客は、初めから”除外”してしまうというのですよ。つまり、「ニーズと投資能力」のある顧客と”だけ”商談しよう 、と言っている。

だから、「頼みますよー。今月は全然売れなくて。助けてください、お願い!」みたいな拝み倒しはそもそも起きようがない。
そりゃそーですよね。「買う気のある顧客」しか相手にしないのだから。

しかも、高確率セールスでは「信頼と尊敬に値する相手」とだけしか取引してはならない 、とされている。

まとめると、高確率セールスにおいて相手にしているのは・・・

 ニーズを持っていて 、かつ
 ・お金をもっていて 、かつ
 ・信頼関係のある

・・・この3つ持っている顧客、ということになり、どれか一つでも欠けていれば、そもそも商談の場さえ作らなくて良い、と主張しているのです。

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◆受注の方程式と高確率セールス
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しかし、この「高確率セールス」の相手にする顧客像

 ・ニーズを持っていて、かつ
 ・お金をもっていて、かつ
 ・信頼関係のある

 ・・・顧客って、どっかで見た気がしませんか?


そうです、 このメルマガで、さんざんっぱら解説している

  『受注の方程式』
    受注=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

 と非常に良く似た構図 なんですね。

論理構造が似てしまうのは、別に偶然ということではなく、むしろ当然。どっちも正しい、ただそれだけのことです。

他にもセールスやマーケティングの本はいっぱいありますが、いろんなところで似た論理構造は登場します。なぜなら、行き着くからなんです。この方程式に。だから、論理構造が似ていることは別に驚くものではないんですね。


しかし、驚異的なのは、それを実現する「手法」にあります。

信頼関係の作り方、資源をムダにしないための顧客の選別手法が、恐ろしく独特なんです。ぶっちゃけ、脱帽ですね。

さて、その手法ってどんなものなのかは、また次回。信頼関係だけでなく、「高確率セールス」の全体について、紹介していきます。

【本日の教材本】

売り込まなくても売れる!−説得いらずの高確率セールス−
 ジャック・ワース/ニコラス・E・ルーベン著、神田昌典監修
(フォレスト出版)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894511371/salesmarket09-22
Vol.030 2003年11月25日
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◆信頼関係の作り方を本から学ぶ
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 さて、前号に続き『高確率セールス』なるモノを考えてみよう。特に注目したいのは、『高確率セールスにとっての信頼関係とはなんぞや?』という点だ。

 この本で語られる信頼関係の意義をじっくりと観察してみよう。んでもって、信頼関係が実際のセールス活動にどう役立っていくのか、その一面を知っていただきたい。

私は高確率セールスを強く支持するわけでも実践しているわけでもないのだが、相当参考にすべきテーマが含まれていると思う。

今日のポイントは、とりあえず2つ。

高確率セールスでは、信頼関係がない客を相手にしない
これまで、どうなると信頼関係があるとすべきなのか基準がなかった

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◆何のために信頼関係を作るのか?
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 高確率セールスでは、一体何のために信頼関係を作ろうとしているのだろうか?
本を読んだ上で考えると・・・一言で言うと、

 『高確率なセールスを行うために信頼関係を作る

となってしまうのだが、これじゃぁ答えになってないですね。
もうちょい細かく説明してみますね。


 この本では、「信頼関係のない顧客とは取引しない」という姿勢をとっている。お客様の人となりを知り、尊敬と信頼に値する人とだけ取引をする。尊敬も信頼もできない人とは取引をしない。つまり・・・

 尊敬・信頼できる人だけが客である。
 尊敬も信頼もできない人は客としない。

んー、こう堂々と書いてる本は多分、珍しい。
どういうことかっていうと、「お金があろうが、買う意思をもってよーが、『信頼も尊敬もできない』場合は、売らない!」としているわけですね。

私も、信頼関係は非常に重要だと思ってますよ。だからコトバとしては分かる。でも、実際は、尊敬できない客でも『お金払って買ってくれるなら、客として扱う』だよなぁ、やっぱり。・・・というのが率直な感想。

だからこそ”尊敬も信頼もできない客とは取引するな!”というこの本の主張を、衝撃的 と感じたのですね、私。
で、さらに、確かに確率論的な思考で判断すると、『この本の主張は正しい 』と思えないこともないのです。

 まぁややこしいことはいいや。とにかくこの違いだけアタマにいれちゃおう

●普通、買ってくれるならどんな客でも大歓迎しちゃうもの
●『高確率セールス』では、金も買う気もある客でも、信頼も尊敬もできないなら取引しない

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◆どうなると信頼関係があるのかがこれまで不明だった
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 ちなみに、私が以前から主張している「受注の方程式」における『信頼関係』は、情報伝達(処理)と意思決定における優位性を決定する要因として捉えてます(詳細はまた今度書きますね。)

で、私の他にも『信頼関係が大切!』と主張する人はいっぱいいるのですが、『どの程度の信頼関係があればイイのか?』を考えると、多分意見が分かれる と思うのです。つまり・・・

一体どのくらいの信頼関係があればイイのか?
 お金は当然払うし、人間的にもすばらしい客
 お金を払ってくれるのは間違いないけど、人間的には尊敬できない客
 人間的にはすきなんだけど、お金になるとケチでなかなか払ってくれない
  ・・・
とまぁ、きっといろいろなお客様がいるなかで、どこまでを認めどこからは認めないのか、っていうことは特に議論されてないんですね。たた漠然と「信頼関係は大切」と主張している(ボクも含めてね)。

考えてみてください。皆さんも、どこぞのコンサルタントとか上司から、

上 司「お客様とは信頼関係を作らないと。それが営業の仕事なんだぞ」

と言われたとしますよね。すると、それなりにお客さんとうまくやってる人はこう答えるわけです。

アナタ「いやぁ、一応、お客様からは信頼されてると思うのですが・・・」

んで、こう続く。

上 司「一応じゃ困るんだよ。きちんと信頼されないとダメなんだよ!」

そんな風に言われたら、「そんなこと言ったて・・・信頼されてるとは思うんだけどなぁ・・・」 とブツブツつぶやくしかできない。
しょうがないよね。漠然と「信頼関係がある」と思っているのだから、それ以上説明しようがない。

逆に、上司の方も漠然としているハズだ。だから、もしこんな議論になったら、次のように聞き返せばいい。

「きちんと信頼されているか否かって、どうやって判断するんですか?」

・・・たぶん、上司は答えられず、沈黙が続くことでせう・・・。

今、この質問に答えられる人ってほとんどいないんだと思う。
いや、多分、答えは返ってくる。例えば●●してくれるような人だ、もしくは△△してくれる人だよ・・・などなど。しかし、どれも主観的であり、ほとんど用を成さないだろう。

セールスをきちんと考える上で、これではイカンわけなんですよね。どこかで線を引かなきゃいけない。こういう人とは信頼関係が結べるよう努力する必要があるが、この人とはどうでもいい、なんていう風に、はっきりいえなきゃならない。

しかしながら、高確率セールスでは顧客と信頼関係について一定の基準を紹介しいるのだ。なにかというと・・・

取引してよい客とは「ニーズがあり、商品を希望し、資金もあり、尊敬と信頼できる客」のみだ 、とした上で、

『顧客が、個人的な話をしてくれたら信頼されていると考えてよい』

と書いているのである。
つまり、基本的に個人的な話も含め、売り手対買い手ではなく、人対人として会話をし、互いに信頼関係を感じるようになったと思ったときだけ、取引を続けるというのだ。

となると、先の例題では、

◎ お金は当然払うし、人間的にもすばらしい客
× お金は払ってくれるけど、人間的には尊敬できない客
× 人間的には好きだけど、お金になるとなかなか払ってくれない


 となるわけだ。明快にそうなるのである。これは分かりやすい。

普通、信頼関係はあいまいで分かりにくいものだった。ところが『高確率セールス』では、これをかなり明確なものにしている。ココが明確になると、次に、「では、具体的にどうやって信頼関係を築いていくのか?」を考えることができるのだ。

来週は、その「信頼関係を築くための具体的な方法」について紹介しよう。

【本日の教材本】

売り込まなくても売れる!−説得いらずの高確率セールス−
 ジャック・ワース/ニコラス・E・ルーベン著、神田昌典監修
(フォレスト出版)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894511371/salesmarketin-22

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◆雑談
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 んー、なんかムズカシイことかいてますよねー。ごめんちゃいデス。
今日言いたかったことは、突き詰めると・・・

●普通、買ってくれるならどんな客でも大歓迎しちゃうもの
●一方、『高確率セールス』では、金も買う気もある客でも、信頼も尊敬もできないなら取引しない

 というカルチャーの違い、それと、

●普通、信頼関係って曖昧だから、仕組みとして成り立ちにくいし、曖昧ゆえに、誰かの真似をしようと思ってもできるものではない
●一方、『高確率セールス』では、信頼関係の定義をある程度明確にし、かつ、信頼関係を築く具体的方法を提示している

ということなんです。
 モノゴトを考える上で、『仕組み』を意識するって非常に大切です。で、仕組みを作ろうとすると、テーマが曖昧だと困ってしまうのです。
そんなわけで、この本はこれまで曖昧だった個所にある程度の仕組みを明確にすることに成功していると思います。そこを評価したいなーと思うわけですね。
次号はもうちょい具体的なハナシが書けると思いますんで、お楽しみに!
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