学ぶが勝ち! 生産財のセールス&マーケティング
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Vol.31 2003年12月2日

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◆ここ最近のテーマ
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「受注の方程式」

   受注=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

 1.お客様にニーズがあり、かつ、
 2.お金をもっていて、かつ、
 3.当社にそのニーズを満たす商品があり、かつ、
 4.その商品は競合より優れた個所があり、かつ、
 5.顧客と信頼関係があれば、
 
  ・・・必ず受注できる。

 現在、この方程式についてシリーズでお送りしています。

今日は、下記の本から「信頼関係」についてお勉強ぉー。

 『売り込まなくても売れる!−説得いらずの高確率セールス−』
   ジャック・ワース/ニコラス・E・ルーベン著、神田昌典監修
  (フォレスト出版)

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◆信頼関係の作り方を本から学ぶ
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 さて、前号のポイントだけ紹介しときましょ。

【前号注目した切り口】
『高確率セールスにとっての信頼関係とはなんぞや?』

前号注目したのは『高確率セールスにとっての信頼関係とはなんぞや?』という点でした。
一般論と比較して書くと・・・

●一般論:普通、買ってくれるならどんな客でも大歓迎しちゃうもの

●高確率セールス:『高確率セールス』では、金も買う気もある客でも、信頼も尊敬もできないなら取引しない

というカルチャーの違いにありますね。
それと、この本の意義として、下記の2点をあげました。

●普通、信頼関係って曖昧だから、仕組みとして成り立ちにくいし、曖昧ゆえに、誰かの真似をしようと思ってもできるものではない
●一方、『高確率セールス』では、信頼関係の定義をある程度明確にし、かつ、信頼関係を築く具体的方法を提示している


今日は、引き続いて、

●なんで信頼関係のある客とだけ取引するのか?
●なんで信頼関係のない客とは取引しないのか?

この2つを解説します。

たぶん、「信頼関係」の大切さは、読者のミナサマ誰もが、実感として「大切だ!」と感じてらっしゃると思うのですよね。

でも、「どう大切なのか」「どのくらい大切なのか」という点について、あまり考える機会ってないと思うのです。実のところ、オレも漠然とは感じつつも深く考えたことってあまりありませんでした。

そんなわけで、今日は改めて「信頼関係」の重要さを考えてみたいと思うわけです、ハイ。

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◆なんで信頼関係のある客とは取引するのか?
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なんで信頼関係が大切なのか?

この本では・・・

『信頼関係こそが競争優位に立つポイントだから』

としています。一体どういうことか、この本に書かかれていることをまとめると次のようになります。

「ある商品を売るに当り、大抵の場合、最低2人の営業マンがしのぎを削って販売促進に励んでいる。今の時代、競争相手がいないなんてことはほとんどない。
しかも成熟時代の今、商品自体にはあまり差がないから、商品そのもので差別化することは難しい。となると、『顧客は信頼し尊敬できる業者から買うだろう』ということになるのである。」

つまり・・・

『競争が激しいが、商品で差別化することが難しい』
           ↓
『顧客は、商品で選ぶのでなく、業者が信頼できるかどうかで選ぶだろう』

という論法なわけだ。

この論理は感覚的に良く理解できる。高い信頼関係がお客さんとできていると、いろんな情報だってくれるし、こっちを有利に取り計らってくれるしね。
体験的に、これは正しいと思う。


 そうそう、勉強好きなアタナのために一般論を紹介しときましょう。一般的なマーケティングの教科書では、『生産財では、経済性が優位に働く』としています。
どういうことかと言うと、『生産財では、価格で勝たないとダメ!』というのが一般論なんです。

消費財は違いますよね。例えばソニーのパソコン「バイオ」などは、他者より値段が高くても売れている。一般消費者は、仮に必要な機能が一部欠けていても、「バイオを持っている」というだけで満足しちゃったりするからです。

しかし、生産財はそうはいかない。機能は絶対条件になる。逆に機能が同じなら、どの会社のモノだった構わない。機能は絶対条件で、その中でとにかく価格が安い方がイイ!。
つまり、『生産財では、ブランドだとかよりも、経済合理性が高い方が購入される!』・・・と考えるのが一般論なのです。

しかし、この一般論に対し、異論を唱える人もいます。マーケティング界の巨匠、セオドア・レビットも異論を唱えた一人です。彼の考え方は、次のようなものです。

「生産財は、消費財より経済合理性が優先されると言われるが、それは間違いだ。逆に、生産財の方が価格以外の側面が重視されるだろう。なぜなら、購買担当者に多大な責任が寄せられるからだ。

例えば、購買担当者が購買したものの、もし納期が間に合わないなどミスがあったらどうなるだろうか。きっと、購買担当者にその責任が廻ってくるだろう。

購買担当者は、そのような重責から逃れたいのが本心であり、そのために、多少価格が安くても、信頼できる実績のある業者から購入したいハズである。
決して、価格を最優先にした決定などしないはずだ」

ちなみに、私もレビット支持です。レビットファンだし、私。


ええと、とにかく結論的にはですね、

 『生産財だろうが、信頼関係を大切にしないとアカンよ』

ということなわけです。

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◆なんで信頼関係のない客とは取引しないのか?
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話がちょっと大きくなっちゃいました。路線を修正し、『高確率セールス』に戻しましょう。

この本では、信頼関係がないと取引しない!と書いてあります。でも、なんで信頼関係のない客とは取引しないのでしょうか?

「別にイイじゃんね、お金払ってくれるなら、信頼関係なんてなくたって」

・・・というのがフツーの意見だと思うんですよね。
ところがこの本ではそれを認めない。

なぜか?

 なぜかというと、『信頼できないような相手を取引すると、いろんなトラブルを引き起こすから』だそうなんです。

言われてみると、確かに思い当たるフシがある。ヤバイかなぁ〜この人・・・と思った人と商売すると、後からナンクセつけられたり、客の要望だから追加で仕事したのに、お金を払ってくれなかったり・・・などなど、確かにイロンナ思いをしました。

また、こうも書いてます。

 『この人は信頼できないと分かった時、それを取り繕うのは難しい。こちらがそういう気持ちを持っていれば、向こうもそれに気づいて取引する気を無くすだろう。』

うーん・・・。確かにそうかもしれません。

思い返せば、この人に好かれようとか、好印象を持ってもらおうとか、いろんな努力を普段してるけど、どこまでホントにそう思われているのかって、わかんないですよね。

まぁ正直、顔は笑顔で、「いやー、そう。おっしゃる通りですよ、●●さん、さすがによくご存知ですよねー」と言いながら、ハラの中で「ウチの機械のことぜんぜん知らんくせに、よく言うぜこんにゃろー」と思ってたりすること、確かにあります。

んー、こういうのって、あまり健康的ぢゃないよなぁ・・・。

【本日の教材本】

売り込まなくても売れる!−説得いらずの高確率セールス−
 ジャック・ワース/ニコラス・E・ルーベン著、神田昌典監修
(フォレスト出版)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894511371/salesmarketin-22

Vol.32 2003年12月9日

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◆どうやって信頼関係を作るのか?
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 さあて、信頼関係が大事なのは分かったとして、大切なのは、信頼関係の作り方ですよね。

なんでも作り方を学ぶのは難しい。信楽焼きの作り方とか、モンブランケーキの作り方とか、コドモの作り方とか、何かと作り方を学ぶのは大変だ。だからこそ、知りたいのである。もーね、コドモの作り方なんて、昔は知りたかったなぁ・・・あぁ懐かしい若かりしあの日・・・。

ン、コホン。

さて、そこで、またボクはこの本を紐解くわけですね。

小学生がエロ本にドキドキするがごとく、このドピンクの表紙をめくり、信頼関係の作り方を目を充血させながらも読み込んでいくと・・・どうもこういうことらしい。
 
まず、「信頼できる相手かどうかを判断するためには、本当の意味で相手を知らなければならない。」と書いてある。

何が相手を動かすのか、人格に影響を与えた過去の出来事や事情、今の仕事に就くまでのいきさつなど、表面的なことではなく、かなり突っ込んだことを知らなきゃいけないんだそうだ。

で、それを知るために何をすればイイのかというと、

「質問すればイイ」

・・・んだそうだ。
人格を知るために質問するとなると、やはり突っ込んだことを質問することになるが、それもそれでイイ、としている。

さて、一方、相手を信頼するということは、こちらも信頼されなきゃならない。つまり、だれかに信頼されるには・・・

 「自分も信頼に足る人間でなければならない」

・・・としているわけだ。

まぁ、確かに・・・ごもっともではある。

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◆どうやって信頼関係を作るのか2
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ロジックを確認してみよう。

『相手を信頼するには、相手を知らなきゃならない。相手を知るには、突っ込んだ質問をすればよい』

『相手を信頼するには、相手からも信頼されなきゃならない。信頼されるには、自分も信頼にたる人間でなければならない』

ポイントはこの2つというのは分かった。

問題は、これって、できるの?ってことだよなぁ・・・。ボクからしたら、
「突っ込んだ質問って、信頼関係ができてからぢゃないとムリなんじゃん?」
とか思えるのだけど・・・。いきなり突っ込んだ質問して、答えてくれるのかなぁ?とか思っちゃうし。
それに、自分が信頼にたる人間でなきゃならないなんていわれても、言われて、「ハイ、そうします!」って元気に返事するようなもんでもないし。


さて、そんな我々に向けて、このピンクの本はいろんなメッセージを送っていますね。例えば・・・

・心から興味を持てば、必ず相手に伝わる。誠意を持ち、率直に物をいい、相手に無理強いする意図もない時、態度にもそれが現れ、相手は君を信頼する。
・質問するこちらが純粋に答えが知りたくて質問し、下心がなければほとんどだれもが誠心誠意きちんと答えてくれる。
・相手を知ることで、相手の思想や心情を評価し意見を述べるのではなく、「ひたすら聞く」。心から興味を持っていればなんなくできる。

・・・こんな風なことです。

素直な気持ちで相手と接し、素直な気持ちで疑問や質問をぶつけ、素直にその答えに耳を傾ける。
これができる人というのが、『信頼にたる人』であり、そういうマインドでなら『突っ込んだ質問』をしても相手は受け入れてくれる。

・・・その結果、信頼関係が出来上がる、ちゅーわけですね。

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◆どうやって信頼関係を作るのか3
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 さて、こんな風な話をされると、

 「なんだぁ、そんな内容かぁ」

とがっくり肩を落とす人もいることだと思う。誠意だの純粋だのという言葉を振り回しても、正直、ピンとこない。ごまかしのようにも聞こえる。そう聞こえるのも、ムリはないなぁ、とオレも思う。


オレもどちらかといえば、こういう白々しいのはキライなタチだった。
キライというより、ハズカシイ。んー、そうなんだよー、オレってけっこう照れ屋なんですよ。

 しかし、そんな照れ屋な私でも、最近、ここにかかれていた信頼関係の作り方は真実であり、かつ、最もスピーディーに信頼関係を作る唯一の方法ではなかろうかという印象をもっている。

この本では「信頼関係を作るのは聞く技術だ」としている。
そして、「相手がなにか個人的なことを打ち明けたら、それは信頼し始めている証拠」とし、個人的なレベルの話ができると、信頼関係ができつつある兆候だ、と示しています。

「聞く技術」はコーチングなどとともに、現在、すっごく注目されている技術です。で、コーチングなどはそもそも信頼関係がないと成り立たないとされているものでもある。

 また紹介しますが、あちゃこちゃと本を読んでると、この本にかかれている「信頼関係構築の方法」は非常に有効だと思わないわけにいかないんですよ。


【本日の教材本】

売り込まなくても売れる!−説得いらずの高確率セールス−
 ジャック・ワース/ニコラス・E・ルーベン著、神田昌典監修
(フォレスト出版)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894511371/salesmarketin-22

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◆雑談
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 んー、信頼関係って、他のニーズとか投資能力とか製品っていうテーマと比べると、あまりに異質だよなぁ・・・。

私、信頼関係についてはまだまだ勉強中だって書いてますが、要するにですね、苦手なんですよね、きっと。

マーケティングのように理路整然とできるものでもないし、クールな目で観察すれば理解できるってものでもないし・・・。やはり、信頼関係というのは、人間としての本質的な部分を問われるテーマではないかと思うわけですね。

ミナサマは、信頼関係を作る・維持するために、どんなことに心がけています?よろしければメールで教えてくださいませ。
Vol.033 2003年12月16日
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◆ついでに高確率セールスの概要を
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さて、信頼関係について、もっとサマザマに触れていきたいのですけど、せっかく高確率セールスについて書いてるので、信頼関係に関すること以外についても、カンタンに紹介しときます。

本を読んだところ、高確率セールスとは、なるべく空振りしないようすることに主眼をおいているようですね。

 通常、セールスの本では、「とにかく数多くの人に、回数多く会う」ことが大切とかかれている。しかし、この本では、「商品に対するニーズがあり、商品を希望し、資金もある見込み客以外には会わなくてよい」としており、それが一般的な理論との特徴的な違いになっている。

 実を言うと、この趣旨を見たとき、ピイン!ときましたね。
何がっていうと、このメルマガでも、「受注の方程式は掛け算」とさんざんっぱら書いてますが、高確率セールスもそのスタンスは同じってことなんです。

 「商品が欲しくてお金のある客とだけ会う」

 そりゃー、そんなお客とだけ会っていたら、確かに受注確率(受注数/引合件数)は高く維持できることでしょう。一番ムダがない。間違いなく。

 しかし、そうしようったって、できないのが普通なんですよね。だって、分かんないですもん、誰がそういう客なのかなんて。

 つまり、問題は、そいうお客をどうやって探すのか?ということになるわけですよね。
それを、この本では次の3ステップに分けて解説してあります。

  高確率な顧客発掘
  高確率なセールス
  高確率なクロージング
 
この本では、基本的に”電話”を使って顧客を発掘しろ、としてます。電話をかけ、買う気のある客を探すわけですね。一言でいってしまうと、買う気のないクズ客と、買う気マンマンのお宝客を電話で選別していくわけです。(本では、クズ客という下品な言葉は使われておりませんので。念のため。)

で、会った後も、質問を繰り返し、常に買う気を確認していく。途中で「あ、この人、買う気ないな」とか「コイツは信頼できそうにないなぁ」とかってことになると、その場でスグ、”除外”してしまえ、と主張しているのです。

最後まで交渉し、取引するのは、あくまで「ニーズも金も買う気もある客」のみ。
一般的によく言われているような、「とりあえず接点を保っておこう、そのうちお客になってくれるかもしれないから・・・」とグズグズ連絡を取り合うようなことはしないというのが高確率セールスのスタンスなのです。


で、ここで面白いのが、常に行われている除外のプロセスで、この本ではそれを”コミットメント”と呼んでいる。どういうことかと言うと、例えば初回訪問の時こんな風な会話をしろと言っている。

営業「お客様の条件を満たせば、契約して戴けますか? そうであるならば、お見積もりをお持ちします」
客 「契約するかどうかは、まず見積を見てからでないと」
営業「お約束して戴けないのなら、御見積はご提示できません。どういたしましょう?」

 んー、強気ですよね。フツーなら、「見積だけでも出させて頂けないですか?」っていうのが営業マンのセリフですよね。でも高確率セールスでは違うのだ。

 高確率セールスでは、常に「条件を満たせば契約してくれますか?だったら、●●します」というスタンスなのだ。こちらからアタマを下げて何かをしてもらうことはなく、あくまで「契約してくれるなら、やりましょう」というスタンス。一般的な考えからすれば、かなり強気な方法だ。

しかし、確かにこのやり方は”高確率”になる。理論的に間違いないと思う。

 カンタンにロジックを考えてみよう。

 通常、契約に至るまでには、機能面・予算面などいくつかの制約条件がある。引合から受注までのプロセスは、原則、一本の線路みたいなものだ。交渉ごとゆえ、分岐点はいろいろあるが、受注した後で、ふりかえって歩いてきた線路を見れば、そこには一本の線路しか残らない(当たり前だけど)。

 この本の考え方は、まず、その”受注した時点”からモノゴトを見ることにある。

ボクらは普通、受注するためにアレヤコレヤと交渉を繰り返し、見積を修正しつづけ、相当な苦労をして受注へとたどり着く。しかし、高確率セールスではそのような方法をとらない。

あくまで「あなたの希望する●●と△△の条件を満たせば、発注してくれますね?」というように、視点は”受注した時点”におかれるのだ。

そして、”お客が発注するのに必要な条件”を引き出した後は、常に、「その条件をクリアすれば発注してもらえますね」と繰り返す(これをコミットメントと、この本では呼んでいる)。
よって、全ての条件をクリアできれば、常に・絶対・確実に”受注”にたどり着くようになっているのである。

 つまり「その制約条件を満足したら契約してくれますね?」という質問に対し、相手の”YES”が続く限り商談を進めていき、”NO”がでたらそこで商談を打ち切るというスタンスなのだ。だから、最後まで進んだ場合は、受注以外にありえない形式なのである。

逆に、こちらが相手の満足条件をクリアできない場合もある。その場合は、単純に”引き下がる”のである。
ムリに頭を下げ、「そこをなんとか、頼みますよぉ。今月ノルマにちょびっと足りないんですよぉ」なんてな泣き言は言わない。あっさりと引き下がり、次の顧客を発掘することに時間を注ぐ。

確かに、途中に自社では対応できそうにない条件を突きつけられているのに、それに目をつぶって商談をすすめてもムダになりかねない。
先ほども書いたとおり、引合から受注までは、一本の線路だ。平地に線路を敷くのはラクに出来るので、我々は平地からどんどん線路を敷き始め、困難なトンネル掘りは後回しにする傾向がある。
しかし、トンネルを掘らない限り、平地の線路をいくら敷いても電車は走らせられない。もし苦手なトンネル堀りに失敗すれば、平地に敷いた線路はムダになる。無駄にするくらいなら、別の線路を敷こうよ、ってことなんです。

・・・これが高確率セールスの精神、と私は本から感じたわけです。



まぁしかし。
例えば、入札形式などの場合には基本的に使えないと思う。
それと、原料系の生産財でも、それほど有効ではないかもしれない。

一部の生産財は、ユーザー企業と非常に長期に渡り取引する傾向がある。例えば原料の場合、ユーザーの生産プロセスの一部となっているため、原料の安定供給を望むユーザーは、長期に渡り信頼する会社と取引する傾向がある。

で、あなたがいわゆるルート営業ならば、高確率セールスは必ずしも必要ではない。ってか、意味がないんじゃなかろーか、とも思うのである。


【本日の教材本】

売り込まなくても売れる!−説得いらずの高確率セールス−
 ジャック・ワース/ニコラス・E・ルーベン著、神田昌典監修
(フォレスト出版)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894511371/salesmarketin-22
Vol.034 2003年12月23日
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◆前号の補足
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前回、末尾に次のような私見を加えてお送りしました。

>まぁしかし。
>例えば、入札形式などの場合には基本的に使えないと思う。
>それと、原料系の生産財でも、それほど有効ではないかもしれない。
>一部の生産財は、ユーザー企業と非常に長期に渡り取引する傾向がある。例
>えば原料の場合、ユーザーの生産プロセスの一部となっているため、原料の
>安定供給を望むユーザーは、長期に渡り信頼する会社と取引する傾向がある。
>で、あなたがいわゆるルート営業ならば、高確率セールスは必ずしも必要で
>はない。ってか、意味がないんじゃなかろーか、とも思うのである。

 すると、高確率セールス・トレーナーの宇都出さんから「議論の余地あり」というお言葉を頂戴しました。どうやらそんなことはないらしいのです。

 むむむ。ま、確かに私は実践できてるとは言い難いので、プロの方からすると問題があるのかもしれない。読者の皆様もその辺踏まえて読んでくださいね。

 あ、ちなみですが、私は、趣味でメルマガ発行をしている立場であり、どの団体・個人ともなんの利害関係もありません。高確率セールスについても同様でーす。

【本日の教材本】

売り込まなくても売れる!−説得いらずの高確率セールス−
 ジャック・ワース/ニコラス・E・ルーベン著、神田昌典監修
(フォレスト出版)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894511371/salesmarketin-22

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◆信頼関係の作り方 他にはどんなのがあるか?
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 さて、信頼関係を作るには、他にどんな方法があるでしょうか?

いわゆる「セールス本」というのがあるじゃないですか。そうですそうです、アノ”胡散臭い”本たちです。なぜか知らんけど胡散臭く見える、そのセールス本です。

それはともかく、昔からある「セールス本」のほとんどは、「信頼関係」に絡んでいるものばかりです(当たり前っちゃ当たり前なのですが・・・)。

 今回紹介した「高確率セールス」もセールス本なのですが、やっぱりこれはイイ意味で異色な本です。世の中にはあまりこういう本はない。イイ意味で例外的。

 では、一般的に、信頼関係を論じる本にはどんなモノがあるのかというと、だいたい次のような分類になると思います。

  道徳型
  顧客心理&営業トーク型
  マーケティング型

 カンタンにどんなものか紹介してみましょう。

●道徳型
 フランク・ベドガー『私はどうして販売外交に成功したか』あたりが有名ですね。多くは成功者の自伝的な物語となっていて、テーマの中心は道徳的な内容になる。例えば”熱意が大切”とか”とにもかく訪問数が全て”などがキーワードになりやすい。

フランク・ベドガー『私はどうして販売外交に成功したか
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●顧客心理&営業トーク型
 最近では、NLP(神経言語プログラミング)がハヤリ。他にも「これが必勝の営業トーク!」みたいな本は腐るほどある。
また、この分野には、「信頼があると思わせれば勝ちだ!」とある意味お客様を騙そうとしているかのような本もあるので要注意。

●マーケティング型
 関係性マーケティングやワン・トゥ・ワン・マーケティングを中心に書いている本が多い。Win−Winというキーワードなどが出てくる。
視点は”組織”であり、個人の努力ではなく組織的に顧客をフォローしなきゃダメよ、というロジックをたどる。
 また、メルマガでも有名な石原明氏『営業マンは断ることを覚えなさい』も組織的という意味ではマーケティング型になるかもしれません。

石原明『営業マンは断ることを覚えなさい
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 実際は、道徳的側面、マーケティング的側面の両方を含んだ本なども多数存在するわけで、ここまでバッサリとは分類できないとは思いますが、大きな傾向として、この3つがあると思うわけです。

ところで、これらのうち、優秀な営業マンはどれに秀でているのだと思います?ちょっと考えてみてください。

正解は・・・優秀な営業マンは「すべてできるらしい」んです。

いや、本当のところは良く知りません。でも、いろんな本を読んでると、どうも優秀な人というのは、どの能力も素晴らしいらしいのです。

例えば、ある成功者の本を読んでいると、基本的には「根性中心」なんですよね。「んー、そりゃキツイなぁ」というようなことをやりこなしているから成功した、みたいな記述があったりする。
でも、その人の「行動プロセス」は実にマーケティング的だったりもするんですよね。システィマティックだったりする。当然、接客態度も真摯で誠実と書いてある。

恥ずかしながら、ボクは今まで「会社が××を用意しないボクらは効果的に動けない」などのように、成績が悪いことを会社のせいにしていたこともあった。でも、どうやらそれは間違いらしいんです。

優秀な営業マンは、どうも・・・自分で「すべて」やっている、ラシイのだ。

というわけで、「そんな人間いるの!?」という方が、どうもトップセールスになっているようなんです。

まぁ「めったにいない人だから」こそ『本』になるわけですよね。
となると、んな「めったにいない人のやってること=特殊なこと」を学んだところでどーすんの?という気持ちも正直でてきちゃう。

うーん。悩ましいものです。

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◆受注の方程式に続くテーマ決定か?
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で、ふと書きながら、さっきの3つを考えると・・・なんとこんな風に分類できることに思いついた。

  道徳という個人の”心”、
  営業トークという”技術”、
  マーケティング活動という組織”体”(そしきたい)

 おぉ、うまい具合に”心・技・体”にまとまってしまったではないか。いや、マジ偶然なんだけど。

 ん、こりゃーエエ。というわけで、来年からは、信頼関係を軸に心・技・体の3つの側面から考えてみたいと思います。

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◆雑談1
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 とういわけで、「受注の方程式」というテーマで5ケ月に渡り配信してきたのですが、このテーマはそろそろ終わりかなぁと思ってます。
 うぅぅ、次からどうしよう・・・と悩んでいたところ、うまい具合に”心・技・体”とまとまったので(ホッとしてます)、来年からはコレでいこっかなーと算段してます。

 不思議なもので、ネタに詰まったように思えても、”心・技・体”のような切り口(インデックス)がパッと思い浮かぶと、書くべき内容がどどーんと浮かんできますね。どうぞ来年も期待しててください!


 それと、読者が増えたので、ついでに自己紹介しときます。

 プラント設備関係の会社に勤め、営業マンやってます。本当です。
 30歳ちょいすぎ、既婚で、なかなかのオトコ前です。やや嘘です。
 フツーのサラリーマンです。ヒラです。エラくありません。もぉ、マジ普通です。給料もパっとしないんで、転職しよっかなーとか考え中です。

 営業成績はどうなってんだっていうと、一応、会社で売上No1とかは経験してます。
 でも、それは先輩社員の顧客を引き継いだのが根本です。んでもって、2人でやってた顧客を1人で引き受けた結果、売上No1になっちゃったわけなんです。
 もちろんいろんな工夫はしましたよ。エクセルでVBAプログラムなどを駆使し事務処理を合理化したり、客先交渉のプロセスを合理化したりなどいろんな工夫をしました。

 でも、いわゆる営業としての技量で売上No1になったわけではないのです。
そこが、自分の中でもアカンなぁと思っているトコロなわけで、現在、イロイロ勉強&実践中というわけなんです。

 最近、メルマガにしても本にしても、『明日から売上150%アップ!』とか嘘っぽいのが多すぎる。そうは思いません?
 おぉ!とか思ってメルマガ登録すると、自社サービスの宣伝で、「ココから先はお金を払った人にだけ!」とか出てくるし。なめてんのかっ!・・・って思いません?まぁ中身が真面目なら、それはそれでイイと思うのですが、うぅーん、あやしい・・・というのが多いんですよね。

 私、中小企業診断士です。基本的なことは勉強しました。今もマーケティングを中心に勉強をしています。学者先生なのではないので、間違っている場合もあるかもしれませんが、基本的に正確な情報を届けられると思います。

 アヤシイ系メルマガや本を読むのも大切だと思います。私もそいうの読んでます。でも・・・正しい知識を持ってから読んだ方が、やっぱり安心ですよ。
そんなわけで、このメルマガで一緒に正しい知識を勉強していきましょー。

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◆雑談2
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 おかげさまで、まぐまぐだけで読者が500名を突破し、546名になりました。メル天、めろんぱんと合計すると654名デス。
 とはいえ、発行してから5ケ月経つのに、まだ600か!というトホホ状況ともいえるのですが・・・。

 まぁしかし。メルマガの内容については非常に高く評価して戴いており、まったくもって嬉しい限りです。なにやらとあるコンサルタントから、「メルマガの一部を某大手商社のセミナーで使わせて戴きました。」なんていうメールも戴いたこともありました。大手商社って、どのくらいかって、めちゃめちゃ大手でした。
 ナンボかよこせーコラーという声をグッとこらえ、笑顔で(って、メールだから関係ないけど)そりゃーよかとですねーと返信しました。

 皆様も、会社の部下相手にちょっと使ったとかありましたら、是非ご連絡ください。めちゃめちゃ励みになるのです。

 さてと、あなたの一年はいかがでしたでしょうか?来週は、ちょっとお休みし、新年は13日から配信しよっかなと考えてます。
 今年一年での、なにか営業にまつわる苦労・愚痴・質問、メルマガの感想などなんでも良いのでメールください。営業マンでなく営業ウーマンからのメールもバリバリっとお待ちしておりますので。
Vol.035 2004年1月13日
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◆新年のご挨拶
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 新年といえば、たいてい挨拶廻りで慌ただしかったのですが、今年も例年通りバタバタと過ぎてしまいました。

しかしなんで新年だからって挨拶廻りするんだろ?

年賀状は、何年か前に全社で一斉廃止した。お客さんにも送るの禁止。禁止にしてみると、意外に何も起こらない。年賀状がこないからといって発注止める客なんていやしない。・・・というわけで、これは正解でした。

新年の挨拶廻りも似たり寄ったりなんだろうなぁ・・・とは思うけど、あまり親しくしていなかったお客さんのところに顔を出す都合イイ理由になるし、お客さんの上層部と名刺交換できるいいチャンスだし・・・と考えると廃止できないんだろうなぁ。

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◆今年の計画
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 さて、新年1発目なんで、今日は嗜好を変えて”今年の計画”なんぞを書いてみたいと思います。

◆メルマガでお送りするテーマ

 昨年は、「受注の方程式」などと大層なテーマでイロイロと配信しました。で、今年は「受注の心・技・体」として大いに論じよう!というところで、昨年号を締めくくりました。

受注の心・技・体

 ”心”:営業マンとしての心得
 ”技”:営業マンが知っておくべきトークなどの
 ”体”:組織体として整えるべきマーケティング・システム

 ところがですね、これって、営業活動を包括しちゃうめちゃめちゃ大きなテーマになってしまうので、どーしよっかなーとやや思案中です。

このメルマガのスタンスは、

 ・営業マンに役立つセールス・マーケティング手法の紹介
 (特に法人営業マンに役立つものは重視する)

 ・・・を基本としてます。

巷では、例えばCRMとかワンツーワンマーケティングとか本屋にいけばいっぱい並んでるけど、それら詳細に紹介しようという予定はありません。

だって、営業マン個人にとっては、ちょっとコトが大きすぎて、扱えないですもん。まぁ概念を理解するのはマイナスにはなりませんが、んー、やっぱりそれに時間をかけるのはよくないと思ってます。

というわけで、そいう難しいマーケティング手法をテーマにするのではなく、営業マンが自分でもできるかもしれないような手法を紹介しようと思っているわけです。

 現在、そのような視点で具体的なテーマを仕込み中(読書中ともいう)なんで、このシリーズのスタートはもうちょい先になります。ご容赦くださいませませ。

◆魂を入れる

 昨年は、客観性を重視してお送りしてきたつもりです。ところが、そのためにどうしても熱っぽい雰囲気がでなかったわけですね。

実際のところ、私、HOTというよりCOOLな方です。しかし、あえて今年はHOTな方へと傾きたいと思っており、もうちょい”魂”を入れてみるつもりです。

いや、別にド根性営業系にはまるというわけでありません。ド根性営業手法って、私キライですんで、そちらに傾注することはまずありえません。

そーいうことではなく、人の心に響く文章を書きたいということなのです。
そいう挑戦をしてみよっかな、というのがウラテーマです。そいうわけで、そいうのがキライという人は、ちょっとウザったい文章になるかもしれません。

でも、こう、グチが出るような内容ではなく、やる気が出るような文章を書きたいなぁと願っています。
Vol.036 2004年1月20日
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◆上司は答えを知らない
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 今日は、毛色を変えて、今の時代がどういうものなのか紹介しようと思う。
これから書くことは、営業だけでなく、企業全般の活動を考える上で非常に重要な視点だ。そして、自分の会社はどうなっているのか考えてほしい。



元々保守的な我が業界(機械・プラント業界)でも、不況を反映して、「新しいことをやらなきゃ!」という風潮が出ている。

それはもう、掛け声としては3年くらいまえから取扱われているテーマだ。
おそらく、みなさんの会社でも、同じように「新しいこと」「変わらなきゃ」「変革」といったキーワードが飛び交っていることだろう。

しかしながら、本当に変化することの出来た会社なんて、聞いたことがない。
TVでは稀に登場するが、おそらくそれは少数な成功例であって、ほとんどの会社では変革なんぞできていないのだろう。

 日本の企業のほとんどは、年功序列で昇進するシステムを取り込んでいる。
今の経営者・管理者は、そうした右肩上がりの階段を昇ってきた人ばかりのはずだ。

右肩上がりの時代では、社会の変化がおとなしかった。だから、部下は上司の真似をすることで成長することができた。上司の「こうすればうまくいく」という手法をそのままコピーすることで、売上を伸ばすことが出来たのだ。

しかし、現代は変化の激しい時代だ。上司のやり方を真似しても、通用しない場合が多くなっている。みなさんも、「これまでのやり方じゃダメだ!」と経営者・上司から言われていることだろう。実際、一部の会社を除いて、販売活動は低調を極め、売上を伸ばすことは困難になっている。

「これまでのやり方じゃダメだ!」と声高に主張する人は多い。
 そりゃーいうのは簡単だ。でもそういう人ほど、「じゃぁ、どうすればイイんです?」という質問に答えてくれない。



こういった営業関連のメルマガを読んでる人には、おそらくそういう閉塞感を持っている人もいるんではないかと思う。

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◆気が付かない経営者
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日本の企業では、新入社員は、中堅営業マンの下につき、OJTという教育活動へ組み込まれることが多い。
その中堅営業マンは、更にその上の先輩から営業スタイルを教えられてきた先輩から教わったことを後輩へ教える。こうして伝統は守られてきたのである。

今、その守ってきた伝統が、通用しない時代になっている。
過去の経験が通用しない時代。それが、「現代は答えのない時代」といわれる所以だ。

悲しいことに、自社の売上が下がっていても、多くの営業マンは、自分が悪いとは考えない。「こういう時代だから仕方ない。オレはちゃんと努力している」と考えてしまう。そして、日産の復活などを見て、「経営者がもっとうまく旗振りすれば、ウチの会社も良くなるのに・・・」と嘆き悲しむ。

反対に、経営者・管理者は、「昔、俺たとは必死に頑張って、会社を盛り上げ、大きくしてきた。それなのに、最近のヤツラは言われたことだけしかやらない」などと文句をいって、従業員にケチをつける。

冷静に考えれば、要するにお互い様なのである。
 従業員は、上司の指揮が悪い、戦略がないとわめき、上司は従業員は働かない、自分で工夫しない、とわめく。裏を返せばこういことだ。

●経営者・管理者は、これまでのやり方が通じないので、どうしていいか分からない。
●従業員は、習ったやり方が通用しないので、どうしていいか分からない。

同じことである。


さて、ここまでは、多くの企業が気が付いている。しかし、「じゃぁ、どうするのか?」を見つけられる会社は少ない。

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◆減点主義から加点主義へ
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 「じゃぁ、どうするの?」

この質問に答えられる人は誰か?

社長?部長?従業員?・・・みんな違う。正解は、「誰も答えを持っていない」。

要するに、過去の経験が通用しなくなった今、何がしか新しいことへ挑戦しなければならない社会になってしまったのである。
やったことがない手法を使う以上、結果は終わってみないとわからない。だから、答えは誰も持っていない。少なくとも社内にはないと思った方がいい。

すなわち、「自らやってみて、答えを探す」もしくは「誰かやったことのある人を探し、その答えを聞く」しか方法がないのである。


しかし、ここでも多くの日本企業が立ち止まってしまう。それは「減点主義」という壁だ。

右肩上がりの時代は、減点主義が有効だった。「上司の真似をきっちりさせ、失敗をしない者に対しては、優遇する」そうするだけで、会社の売上を上げることができたからだ。
しかも、右肩上がりの時代は、椅子をどんどん増やすことが出来た。そつなくやってきた者にもれなくご褒美をあげることも不可能ではなかったのである。
こうして出世競争という椅子取りゲームは、減点主義を前提にしたシステムへとなっていった。


それが今、通用しない。上司の真似では通用しないし、しかも加えて、椅子が用意できない。こうして、減点主義を軸にした出世システムは崩壊する。

・・・はずだった。

ところが、崩壊しないのである!
事実、能力主義、成果主義といった年功システムを崩す人事制度が積極的に採用されているが、実態として年功序列システムが生き残っている会社が圧倒的に多い。

私個人は、年功序列システムを悪とは思っていない。逆に、行き過ぎた個人主義・成果主義の方が、長期的に悪影響を及ぼすと思っている。

重要なのは、年功システムではなく、減点主義の方だ。こっちを変更しなければ、おそらく明るい未来は訪れない。

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◆変革者たれ
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 さて、年功システムうんぬんはこの辺でやめておこう。我々は営業マンであって、人事システムに躍起になってもしょうがない。やはり、”売ってナンボ”が営業だ。

しかしながら、「先輩営業マンのやり方が通用しない」という視点は、常に持っておくべきだと思う。また、「上司は方法を知らない」という視点も同様だ。

これを読んでる皆さんも、これは自分の権限でもできそうだと思ったものは、是非、実践して欲しい。その結果をデータとして保管しておくことが、将来の武器になる。例えばDMを出してみる。失敗したならそれをデータとして保管する。そしてそれを次回に生かす。それでいいのである。
新しいことをしてるのだから、失敗は恥ずかしいことではない。当たり前のことだ。大切なのは、データを次に活かすことだ。

しかし、それでもやはり、簡単にはトライすらできないだろう。なぜなら、減点主義が邪魔をするからだ。
 それでもなお、やらなきゃいけないのだと思う。そして、そうした抵抗があるとういうことは、とりもなおさず、あなたが変革の瞬間に立ち向かっていることの証しなのだ。
 
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◆雑談
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年末年始に際し、会社のホームページを刷新しました。昨年秋口からホームページ委員会なるプロジェクトチームが組織され、私も参加していたのです。
売上の取れるホームページを目指し、プランを提案・取り纏めと本業と平行し、ヘーコラやっておりました。

立ち上げ直後なので、効果を評価するには早すぎますが、1日1件近いペースで製品の問い合わせが舞い込んでくるようになったらしい。これまでのホームページと比べると驚異的な問い合わせ量だそうだ。

私自身、消費財企業ならともかく、生産財企業では、ホームページはさほど関係なかろうと思っていたが、やはり時代は変わっているようである。
Vol.037 2004年1月27日
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◆「受注の方程式」の欠点
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 昨年解説してきた『受注の方程式』を皆さんは覚えているだろうか?


「受注の方程式」

   受注=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

 1.お客様にニーズがあり、かつ、
 2.お金をもっていて、かつ、
 3.当社にそのニーズを満たす商品があり、かつ、
 4.その商品は競合より優れた個所があり、かつ、
 5.顧客と信頼関係があれば、
 
  ・・・必ず受注できる。


 毎号書いていた方程式だから、昨年は週1〜2のペースで目にしていたはずだ。でも、どうだろう。忘れている人も多いはずだ。

この方程式は、私がさまざまな本をよみ、マーケティング、セールスを勉強しているときに行き着いた一つの結論だ。

受注に必要な要素をこの5つに絞っていいんだろうか、他に大切な要素はないだろうか、などなどさんざん悩んだ結果の方程式である。悩んだ結果ゆえ、今でもふと、この式でいいのだろうかと考え込むことがある。

例えば、この式には「数」の概念がはいっていない。具体的には「受注額合計」の概念がないのだ。

今日は、こうした「受注総額」について考えてみようと思う。

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◆「受注総額の方程式」
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 受注総額を考える上で、私は下記の式を一つの指標としている。


 受注総額=引合数×平均見積金額×受注確率


ここで重要となるのは「受注確率」の項目だ。

「とにかく数多く回れ!」「営業は数だ!量だ!」といったことは良く言われる。そのこと自体は正しい。引合数を増やせば、受注総額は上がるからだ。

 しかし、こちらの資源は限られている。営業マンであれば、時間は限られている以上、なんでもかんでも手にかけるわけにはいかない。やはり、「受注確率」を上げていかないと、いくら時間があっても足りない、ということになりかねない。

しかも、企業の投資意欲が減退している昨今、引合数を増やすことは非常に難しい環境となっている。

そのため、受注確率を上げ、少ない物件を確実に受注していくことが非常に重要な要素となっている。


 そして、この受注確率を上げる指標として、昨年解説した「受注の方程式」を使っているのである。

A式:受注確率=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

B式:受注総額=引合数×平均見積金額×受注確率

A+B式
 受注総額=引合数×見積金額×(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

これが受注総額も含めた受注の方程式の正体である。

これを言葉で表現すると・・・

 1.お客様にニーズがあり、かつ、
 2.お金をもっていて、かつ、
 3.当社にそのニーズを満たす商品があり、かつ、
 4.その商品は競合より優れた個所があり、かつ、
 5.顧客と信頼関係があれば、

  ・・・必ず受注できるので、あとは、

  6.引合数を増やし、
     7.1回当りの取引額を多くすれば、

・・・必ず受注総額は増える。

ということである。簡単にいえば、1〜5は”質”で、6〜7は”量”ということだ。当たり前といえば当たり前の式である。

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◆量と質の営業
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 再度確認しておこう。

現代の社会は、投資意欲が減退している。その中身は・・・

・企業の設備投資案件が減っている
・企業の設備投資タイミングが長期化している

・・・ということになる。

毎年定期的に老朽化した設備更新してきた企業が更新対象設備を減らしたり、また、これまで毎年行っていた整備工事を2年に1回にしたりなど、とにかく投資案件の総数が減っている。これが現状だ。

すると、以前は企業に訪問すれば引合が取れたのに、今は引合が取れない、という現象が起きる。訪問しても引合が取れない。引合がないから訪問しづらくなる。訪問しなくなるから余計に引合が取れない・・・と悪循環だ。

しかも、売り手の数は減っているわけでもないので、競争が激しくなる。せっかく引合をとっても、他社に負け、受注できない・・・

これが、現代の社会だ。

そのような環境下において、訪問数や引合数といった”量”だけに目を向けている企業は、どうなるだろうか?
結論は、皆さんの想像におまかせしよう。

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◆雑談
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 「ウチの会社もホームページからの引合増えてますよ!」というメールを読者の方からいただきました。やっぱりそういう時代なんですねぇ。
 ちなみに、その方の会社は減点主義から加点主義へと変化しており、会社を「変えよう」「変わろう」という雰囲気が出てきているそうです。

うらやましいですね・・・って、うらやましがってるばかりじゃダメだよなぁ。オレもがんばろ。
Vol.038 2004年2月3日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 いよいよ新シリーズ!

 「受注をつかむ心・技・体」

・・・というタイトルで、当分の間お送りしたいと思います。なにかとバタバタしてネタ仕込みがおくれてますが、やり始めないと前へ進まないんで、スタートを切っちゃいます!

勉強不足のところもあるかもしれません。ミナサマのご意見・ご批判・ご質問などご遠慮なくメールください。

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◆トップ営業マンの得意なことって?
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 巷の本屋にいけば、営業関連の本がけっこうあるもんだ。それらをおおざっぱに分類すると・・・

 ・営業マンの心構えについて書いた本
 ・営業マンの販売テクニックについて書いた本
 ・営業の仕組み、マーケティングについて書いた本

 ・・・とまぁ、だいたいこの3種類にわけられる。

人それぞれ好き嫌いや得て不得手はあるだろう。私もある。私の場合は、やはりマーケティングについてかかれている本が好きだ。正直、心構えについて書かれた本はあまり読みたいと思わない。なぜならそういう本は、根性論が中心だからだ。そのようなド根性丸出しの営業指南本は私の体質に合わないので、はっきりいって、読みたくない。

 しかし、嫌いではあるが、そういう本にも目を通している。なぜなら、知る必要があるからだ。
”営業”という仕事は範囲が広く、セールスとマーケティングの両方をカバーしている場合が多い。本来この二つは違う分野であるにもかかわらず、営業である私は、どちらもやらねばならない立場にいるのである。
いや、それは私に限ったことではないだろう。営業マンであれば、みんなセールスもマーケティングもやらねばならないはずである。


さて、では、トップ営業マンと言われている人たちはどうしてるんだろうか?彼らは営業マンだけに、セールスには長けているだろう。よって、営業マンとしての心構えや販売トークなどは素晴らしいのだと思う。では、マーケティングはどうだろうか?彼らはまともに知っているのだろうか?

これがどうも、トップ営業マンになるような人は、マーケティング、心構え、テクニックという3つすべてにおいて優れているようなのだ。いろいろ本を読むと、どうしてもそう考えざるを得ないのだ。

 確かに、根性・情熱だけで一番にはなれないだろうし、営業トークを磨いただけでも一番にはなれないだろう。逆に、マーケティングだけ整えても、営業マンが熱心に取り組まないなら、やはり売れないだろう。そう考えると、トップ営業マンが全てに優れているというのも、納得いく話である。

 とはいえ、なんでもかんでもできる営業マンなんて、そうはいない。裏を返せば、そうはいないからこそ、実現した人はトップ営業マンという立場に立てたのだろう。
彼らの全てを真似することはおそらく困難だろう。しかし、我々でも学び身につけることが必ずあるはずだと思う。そのような学ぶべきポイントを選りすぐって、これからこのメルマガで紹介していきたいと思っている。

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◆心・技・体の意味
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 さて、”心・技・体”などと掲げているが、それは一体何を意味するのか?具体的にどんなものかというのをイメージできるように、先に概略を示そう。

◆”心”=営業マンとして心得、心構え

 『熱意の重要性を訴える先人の声を聞こう。』

 わたし自身、「営業マンは足と根性でかせぐのだ」という、昔からある典型的な営業マン像は好きではない。

会社でも、アホみたいに根性論を振りかざす人は多い。それで成績がいいなら分からなくもないのだが、実際のところそういうわけでもない。穿った見方かもしれないが、『アンタ「オレは忙しく頑張っているんだぞ!!」と社内向けにアピールしているだけなんちゃう?』とも思えてしまう。

 しかし、伝説の営業マン等と呼ばれている人だって、そのような人と同じように、忙しく頑張っていたはずだ。違うのは、結果を出しているか否かである。
おそらく、労働時間だけとったら、どちらも変わりないだろう。

 それでは、一体どこが違うのか?、何が成果をそれだけ分けるのか?、それを知るために、先人から学びたいと思っている。

 来週からは、いわゆる伝説の営業マン系の本を題材に、営業マンがどのような心構えで受注を取っているのかを考えてみたいと思う。


◆”技”=営業マンが知っておく販売テクニック

 「相手の右斜め前に座るとよい」「小さなイエスをいわせておおきなイエスを誘う」などさまざまな販売テクニックがある。

 こうした販売テクニックは、私は、”心”以上に軽視している分野だ。こんな小手先を学ぶくらいなら、心得をしっかり身につけるほうが大切だと思っている。さらに私は、マーケティングを重視するタイプの人間である。マーケティングの重要性の前では、こんな小手先なテクニックも役に立つまいと考えている。

 そもそも、これらテクニックの最大の問題は、”勘違い”を誘うことだ。テクニック化されたものは、確かに勉強すれば身につけることができる。しかし、逆にそのために、自分は成長している・向上していると”勘違い”してしまうのだ。
さらに悪いことに、さも相手が自分の言うとおりに動くことから、相手より自分が上だ、オレならアイツをコントロールできる!みたいに”勘違い”する輩もいるらしい。
そういう側面があるから、私はあまり好きではない。

 しかし、しっかり読んでいくと、なるほど、と思わせる個所もある。また、トップ営業マンの本を読んでいると、脇役ながらもこのようなテクニックも使って商談しているのが分かる。
・・・となると、やはりこれらも知っておくべきなのか?という気持ちになってしまう。

 というわけで、伝統的なテクニックから、NLP(神経言語プログラミング)のような最新理論手法まで、いくつか使えそうなものを選んで紹介するつもりだ。


◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

 いわゆる、マーケティング的なアプローチを”体”として紹介したい。例えば、昨年シリーズとしてお送りした『受注の方程式』もここに分類されるが、今回は、少し視点を変えた手法を紹介しようと考えている。

具体的には、顧客との関係性(リレーションシップ)を継続させるための手法を紹介するつもりだ。紹介予定のアイデアは、実際は古くからあるものなのだが、生産財業界でも有効なのかいまひとつ自信がなかった。
しかし、さまざまな本を読むうちに、間違いなく有効で、しかも今の環境に合った手法ではないかと思うようになった。

実のところ、この手法、まだ実践で試していない。今年、なんとか会社を巻き込んで試してみようと検討している手法だ。うまくいけば、実践レポートを交えてお伝えできるかもしれない。
Vol.039 
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておく販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”心”。

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◆『私はどうして販売外交に成功したか』
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 営業マンの心構えを知るのに、一番の名著といえば、フランクベドガーの『私はどうして販売外交に成功したか 』だろう。

『私はどうして販売外交に成功したか』
    (フランク・ベドガー ダイヤモンド社)
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=salesmarketin-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4478540098&=1&fc1=000000&IS2=1&&#108;&#116;1=_blank&lc1=0000ff&bc1=000000&bg1=ffffff&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

 これがどのくらい人気があるのかは、Googleで検索してみればすぐわかる。
いろいろな人が書評を書いているので、探してみればよい。

ちなみに、超有名メルマガ『がんばれ社長』でも、2004年1月6日に「武沢特選50冊 下」としてこの本をベスト本の一つに取り上げている。
メル天でのマガジンアドレス
  http://melten.com/osusume/?m=1670&u=15271

さて、この本の初版は、なんと1964年。今から36年も前だ。ビジネス系の本では驚異的に生き残っている本だろう。
いったいこの本のメッセージはなんであろうか。まずは目次をみてみよう。

 <目次>
 1 自分の仕事に情熱を持て
 2 商売はやり方ひとつ
 3 すぐれた話術から自信が生まれる
 4 自分で自分を監督せよ
 5 自己を動機づけよ
 6 15分間で25万ドル
 7 こうすれば成功する
 8 質問の効果
 9 狙うなら一発必中のタマを打て
 10 案外しらない販売の魔術
 11 人から好かれるコツ
 12 直接の証拠を示せ
 13 服装もたいせつな商売道具
 14 顧客から快く迎えられるには
 15 名前と顔の覚え方
 16 セールスマンが失敗する原因
 17 恐怖心を克服するには・・・
 18 販売の前にも販売
 19 上手に面会するコツ
 20 顧客の部下を味方にするには?
 21 スポーツから学んだ教訓
 22 新しい顧客を得るには
 23 紹介状の活用法
 24 販売に成功する7つの原則
 25 先輩から学んだ販売の技術
 26 失敗は成功のもと
 27 フランクリンの教訓

 この本の主人公(著者)は、元プロ野球選手である。プロ野球選手が生命保険の外交員へ転職し、失敗の底からアメリカNo1の営業マンへと成長する自らの過程を記述したのがこの本だ。

 これからこの本を題材にセールスを考えていくのだが、例により、本を単純に要約するようなことにするつもりはない。あくまで私個人の意見や考えを含めてこの本の紹介をするつもり。
作者本人の意見を知りたい人は、是非購入してみてくれ。買って損はないはずだ。

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◆熱意の威力
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 さてと。ここからはちょっと文体を変えて、軽めな口調で進めたいと思います。なぜかというと、この本は「熱すぎる」から。マジメに取り上げても全然いいのですが、拒絶反応がでないように軽めなスタンスでススメます(^^


この本の冒頭は「熱意の威力」という小見出しで始まります。

まぁ正直、ははぁーん、と穿った見方をしてしまいますよね。どういうことかというと、

 「断られても断れてもしがみつくジョー的根性丸出し営業スタイル」

・・・ヘの恐怖感です。
幾度か書いているけど、私個人は、ド根性営業スタイルは嫌い。体育会系的会社には入りたくないと思うし、人格変革セミナーみたいなところで大声張り上げるようなモノはお断りです。

しかし、ベドガーは明確に「熱意こそ、販売に成功する最大唯一の要素」と書いているんです。それだけではなく、保険の知識は豊富でも、情熱が足りないせいで契約に至らない仲間を多く知っているというのです。

 こう書かれると、ふと自分は「契約に至らない側の人間」のような気がしてくる・・・わけですね。

で、確かに、この熱意や情熱は大切だと思うのです。営業だけでなく、例えば発明や研究にも熱意や情熱は必要不可欠ですよね。そう考えると、これはセールスにとって重要というよりも、あることを成し遂げるのに必ず必要な要素なんではなかろーか、と思うわけです。

 そう考えると、いくらクールぶってる私でも、やはり熱意のようなものを無視するわけにはいかなくなる。
・・・というか、本音では、これは非常に重要な要素だと思ってます。やはり、お客様を動かすということは、人を動かすということですから、それなりの気合・気概・熱意・情熱といったものは、必要不可欠な要素ですよね。

”心”として最初に取り上げるべき心構えは、まさしくこの”熱意”といっていいと思います。

ちなみに、経営学では”熱意”を”モチベーション理論”として取り上げられています。熱意なんていうと、学問と無関係な気合一本槍な気がしますが、そんなことはないんですよね。
ただ、モチベ理論は営業マンではなく経営者・管理者が理解し、使用する理論。このメルマガの主旨とも少しズレちゃうので、省略しときます。どうしても知りたいという方は、メールくださいねー。

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◆雑談
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これまでの話を考えると、熱意が出せ!というより、熱意や情熱を傾けられる仕事を選べ!とした方が、成功するんじゃないかと思います。

研究がスキな人って、昼夜問わずに没頭して実験してたりするじゃないですか。そんな風に、自然に情熱を傾けられる人が最もイイ状態なんだと思う。

同じように、営業がスキな人は、言われなくたって情熱を傾けてますよね。
ひょっとすると、このメルマガも、営業がスキな故に興味があり購読しているのかもしれませんね。そういう人は多分大丈夫なんだと思います。

問題は、営業がキライって人ですね。営業がキライな人に向かって、営業に熱を入れろ!って、そりゃームリってもんです。

ということは、根本的には、営業がスキかキライかを第一に考えなきゃいけない。で、もし営業がキライなんだとしたら、職種を変えるべきなんだが・・・そう簡単にはいかないですよなー。

Vol.040 2004年2月17日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておく販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”心”。

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◆『私はどうして販売外交に成功したか』
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 前回に続いて、フランクベドガーの『私はどうして販売外交に成功したか』から紹介したい。

私はどうして販売外交に成功したか
    (フランク・ベドガー ダイヤモンド社)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478540098/salesmarketin-22


 前回のポイントは”自分の仕事に情熱を持て!”ということだった。彼は、「熱意こそ、販売に成功する最大唯一の要素である」書いている。

”最大唯一”とはすごい表現だ。これはつまり、”熱意がない人は成功しない”と書いてるのと同じことだ。
彼は、知識や販売のテクニックより何よりも”熱意”がなければダメだとしている。セールス手法、マーケティングなどを論じるより前に、まず熱意、というのが彼のスタンスなのだ。

このような話は、”営業するために必要”というより、”成功するために必要”と考えた方がいいだろう。いわゆる成功哲学に、このような話を多く見ることができるからだ。

成功哲学とは、例えばナポレオン・ヒルのようなことになるのだが、逆に、こういったものと似ているがゆえ、”熱意”などを前面に出した営業本は胡散臭く見えるんだと思う。どこか、同じ臭いがするのである。ココが、クールな雰囲気のあるマーケティングなどと違い、なんとなく敬遠される理由なんだと思う。

ちなみに私自身は、そういった本も読む。はまってはないが偏見なく読んでいるし、ものによってはそれほど胡散臭いとも思わない。・・・が、モノによっては、非常にウサン臭かったりするから困りものではあるのだが。

 ともかくも、”熱意が必要だ!”ということについては、ド根性営業の嫌いな私も、納得するところである。

例えば我々は・・・

「寝る間を惜しんで実験を重ね新薬を発見した」

・・・というような研究者の話を美談だと思うでしょ。しかし、これが、

「寝てないで実験をしねぇかこのヤロウ。研究員なんていくらでも代わりがいるんだぞ!」

・・・というような会社での出来事ならどう思います?

営業も同じことだ。
「あの製品はなかなか売れなかったけど、諦めず顧客先を廻ったんだよ。何足靴をダメにしたかなぁ」というような話だと、なんとなく美談に感じる。しかし、これがもし会社にやらされているのだとしたら美談にはならない。

つまり、うまくいくかどうかも分からない手法を押し付けられ、強制的に販売活動させられるようなことを、私はやりたくないのである。そういうド根性営業は大嫌いなのである。
そうではなく、自分で考え、自分の意志で動きたい。別に美談とまでなる必要はないが、私はそうすることで、満足いく営業生活を送れるのである。

だから、私はド根性営業嫌いではあるけれど、”熱意”の重要性を否定しないのである。過労死するような真似はしたくはないが、納得いく仕事はしたいと思っている。同時に、その熱意がムダにならないよう、マーケティングなどを踏まえ、効果性の高い営業をしたい、といのが私の願いだ。

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◆成功する営業マンは全てできる
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さて、フランク・ベドガーへ話しを戻そう。
以前、「優秀な営業マンは、セールスもマーケティングも全部できちゃうようなのである」と書いたことがある。

このフランク・ベドガーもまさにその一人だ。彼は、”熱意が大切”としながらも、マーケティング的発想をも持っているのである。

彼は、熱意の人であるゆえ、「営業はできるだけたくさんの人に面会すれば、おのずと結果がついてくる」という言葉を聞いたとき、熱意だけでそれを実現した。とにかく会いまくって、確かに実績を向上させた。本によると、彼は1日4人と面談したそうだ。なかなかできることじゃない。

しかし、彼がすごいのは、このあとだ。彼は、もっといい方法があるんじゃないかと考え、面談した人を記録にとるようにしたという。そして、その記録から、さまざまな分析をしているのである。
例えば、彼のは面接回数と契約の関係を分析し、次のような考えを導いている。

 ●契約高の多くは、1回〜2回の面談で獲得している

    契約高の70%・・・1回の面談で獲得
    〃  23%・・・2回   〃
   〃   7%・・・3回   〃

 ●しかし、時間の50%は契約高の7%のために利用していた

●ということは・・・
  1回や2回で獲得できる顧客に注力すれば、もっと契約を多く取れるのでは?

このように、データから仮説を立案し実践することで、彼は見事に契約を伸ばしているのだ。
今でこそこんな考えは当たり前であるが、1960年代の書籍にこれがかいてあるのだ!驚きではないか!
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