学ぶが勝ち! 生産財のセールス&マーケティング
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     ■■■ 基本から学ぶ! 営業マンのセールス&マーケティング ■■■

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Vol.41 2004年2月26日

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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”心”。

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◆まずは訪問数を増やそう
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 さて、前号までは、彼の主張する”熱意”の重要性を改めて確認してきたわけだが、今回は彼の販売哲学を少し体系立てて考えてみよう。

私はどうして販売外交に成功したか
    (フランク・ベドガー ダイヤモンド社)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478540098/salesmarketin-22


 彼の販売ルーチンを単純化するとこうなる。

   目的:訪問数を増やす
   手段:そのために訪問計画を立て、訪問結果を記録する

 これがベースだ。とにかく”面談ありき”を前提に、訪問を繰り返す。彼は1日4人の面談を計画し、実行してきたそうだ。

そして、このプロセスを維持した上で、更に契約率をUPさせるためにいろいろな手法を考案してゆく。第一印象の大切さなどの基本的なことから、商談を優位に進める質問法などなるほどと思わせるものまで、この本にはかかれている。

しかし、ともかくも、まずは「訪問数を増やす」ことがベースになっているのである。契約率を伸ばすさまざまな工夫はプラス・アルファでしかない。



個人的にも、訪問数を増やすこと自体は正しい方向だと思う。
以前にも書いたが、営業とは・・・

1.顧客ニーズを掴み、
2.商品情報を伝え、
3.その活動を通じて信頼関係を構築する

・・・という3点がポイントになる。

訪問数を増やすということは、顧客のニーズを知る機会・商品情報を伝達する機会が増えるということだ。そのため、あとはその活動を通じて信頼関係を醸成できさえすれば、自然と受注は増えることになる。当たり前といえば当たり前の話である。

よって、フランク・ベドガーが目的として「訪問数を増やす」は、受注を増やすにあたり、理論的にも正しいのだと思う。

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◆計画→訪問→記録
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ところが難しいのは「訪問計画を立て、訪問結果を記録する」という方だ。
この「計画→訪問→記録」というプロセスを維持することは、想像以上に大変だ。私もやったているのだが、正直、続かない。
フランク・ベドガー自身、ちょっと商談がうまくいかないと、ついつい訪問をさぼったり、記録することを怠ったりしたそうだ。しかし、そこを叱咤し、継続的に行えるようになったそうである。

というわけで、”受注をつかむ心”としては・・・

 「自分で自分を監督せよ!」

・・・ということになる。
”熱意”に続いて”自己統制”が必要だと言われては・・・さすがに厳しいのだが、このトップセールスマンは間違いなく自分に厳しく仕事をしていたのである。

ちなみに「計画→訪問→記録」を維持するのに、何が大変なのかというと、一番難しいの「訪問計画の立案」だ。中でも、「見込み客を用意する」ことが難しい。
訪問計画を立てるには、大量な見込み客が必要となる。ところが、自分の頭に思い浮かぶ見込み客の数は、たいてい訪問計画に必要な客数より少ない。そのため、飛び込み訪問だったりTELアポだったりといった手法が必要になるのだが、これが営業マンを精神的に苦しめている一つの原因ともなっている。

経営という視点で考えた場合、計画→訪問→記録という流れをシステムとして組み上げ、自然と無理なくそうなれるようにコントロールする必要があるだろう。そのプランも機会があれば紹介したい。まだ実践してないので、ちょっと気が引けるのであるが・・・。

Vol.42 2004年3月2日

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◆原一平という男
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 フランク・ベドガーの話はまだまだ取り上げるべきテーマがあるのだが、今日は、気分を変えて、日本人を紹介しよう。

 ベドガーも保険セールスだったが、日本の生命保険セールスにもすごい人がいる。その名は原一平。当然ながら私は本でしか知らないのだが、書かれていることが事実なら、恐ろしい人だと思わざるを得ない。ってか、ちょっとやりすぎっていうくらい、営業にはまり込んでいる。

 今日は、この原一平という人の営業哲学を紹介したい。正直、すごすぎて参考になるというより、ここまでやる人が一流なんだ、と溜め息がでるような人でした。ちなみに肩書きとしては、明治生命理事、全日本生命保険外務員協会会長、勲四等旭日小綬章受賞、ということらしく、雲の上の人のようです。

 今日の参考図書
  いま、改めて問う「セールスとは何か」平野浩(保険毎日新聞社)

 この本は、原一平という人の伝記を引用しながら、著者が解説を加えている本である。古本屋で見つけて100円で手に入れちゃったのだが、まぁまぁおもしろい本でした。
はっきりって、原氏の真似はできそうにありません。だから、参考になるともいえないと思います。でも、意欲マンマンで、挑戦したいって気持ちの強い人は読んだらおもしろい本だと思います。

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◆セールスマンが成功する心構え
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 原一平は25歳の時(昭和5年)に明治生命保険に入社した。「お前には無理だ」と採用担当者から言われたのに逆上し、給料はいらない、見習いでいい、それでも契約をとって見せる!と飛び込んだそうである。給料はなく、入るのは契約にともなうコミッション収入だけ、という非常に厳しい条件だった。
 本当にお金は無かったそうで、3年間昼飯抜き、電車も禁止という生活を自分に課したそうで、まさしく野垂れ死に覚悟で背水の陣という状況だったそうである。

 さて、著者の平野氏は、この原一平の状況を引合に、セールスマンが成功するための心構えを説いている。どういうことかというと、原一平のように背水の陣をひき、限界状況に身を置くことができるかできないかで、セールスマンとしての成否はほとんど決まってしまうというのだ。

 そして、たとえば「訪問恐怖」が、その限界状況に似ているというのである。
訪問恐怖とは、訪問しようとすると足がすくんでしまう状態のことだ。自分にムチうちがんばって訪問して、客がいないとかえってホッとしてしまったりという経験はないだろうか?それがまさしく訪問恐怖の状態である。(ちなみに、私も経験ありますし、今でも飛び込み訪問は基本的にやりたくない。)

訪問恐怖は、断られたり、プライドを傷つけられたりするために起こるのであるが、セールスマンである以上、その恐怖を乗り越えねばならないと著者はいう。で、その恐怖を乗り越えんがために、朝礼をしたり目標を宣言したりという環境作りが行われ、そういうプレッシャーのある環境が、先ほどの「限界状況」ということだそうだ。そして、その限界状況に身をおくことができるか否かで、セールスマンとしての成否はほとんど決まってしまう、と著者の平野氏は書いている。

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◆契約数は訪問数に比例する
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 こうしたセールスマンシップは、基本的にある一つの原則をベースにしている。それは前号も書いた・・・

 契約数は訪問数に比例する

・・・という原則だ。「契約を伸ばすには、訪問数を増やせばいい。ところが訪問するには訪問恐怖が邪魔をする。だから、訪問恐怖を乗り越えられるようなシチュエーションに営業マンに課さねばならない」というのが、営業マンを取り囲むシチュエーションだろう。

フランク・ベドガーは、自分で自分を管理することで、自らプレッシャーのかかるシチュエーションに身をおいた。
しかし、このようなプレッシャー作りが会社主導で行われると、おそらく営業マンにとって過ごしにくい状況になるんだと思います。

ちなみに、原一平も、訪問計画を立てて行動していた。また、顧客管理は恐ろしく緻密で、2万8千人を顧客カードを使い管理していたそうだ。



どうだろうか?こうしてみると、日本もアメリカも一緒だなぁと思わずにいられない。メルマガではかなり省略して紹介しているが、実際に本を読むと結構似ていることが誰にも分かるはずだ。ポイントをまとめると・・・

・契約数を増やすため、訪問数を増やすことを目的にしている
・訪問を継続実施するには、熱意や自己管理など自分に厳しくすることが大切
・訪問計画、訪問記録を取る

・・・というのが共通点だ。

さぁて、こうして紹介すると、どちらも根性論で契約を伸ばすスタイルを取っているように見えることだろう。しかし、実際は違う。
フランク・ベドガーも、原一平も、根性論(熱意や自己管理)の重要性は主張するものの、”効率性”という視点を盛り込んで、営業方法をブラッシュアップしているのである。
そして、その手法の軸となる考えが、結構似ているのである。これがおもしろい。

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◆雑談
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 精神論を中心に、ちょびちょびっと書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?他の営業指南本からも精神論に関わる個所を紹介しようと思ったんですが、皆さん、まだまだ興味あります?それとも技術論・方法論に入ったほうがいいのかしらん?

まぁ、つまるところ、継続的に訪問しつづけるようモチベートアップしましょ、というのがポイントで、いわゆるトップ営業マンは、これを続けられるような人であるがゆえ、トップになれた、ということみたいです。

野球のイチローやサッカーの中田なども、きっと、熱意・自己統制の両方を実践しているんだと思います。

営業マンというと、口八丁手八丁、交渉術を駆使して相手をだまくらかすかのごとく・・・なんて人を想像しちゃいますが、それでトップになった人はおそらくいません。
そうではなく、もっと基本的な部分、特に”人”としてベーシックな部分で成長しようとする人こそ、おそらくトップになってゆくんだろうと思うわけです。だらしない人は、だらしない結果しか残せないし、手を抜く人は、手を抜いた結果した残せない。そういうもんなんだろうなぁと思いました。
Vol.043 2004年3月9日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。
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◆セールスの本は多すぎる
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 さて他にも、すんごい営業マンの話はいろいろあるのだが、そろそろ販売の技術について紹介したい。しかし、その前にキチンと確認しておかなきゃいけないことがある。

世の中には、”セールスを上手くやる方法”を紹介した本が多すぎる。私もマーケティングからセールスまでいろいろ読んだが、共通する部分もあれば、相反することもある。だから、セールスに関する本は、一冊読んで盲目的に信じてはダメだ。必ず複数に目を通さなくてはいけない。

例えば、メルマガで紹介しているフランク・ベドガーの『私はどうして販売外交に成功したか』もそうだ。この本を紹介するとき、「1960年から読まれている本」と、さも良い本のようにコメントしたが、実は古さは弱みにもなりかねないのである。
なぜなら、環境が違いすぎるからだ。60年代と今とでは、あまりに環境が違いすぎる。当時の手法が今も通用するとは限らないはずだ。良い本ではあるのだが、そういうところはキチンと認識しておく必要がある。

 さらに言えば、これはあくまで保険セールスの本という点も認識しなきゃならん。セールスの専門家は、ほとんどみんな”扱う製品は無関係”と主張する。
つまり、保険セールスでトップの人は、機械セールスでもトップになれる、と書いているのだ。
それは本当なの?なんでそんなこと言えるの?・・・と本に向かって聞いても答えてくれるはずもないのだが、聞きたくなってしまう。

また、違う本には、こんな事が書いてあった。

「断られても断られても熱意を持って訪問するのだ。売上の伸びない営業マンは、”断られると訪問をやめる”から伸びないのだ。売れる営業マンは、”売れるまで訪問をやめない”から伸びるのだ!」

・・・こんなこと強制されたら、訪問でなく会社の方を辞めてるっちゅーねん。実際、営業マン使い捨てみたいな会社もあるので、この主張が成り立つ企業もあるんだろう。そういうのがスキな人は、このメルマガ読んでもしょーがないと思うので、とっとと解除した方がいい。

 とまぁとにかくセールスの世界はいろいろなのだ。

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◆営業スタイル別スキル
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 とういわけで、このいろいろなセールスの世界を、まずは何らかの形で整理する必要がある。そこで紹介したいのが下の表だ。

この表は『転職できる営業マンには理由がある!』(草原繁 他 東洋経済新報社)から抜粋したものである。
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=salesmarketin-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4492553819&=1&fc1=000000&IS2=1&&#108;&#116;1=_blank&lc1=0000ff&bc1=000000&bg1=ffffff&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>


+-----------------------------------------+
|                                     顧 客         |
+--------------------+--------------------+
|                            法人     |   個人     |
+--+----+--------------------+--------------------+
|商 |高額| 法人向け高額営業 | 個人向け高額営業 |
|   +----+--------------------+--------------------+
|品 |低額| 法人向け低額営業 | 個人向け低額営業 |
+--+----+--------------------+--------------------+
  ※高額:取扱い主製品の売価が100万円以上、低額:100万円以下
 
この本では、顧客が法人対象か個人対象か?商品が高額か低額か?を軸に、セールスを4つに分類している。そして、分野において、必要とするスキルを次のようにまとめている。

A)法人向け高額営業
・ソリューション力(情報収集、課題発見、企画提案など)
・調整力(対顧客、対社内外関係者)
・計画力(長期営業計画)
・プロデュース力(人材を活用しプロジェクトを遂行する)
・決裁者発見能力
  例:大型機械の販売、銀行の法人事業融資業務など

B)法人向け低額営業
・行動力(行動量、スピード、正確性、継続性)
・顧客対応力(対顧客、対社内外関係者)
・計画力(短期計画力など)
・人間関係継続力(豊富な話題、自分を売り込む力など)
  例:食品素材の販売、消耗工具の販売、銀行の法人低額融資業務など

C)個人向け高額営業
・短時間でのヒヤリング提案力
・個人決裁(裁量)力
・計画力(見込み客開拓力)
・コミュニケーション能力
・信頼獲得力
  例:不動産販売、貴金属販売、自動車販売、生命保険の販売など

D)個人向け低額営業
・行動力(行動量、スピード、正確性、継続性)
・短時間のクロージング力(プレゼンテーション、クロージングなど)
・計画力(短期営業計画など)
・市場調査力
・あきらめない継続力
 例:一般家庭向けリフォーム提案、携帯端末などの販売、教材販売など


あなたはどこに分類されるだろうか?
このメルマガは、基本的に『法人営業マン』を対象にしているので、A・Bに分類されてるかもしれない。ちなみに私もプラント設備の営業マンなので、Aに分類される。

 ここに書かれているのは「求められるスキル」ということなのだが、要するに「営業スタイル」が違うということを示している。もっと言えば、マーケティング−売れる仕組みづくり−からして、違うということなのである。もちろん、セールス手法だって違って当然だ。

訪問数と契約数は比例するなんて自分でも書いてるが、それは確実に正しいことだと思いつつも、全ての分野で同じように影響するとは限らないとも感じるのである。
A〜Dすべての営業マンに共通することもあれば、それぞれの分野でしか通用しないものがある。セールス指南本を読むときは、そこを見極めて読み進めて欲しい。

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雑談
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 最近、保険セールスばかりですいませんでした。なかなか法人営業系セールス本ってないんですよねぇ。今日からは”技”をテーマに、法人営業の方にも役立つような内容へ修正していきますんで、楽しみにしててください。

ちなみにですが、個人的には「訪問することが命!」みたいな営業ははっきり言って、キライです。っていうか、「いかにそうしなくとも受注できるのか?」ってことを考えたいタイプなんです。
「訪問数は少ないけど、受注数は多い。」うん。その方がやっぱりかっちょよい。

Vol.044 2004年3月16日
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◆法人向け高額営業の特徴
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 前号紹介した表について、参考になりました!というメールを何通も頂戴しました。ありがとうございます。

評判イイみたいなんで、もう少しフカボリしてみましょう。
この表の出所は『転職できる営業マンには理由がある!』(草原繁 他 東洋経済新報社)になるのですが、実は各項目の説明があまりありません。そこで、私の方で勝手に解説をつけてみました。

転職できる営業マンには理由がある!』( 草原繁 他 東洋経済新報社)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492553819/salesmarketin-22


A)法人向け高額営業
・ソリューション力(情報収集、課題発見、企画提案など)
・調整力(対顧客、対社内外関係者)
・計画力(長期営業計画)
・プロデュース力(人材を活用しプロジェクトを遂行する)
・決裁者発見能力
  例:大型機械の販売、銀行の法人事業融資業務など

 まずは法人高額営業を取り上げてみましょう。最初に注目したいのは・・・

   「決裁者発見能力」と「調整力(対顧客、対社内外関係者)」

 ・・・ですね。この二つが必要とされるのは「組織的購買」という生産財営業の特徴が大きく関係しています。というわけで、組織的購買と決裁者発見能力・調整力の関係を考えてみましょう。

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◆組織的購買と決裁者発見能力の関係
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 生産財・産業財の営業と消費財の営業とで、決定的に違うのが・・・

    生産財営業は「組織的購買」が行われている

 ・・・という点です。そして、組織的購買では、次の5つの役割をもった人が関与している。
 
 ・インフルエンサー(影響者)
 ・ユーザー(担当者)
 ・購買担当者
 ・ゲートキーパー
 ・決定者

 詳細はこの号をみてください。
 http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=194600

 この話は、このメルマガを愛読しているあなたなら既にご存じですね。

で、「決裁者発見能力」の決裁者とは、いわゆるキーマンのことで、こいつを落とせば契約できるという人のことです。お客様の会社には、影響者・ユーザー・購買担当者・決定者とさまざまな役割の人がいます。ユーザーに気に入られているからと安心していても、決定者にアクセスできなければ契約を取逃がすことだってあります。
彼を落とせなければ仕事にありつけないわけですから、決裁者を発見する能力が必要なのは納得できるところです。

 消費財の場合、例えば、車を運転する人がどの車を購入するかを決める、というように、ユーザー自身が決定者の役割を担っています。そのため、決裁者を見つけ出すことにそれほど苦労しません(せいぜい奥さんや娘さん程度ですよね)。

 また、法人営業でも低額商品の場合も、消費財と同様にユーザー自身が決定者になることもよくあります。例えば、会社でプリンターのトナーが無くなったとき、いちいち上司の伺いをたてないで購入したりしますよね。

 と、いうように、「決裁者発見能力」というのは法人高額営業の大きな特徴と考えていいと思います。

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◆組織的購買と調整力の関係
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 また、生産財営業は、組織対組織の営業活動になるため、「調整力(対顧客、対社内外関係者)」も必要になります。
営業は市場とのコミュニケーションにおいて、2つの役割をもっています。それは・・・

  ・客の声を社内に伝える「購買代理人」の役割
  ・自社の声を顧客に伝える「会社の代表者」という役割

 ・・・になります。つまり、会社は営業マンを介して市場と会話しているわけですね。

 それゆえ営業マンは、「お客のわがまま」「社内のわがまま」の双方を聞かされることになります。この時、双方のわがままがぶつかり、いろいろと問題を引き起こすわけです。
 
 例として、受注生産メーカーで考えてみましょう。
 受注生産なので、設計してから生産に取り掛かることになりますよね。流れを書くと、「設計→承認・受注→生産」というようになりますね。

 設計作業はお客様と打ち合わせをしながら進めて行きます。だいぶ煮詰まって、もう契約寸前ってところまでまとまったとしましょう。しかし、直前になって「やっぱり製品のここをこう直してくれない?」なんて大掛かりな修正を依頼されることがあります。

 お客の修正依頼を会社に持ち帰り、その内容を設計部門へ伝えると、設計からは「もう決まったことじゃないか、いいかげんにしてくれ!」などと抵抗がかかります。そりゃーそうですよね。一度決まったこと何度もをやりなおしてたら、作業効率が落ち、他の仕事に悪影響が出るかも知れません。

 しかし、営業は簡単には譲れません。お客のニーズに追従できなければ、契約を失うかもしれないからです。しかも、ここで期待にこたえることができなければ、次の仕事ももらえなくなるかもしれない、営業マンはそう考えます。
だから、強烈に「客の要望になぜ答えられないんだ!」と設計部門にぶつけることになります。

 こうして、”お客のわがまま”と”設計のわがまま”に取り囲まれた営業マンは、”落としどころ”を探す必要に迫られるでしょう。社内では設計担当者をなだめお客の言うことを聞くようにしたり、お客様のところでも同様に担当者に事情を話す必要だってでてくるでしょう。

こうして、社内・社外において”調整力”を発揮しなければ済まなくなるわけです。

 このようなコンフリクトは「顧客組織」×「社内組織」という利害関係構造が引き起こしており、このようなコンフリクトが起きるのは、高額生産財では”必然”と思った方がいいでしょう。

よって、「調整力」も高額生産財では必要不可欠な要素だと考えられるわけです。
Vol.045 2004年3月23日
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◆法人向け低額営業の特徴
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B)法人向け低額営業
 ・行動力(行動量、スピード、正確性、継続性)
・顧客対応力(対顧客、対社内外関係者)
・計画力(短期計画力など)
・人間関係継続力(豊富な話題、自分を売り込む力など)
  例:食品素材の販売、消耗工具の販売、銀行の法人低額融資業務など

 今日は「法人向け低額営業」についてフカボリしてみよう。

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◆低額営業と行動力
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 低額営業の最大の特徴は「行動力」でしょう。ちなみに個人向け低額営業でも、行動力が取り上げられています。

D)個人向け低額営業
・行動力(行動量、スピード、正確性、継続性)
・短時間のクロージング力(プレゼンテーション、クロージングなど)
・計画力(短期営業計画など)
・市場調査力
・あきらめない継続力
 例:一般家庭向けリフォーム提案、携帯端末などの販売、教材販売など

 低額営業にとって「行動力」が重要なのは、経営を成り立たせる上で、それがキーファクターとなっているからです。どういうことかというと、低額商品の場合、最終的に”量”をさばかないとどーにもならないケースが多いからです。

商材が高額だろうが低額だろうが、最低必要とする売上高というのはコストから決まってしまいます。いわゆる「損益分岐点売上高」というものですね。
売上は 単価×契約数 で決まってしまいますので、単価の低い商材を扱う場合は、どうしても量をさばかないとダメなんですね。

差別化して単価を上げたり、関連商品を抱き合わせる(塗料を販売するとき、同時にハケを売るなど)など、客単価(お客様が1回に購入する金額のこと)を上げる方法ももちろんありますが、やはり「行動」して、「顧客数」を多くこなすことが大切になるわけです。

 そのため、個人/法人問わず、低額営業では「行動力」というのは一つのキーファクターになってくるわけです。

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◆顧客対応力と人間関係継続力
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 行動力という点では個人/法人関係なく必要ですが、法人ならでは、というスキルも必要となります。それが「顧客対応力と人間関係継続力」ですね。

 法人低額商品の場合も、売り手と買い手は「組織対組織」という構図になりますので、当然、組織的購買が行われます。よって、またまた以下の5つの役割を持つ人々も登場するわけです。

 ・インフルエンサー(影響者)
 ・ユーザー(担当者)
 ・購買担当者
 ・ゲートキーパー
 ・決定者

 しかし、この役割は、必ずしも全て別々の人間によって演じられる・・・ってわけではありません。一人の人間が、ユーザーであり決定者であり購買担当者でもある、といったケースはよくあるんです。

そして、高額商品と低額商品の違いは、まさにここにあるわけです。

どういうことかというと、高額商品は、会社にとってリスクの高い投資になる可能性がありますよね。そのために複数の人間を購買に関与させ、多面的にチェックするという体制をとらざるを得なくなるわけです。
それに対し、低額商品はリスクが低いゆえ、一人の人間に全てまかせてしまうという傾向があるんです。ってなわけで、低額商品ほど組織的購買が行われにくい、ということになります。
 ま、この辺は、肌感覚でお分かりいただけると思います。

さて、大きな方向としてはそれでいいのですが、もう少し「投資リスク」について考えてみましょう。実は、単純に「低額だからリスクが低い」とはならないのです。

 「投資リスクが低い」ということは、「その会社にとって、失っても良い程度に金額が低い」ことが第一条件になります。また、その商品を購入し、実際に使ったとき「失敗してもそれほど悪影響を及ぼさない商品であること」が第二条件となります。

 例えば、3万円程度の商品であれば、一般の企業なら、「ムダになるかもしれないけれど、試しに使ってみようか」という気になるでしょう。仮に失敗した買い物だったとしても、あきらめのつく金額です。

しかし、3万円の商品であっても、例えば原子力発電所の重要な部品ということであれば、「試しに使ってみよう」という気にはなりそうにないですよね。
よっぽど価格差でもない限り、わざわざメーカーを変えようという気にはならないはずです。(もちろん今のメーカーで上手くいってないのなら話は別ですが)

そんなわけで、「投資リスクが低い」とは、

 金額が安く、かつ、あまり重要でない商品

・・・という位置付けになってしまうのです。ということは、お客様にとっては、「どの会社のものでもイイや」という製品が、まさしく投資リスクの低い製品ということなのです。


 さて、ではこの投資リスクの低い製品を、どうやって売りつづけてゆけばよいのでしょうか?お客は「どの会社のものでもイイ!」と思っているわけです。
そんな中、どうやって売ればいい?価格を下げればいい?

そこで、あなたの出番となるのです。そう、「顧客対応力と人間関係継続力」がカギなわけですね。

低額商品なので、あまり組織的購買を意識する必要はありません。日ごろ担当とする一人の相手に注力すれば良いわけです。

そして、営業マンの態度や緊急時の対応、納期の正確性、こまめに足を運んでくれる、役に立つ情報をおいていってくれる・・・といった対応により、その担当者があなたを信頼したとき、それが差別化のキーポイントになるわけです。

特に生産活動・事業活動に直結している製品の場合、ひとたび信頼してもらうと、あとは自動的にその仕事を受注できるようになります。なんといっても、顧客は、あなたの製品がないと、自社製品を作ることが出来ないんですから。

つまり強く信頼されていまえば、顧客にとってあなたの製品は”重要な部品”と変貌するのです。一見すると「低額かつ重要でない製品」に見えても、その顧客にとっては「低額だけど重要な製品、なくてはならない製品」に変貌してしまうんです。


顧客対応力と人間関係継続力で、受注を継続的に維持できる環境を作れる営業マンは、まさしく低額法人営業のスペシャリストとなるんだと思います。

他方、そういう営業マンの活動を会社として支える仕組みを作ることも重要になるわけですね。

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◆雑談
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 消耗品を販売するときなど、売り手から「そろそろ無くなってませんか〜」と打診する方法がありますよね。

買う側からすると、売り手のその掛け声が、購買忘れ防止システムとして作用している場合があります。
このとき、「売り手の掛け声」は「買い手の購買システム」の一部として機能していることになる。

こうなると、あなたの掛け声は「購買システムを支える重要なパーツの一つ」となるので、あなたの売る製品も「なくてはならない重要な製品」というポジションを獲得できるわけです。
Vol.046 2004年3月30日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。
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◆とつぜん話が変わりますが
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 このメルマガは、同じ営業マンでも、個人営業より法人営業マン向けに書いている。どうしてかというと、一つは、私自身、法人営業マンだから。もう一つは、生産財や産業財のマーケティング情報があまりに不足しているから。

 もう、とにかく無いんだな、生産財マーケティングの本って。どーしてなんだろうって思う。これじゃぁ生産財企業はめちゃめちゃ困るだろ・・・と思ったんだけど、これがそうでもない。なぜかというと、生産財企業はあまりそういうのに興味が無いようなんだな。

 会社の社長や専務などエライ人は、口では戦略だぁマーケティングだぁカルロス・ゴーンだぁ言うのだけれど、販売現場はなにも変わらないんだな。もうほんと変わって無いって会社ばかりなんだな。特に工業系ほど保守的なようだ。

 いいんかな、そんなんで。

 というわけで、情報の不足する生産財マーケティングの研究がはじまったわけだ。で、このメルマガは、そんな私が書く以上、どうしても生産財寄りの内容になる。そのため、個人営業については、実体験も無いわけで、本などから得た間接的な情報となってしまうのが申し訳ないところなのだ。

しかし、申し訳ないところなのだが、それでもやはりメルマガなんてもんは、書きたいこと書けるからイイんであって、生産財中心になろうと、文体が突然変わろうと、そう書きたい!ってなったらそうなっちゃうんですよね。

 あぁ、ダラダラ長くなるが、要するにこれから始まる個人向け営業については、あんまり中身が良くないかもよ、という前フリという名の逃げ口上でありました。テケテン。

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◆個人向け高額営業の特徴
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C)個人向け高額営業
・短時間でのヒヤリング提案力
・個人決裁(裁量)力
・計画力(見込み客開拓力)
・コミュニケーション能力
・信頼獲得力
  例:不動産販売、貴金属販売、自動車販売、生命保険の販売など

 生産財と消費財を比較した時の、最大の違いは何かって、「生産財は組織が相手、消費財は個人が相手」ということだ。

 そして、組織的購買と個人購買の違いは・・・

 組織的購買:複数の人間が関与して意志決定が行われる
 個人購買 :個人一人が全ての購買意思決定を行う

・・・というところにある。
そのため、法人営業のときに登場した・・・

調整力(対顧客、対社内外関係者)
顧客対応力(対顧客、対社内外関係者)
 
 ・・・というような特徴は当然入ってこない。裏返した表現になるが、これらが入って無いことが、個人営業の一つの特徴と考えて欲しい。

 また、「手続きの少なさ→短期間」ということも、特徴になるだろう。それを知るために、ここで法人・個人の高額営業の特徴を比較してみよう。

A)法人向け高額営業
・ソリューション力(情報収集、課題発見、企画提案など)
・プロデュース力(人材を活用しプロジェクトを遂行する)
・計画力(長期営業計画)
・調整力(対顧客、対社内外関係者)
・決裁者発見能力

C)個人向け高額営業
・短時間でのヒヤリング提案力
・個人決裁(裁量)力
・計画力(見込み客開拓力)
・コミュニケーション能力
・信頼獲得力

 法人営業で高額商品となると、部課長や経理部門など、かなり複数の人間の意思決定を必要とするし、利害関係も調整しなくてはならない。そのため、商談開始から契約完了まで長い期間がかかってしまう。これは構造的なものなので、避けようがなく、必然的に、モロモロの手続きが長くなる。よって、購買決定までの期間は最短でも数日はかかってしまう。

 一方、個人相手の場合は、その人の購買意欲が熟せば、そこで意思決定が行われる。よって、最短の場合、その場で瞬時に購買意思決定が行われることとなる。このことから、その場で価格交渉をバシッとシめられる能力、「個人決裁(裁量)力」が上げられていることが分かるだろう。

加えて、法人の場合は複数の利害を調整するために、複数の人間へヒアリングする必要があるが、個人の場合は一人からヒアリングし、提案することがメインとなる。
 そのため、「短時間でのヒヤリング提案力」「コミュニケーション能力」「信頼獲得力」をフルに発揮し、契約まで一直線に駆け抜けることができれば、最も効率が良いということになる。

 「コミュニケーション能力」や「信頼獲得力」は、生産財・消費財・法人・個人関係なく必要なことは説明するまでもないだろう。しかし、生産財の場合は比較的合理的な判断により意思決定されるのに対し、個人の場合は情緒的側面が強くなる。そのため、コミュニケーション能力や信頼獲得力の重要性が、生産財営業より高くなるのである。

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◆雑談
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 おぃーすっ!・・・いかりや長助は役者としてもスキだったのに、残念でございます。私と同年代(私、33デス)の人は、『8時だヨ!全員集合』真っ盛りだったんじゃぁないでしょうか。

「志村、うしろうしろぉ」って声を聞くたびに、オレも観にいきてーと恋焦がれたもんです。あぁ、あんなオッサン5人組に恋するなんて、わたしも若かった。。。
思い出に浸りたい方はココ↓でも見てください。
http://www.usiwakamaru.or.jp/~habuchi/drifters/8jidayo.html
Vol.047 2004年4月6日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。
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◆個人向け低額営業の特徴
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 さて、最後は「個人向け低額営業」だ。これまでの解説とかぶる部分が多いため、早回しですすめていきたい。

D)個人向け低額営業
・行動力(行動量、スピード、正確性、継続性)
・短時間のクロージング力(プレゼンテーション、クロージングなど)
・計画力(短期営業計画など)
・市場調査力
・あきらめない継続力
 例:一般家庭向けリフォーム提案、携帯端末などの販売、教材販売など


◆行動力

 法人向け低額でも述べたが、法人/個人関係なく、低額営業にとっては「行動力」が重要となる。なぜなら、単価の低い商材を扱う場合は、どうしても量をさばかないと経営が成り立たないからだ。会社には、最低必要な売上高というものがある。それを損益分岐点売上高というが、単価が低い以上、量でカバーしないとその売上高は達成できない。そのため、行動量がキーファクターとなるのである。

Vol.45 2004年3月23日 法人向け低額営業
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=259930


◆短時間のクロージング力

また先週の、「手続きの少なさ→短期間」ということも同じく当てはまる。
購買意思決定は、ユーザー本人が行うため、面談してその場でクロージングまで持っていく力があれば、確実に武器になるだろう。


◆市場調査力

市場を調査する力は、どんな営業でも必要なはずなのだが、こと個人営業にとってこれは重要だ。

一般的に、低額品になるほど、それを使う人は多くなる。

例えば、高級車となるとそれに乗れる人は限られる。青年実業家とか医者とか、まぁ要するに金持ちだけがターゲットだ。しかし、スクーターならワタシもキミもとなりのおっさんもターゲットになる。

もっと値段を下げて、500円の洗剤だったらどうなるか?こうなると、ほとんど全ての家庭がターゲットになる。まぁここまで下がると個人営業ではなくスーパーマーケットなどに卸した方がイイってことになるのだけれど、一般的には、低額商品になるほどターゲット顧客数が増えるものなのである。

しかし、その中で、「洗剤が今欲しい!」という客数は僅かしかいない。星の数の程の見込み客から、洗剤を買ってくれる人を探さなければならないわけだ。かといって、闇雲に片っ端から訪問して断られ、訪問して断られ・・・と繰り返していたのでは、時間がいくらあっても足りやしない。

だから、効率的に売上を稼いでいくために、自ら市場を調査する力が必要となる。

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◆もろもろ含みで。
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 ええと、マーケティングっぽい話ばかりになって、かつ論点がややピンボケぎみだったかもしれない。申し訳ない。

 細かいことはさておき、もろもろの表から理解しておきたいのは次の点だ。

 ・法人/個人、高額/低額により、強化すべきスキルが違う

あなたの会社の取扱う商品、顧客をあらためて考えてみよう。そして、強化すべきスキルはどれなのかを再考してみよう。

 また、マーケティング的側面から法人営業を考えると、”組織対組織”という概念が必須なのが分かっていただけたと思う。ついでなんで、簡単にまとめておこう。


◆法人/個人営業と組織性の関係

<法人営業>

 顧客は組織で決裁するため・・・
  →手続きが多くなり、
   →意思決定の時間がかかる特徴をもつ

  →また、いろんな人が関与するので
   →性能面・機能面へのチェックが重視されるようになる
     →決裁者を見抜き、フォローする必要が生まれる

 でも、低額品になると・・・
   →決裁者が担当者レベルへ降り、個人が決裁者になるため
   →情緒的判断が混ざりやすくなる
   (値段が高くても、あの営業マンはいろいろしてくれるから買
        ってあげようなど)


<個人営業>

 顧客は自ら意思決定するため・・・
  →意思決定が早い
  →情緒的な判断が混ざりやすくなる



(注意点!)
 以上のように、一般的には「高額品」ほど「性能・機能が重視」されるようになる。しかし、最終的に意思決定するのは、常に”人”だ。”人”である以上、情緒的な判断は常につきまとう。

 例えば、性能面・機能面で優れていても、過去の実績がないから、という理由で購入しないケースは非常に多い。これは顧客に漠然とした不安感があるから購入しないのであり、情緒的な反応といってよいだろう。
よって、顧客の信頼を得るためにブランドを作ってゆくことは、生産財企業でも必要なのだ。

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◆さて、次回からどうするか
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 これで、営業別スキルの顔解説は終わり。ちょっと長くなってしまった。次回からは、いよいよ本題の”技”の紹介に入ろうと思う。

 具体的には「NLP理論」あたりを考えている・・・が、ぶっちゃけ私も良く分かってない。全然勉強したことないし、どこぞの講習会にでたわけでもないしホントに知らんのだ。

 逆に、知らんからこそ勉強したい、という思いがある。メルマガ読者には、私の勉強に付き合わせることになりそうで申し訳ないのだが、なるべくムダにならないような内容にするつもりだ。

ちなみに、NLP理論って何かというと、神経言語プログラミングと訳される、いわば営業心理学みたいなものだ。交渉や折衝などのコミュニケーションの武器として使われている。特に、信頼関係を素早く構築するのに、非常に有効らしい。

信頼関係といえば・・・ひさびさに受注の方程式を拝んでおこう。

 受注の方程式
   受注=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係

 この、”信頼関係”の項ね。ここの強化に役立つ・・・かもしれないのがNLP理論だ。詳細は次号で!
Vol.048 2004年4月13日
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◆販売の技術
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 本屋にいけば、営業関連の本がけっこうある。そして、それらはおおざっぱには次の3つに分類できる。

 ・営業マンの心構えについて書いた本
 ・営業マンの販売テクニックについて書いた本
 ・営業の仕組み、マーケティングについて書いた本

 で、このうち、最もゲーム的でおもしろく、気軽に読めちゃうのが、おそらく「販売テクニック」だろう。

 「心構え」についての本は、そんな真似できねーよ!というようなことも書いてある。気分が乗ってるときは「オレもやったろーじゃないか!」となるんだけど、調子悪いときに読むと「あぁ、ここまでやる人がトップになるんだぁ」と半分あきらめ気味になるときもある。
 
「マーケティング」はまたちょっと毛色が違う。私自身は非常に興味のある分野なので、めちゃめちゃおもろく読むのだが、そうでない人にとっては小難しくて眠くなるようなものでもあるだろう。

でも、「販売テクニック」の本は、けっこうスグにやれそうなことばかりなため、「今度試してみよー」って感じで気分よく読了できる。なんとなく得した感じもするしね。例えば「商談の時は、お客様の斜め90度に座ると良い」なんていうのは、準備も努力もお金もいらずにスグできるわけで、得した気持ちになれる。

しかし、逆にそこが難点でもある。一言でいうと、「簡単ゆえに身につかない」気がしてならない。

例えて言うなら、ボーリングやゴルフを書籍で勉強するようななものだ。読んだときは、なるほどなるほどと分かった気になる。これがコツか、これがテクニックか、こうすれば上手くいくのか、へぇ〜、ほぉ〜と夢中になって読むことができる。

でも、実際にやろうとすると、全然できない。そもそも読んだこと全てを覚えられない。覚えていても、その通りには身体が動かない。だから、スコアは取り立てて変化しない。

販売テクニックもこれとおんなじだ。知っただけではできるようにはならない。だから、一見、誰でもできる簡単なものに見えても、ここぞというときに使えるようになるには、練習して身につけなければならない。

結局、新しいことを身につけるのは、それなりの努力を必要とするのだ。

SECI(セキと読む)モデルというのがある。世界的にチョー有名な野中郁次郎教授が提唱する知識創造過程をモデル化したもので、Socialization(共同化)、Externalization(表出化)、Combination(連結化)、Internalization(内面化)という4つの頭文字をとってSECIモデルと名
づけられた。

このうち、Internalization(内面化)には、マニュアル本などのように明文化された知識は、個人が行動し実践しないとダメなんだよーと書かれている。
どういうことかというと、知識は、実践することで”体得”され、自分のモノとして個人の内部に蓄積されるというのだ。販売テクニック(に限らないが)も、実践し体験して初めて体得できると考えた方がいい。

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◆NLP理論
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 販売テクニックにもいろいろあるだろうが、世の中には「NLP理論」というのがある。正式には、Neuro Linguistic Programmingと呼ばれ、「神経言語プログラミング」と訳されている。あのクリントン元アメリカ大統領も学んだそうだ。

NLP理論が生まれたのは1970年代。アメリカのリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーが心理学と言語学をもとに、人間のコミュニケーションを体系化しようとして生まれた。

 人は、「神経(五感:視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)」と、「言語/非言語」の脳解釈によって、世界を認識したり、体験を記憶している。
 そして、この神経と言語によって、ボクらの行動は「プログラミング」されているのである。

 プログラミングとはどういうことかというと、ある刺激を与えると、ある反応が返ってくるということ。例えば、営業マンの口の利き方が悪いと、お客様は不愉快な気持ちになる、というようなことだ。そのような人間の性質を知ることで、もっと上手にコミュニケーションを図ろうというのがNLP理論である。

で、この理論は別に営業マンのための理論というわけではない。もともとは精神面の治療が主だった。そして、教育、スポーツ、アートの世界へも応用され、80年代後には会社運営にも取り入れられるようになった。今では、成果達成支援や、コーチングにも適用されるようになってきている。

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◆注目は「信頼関係」
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 というわけで、なにやら知ったようなこと書いてるが、はっきりって私はNLP理論をよくしらない。そもそも心理学系は私の専門外なので、本気で知りたい人は、別途勉強した方が良いだろう。

ところで、なぜ私がNLP理論なるものに興味をもったのかというと、信頼関係を構築するツールとして有効というような話を見かけたからだ。

NLPでは信頼関係のことを「ラポール」と呼ぶようだが、この信頼関係(ラポール)を短期間で構築するための優れたモデルがNLPには豊富にあるらしいのだ。

 今、手元に一冊の本がある。

「あなたから買いたい」と言わせる営業心理学 』菅谷信吾他 明日香出版社

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 いくつか眺めたなかで分かりやすかったので購入したのだが、来週からこの本を元に、NLP理論の具体的な中身をいくつか紹介したいと思う。

 なお、例によって、ただ本を要約するようなことはしない(というか、そもそも著作権上できない)。歪みなく純粋に本の内容が知りたいのであるならば、書籍を購入した方が良いだろう。

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◆雑談
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 生命保険を変えようかと思って、ネットを検索していたのだが、知らぬ間にずいぶんいろんな売り方が登場しているようだ。

こないだあったのは、ファイナンシャル・プランナー(以下FP)による無料相談。ホームページには「FPから具体的な商品を紹介しません。ご安心ください。」と書いてあり、ホンマかいなと思って申し込んだんです。

そしたら、ホントに何の売込みもなかった。電話のしょっぱなに「こちらからは商品の紹介をしません」と断りがあり、まぁ雑談に近いけど相談っぽいことを話して終わり。
営業行為らしきものは、最後の最後に「ご希望されるなら、掛け金の安い外資系保険など幅広く取扱う○○代理店の営業をご紹介しますが、いかがなさいますか? これは希望されないならそれで結構です」といわれただけ。

私は丁重にお断りしたんですが、流れで紹介お願いしちゃう人はけっこういるんじゃないかなぁ。うーん。普通の売り込みとどれくらい成約率が違うんだろ。気になります・・・。
Vol.049 2004年4月20日
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◆話す内容より見た目の印象?
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 では、早速NLP理論の中からいくつか法則を抜き出してみよう。

●メラビアンの法則

  見た目・身だしなみ・しぐさ・表情など 55%
  声の質(高低)・大きさ・テンポなど  38%
  話す言葉の内容             7%

 勉強好きなあなたは、このような表をみたことあるだろう。プレゼンテーション研修などでは良く登場する表で、心理学者のメラビアン博士が発見した法則だ。
この数値は何かというと、話し手と聞き手のコミュニケーションにおいて、「話し手のどんな要素が聞き手に影響を与えているか?」を測定したものだ。

 プレゼンテーション研修(って、私自身は出たことないのだが・・・)などでは、こんな風な説明が、頭のキレそうな先生からなされるハズだ。

 「コミュニケーションにおいて、話の内容は7%しか伝わってないんですよ。人間は、見た目などから55%の印象を決めてしまっているんです。だから、身だしなみとか立ち振る舞いに気をつけましょう。
さぁ、それでは、まず向かい合わせに立ってください。身だしなみを互いにチェックしてみましょう」

なんてな感じ。で、このあとはきっと、ボディーランゲージが大切ですよぉー、図や絵やチャートを多用しましょうねー見た目が大切ですからねぇー、なんてな風に続くんだと思う。

多分、聞いたことあるなぁ・・・と思った人は、けっこう多いんじゃないかと思う。

というわけで、まぁ有名どころの法則から入ったのだが・・・


  これ、デタラメなんだって。


あー、言っちゃった。この法則使って研修とかやってたコンサルの人、ごめんなさい。バラシちゃった。

メラビアン博士が行った実験というのは、例えばこういうものらしい。

恐い顔した写真を見せながら、普通の声で「ありがとう」としゃべっているテープを聞かせる。

で、テープを聞いた人に、どんな印象をもちましたか?とたずねる。

Aさん
 「ありがとうって言ってるから、好意を感じるな」となれば、
 →話す言葉の内容!に1ポイント
Bさん
 「(写真を見て)この人、なんか恐いから、嫌悪を感じるなぁ」となれば、
   →見た目・表情に1ポイント

 こういった実験を繰り返した結果、
 
  見た目・身だしなみ・しぐさ・表情など 55%
  声の質(高低)・大きさ・テンポなど  38%
  話す言葉の内容             7%

 という比率が生まれたらしいのだ。

 分かりますかね。
結論を言っちゃいますと、この実験は、コミュニケーションと各要素の関係を立証できるものではないのだ。このことは、メラビアン博士自身が認めている。
 メラビアンの法則は、「視覚」「聴覚」「言語」で矛盾した表現・内容が伝達されたとき、聞き手は何に優先して反応し、話し手の感情を感じるのかを確認するためのものだったのだ。

この実験は、
・文章や会話といったコミュニケーションは想定していない
・1対多のプレゼンテーションは想定していない
・聞き手と話し手で複雑なやり取りをする商談の場は想定しない
というわけで、営業マンが一般的に使用している日常コミュニケーションに、そのまま適用しようという方が、明らかに間違っている。

 だから、この法則を引合にだし、やれボディランゲージが大切だとか話し方で勝敗は決まるだとか言ってるヤツがいたら、信用しなくて良い。
 メラビアンの法則をどれだけ知っているのか、質問すれば、化けの皮は剥がれる。

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◆一つ正しいと全てが正しい
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 例えば、
「洒落た食事をご馳走してもらうと、目の前にいる人がすごくイイ人に思えてしまう」
なんてことないだろうか。

このような、「ほんの一つの気持ちが、全体の印象までをも変えてしまう」という法則を『連合の法則』と言う。

他にも、たまたま話が弾んだりすると、大して知りもしないのに「アイツとは気が合う」なんて思ったりする。それも「連合の法則」だ。

ついでに、あなたは今、私に対して「連合の法則」を使っている可能性がある。

今、私はメラビアンの法則のデタラメを明らかにした。あなたは、

「いや〜、境サン。やっぱ良くモノを知ってるなぁ。中小企業診断士ってのはすんごいもんだなぁ」

と思っただろう。

それも”連合の法則”だ。
「メラビアンの法則に詳しいから、境は心理学に詳しい」・・・とは限らないのである。

実際、メラビアンの法則は、ネットで検索して、今さっき知ったばかりのことだ。私は心理学には詳しくない。
それに、中小企業診断士の試験科目にも心理学はないため、診断士だから良く知ってるというのも間違いだ。

しかしながら、こうやって一つのことで全体を決めてしまうのは、人間として避けられないことなのだろう。

●連合の法則

 ではあらためて、営業にとっての連合の法則を考えよう。

目の前にある商品がスバラシイものだとしよう。誰がどうみてもすばらしい。
でも、それを売ってる営業マンが、不潔で人の話も聞かないようなヤツだったらどうします?

買うのを躊躇しますよね。なぜか?

それは、お客にとって「商品と営業マン」は連合の法則で結ばれているからだ。

「生産財は、購買意思決定に複数が関与することで、感情的な購買をさせないようにしている」ことは何度も書いている。
で、確かに生産財は感情的な買われ方が少なく、どちらかといえば「機能と価格」で決定される場合が多い。

しかし、買い手はやっぱり”人間”なのだ。

客観的なデータでは性能が良いとされていても、営業マンの態度が悪く、信用できなければ、そのデータを買い手は信用しなくなる。
もっと言えば、一人の営業マンが嘘つきだと、その会社全体が嘘つき扱いされることになる。これも連合の法則だ。

「こんな製品売れねぇよ」「ウチの設計はもっと良い製品作れないのかよ」
とボヤく前に、自分自身の態度のせいで、製品の価値を低めてないか再確認しよう。


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◆雑談
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 先週末、近所のスポーツジムが無料太極拳青空講座を開いていたのでカミさんと一緒に参加してきました。
これが結構イイんだよなー。何にって、腰痛に。んー、太極拳というより、単に運動不足なだけって話もあるが、まぁとにかく良かったのだ。

およそ45分間、インストラクターの真似をしながらの太極拳。初体験だったけど、けっこうおもろかった。
本来は、流れるような円運動をいろいろ組み合わせてあるらしいのだが、カミさんいわく、私は相当カクカクした動きだったらしい・・・。

 しかも、隣の60歳超と思われるおばちゃんより、明らかに身体が固いことが判明した・・・。ショックだ・・・。
Vol.050 2004年4月27日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。

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◆信頼関係を構築するには?
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 「商品を売る前に、まず自分を売れ」とよく言われる。
その意味は人により多少は違っているんだろうが、私はこれを「信頼されるようになれ」と解釈したい。
このメルマガでは「信頼関係を構築することが必要だ」と書いているが、「自分を売れ」というのは、それと同じ事なんだと私は考えている。

 さて、「自分を売る」にしろ「信頼される」にしろ、問題はその方法だ。

自分を売ることや信頼されることが重要なことは、営業マンなら誰もが知っている。だから、「自分を売り込んでないからダメなんだ!」とか「信頼関係を構築せよ!」と言われても、はっきりいってウンザリでしょ。そんな風に説教されても、何の解決にならない。

 具体的にどうやんの?

やはりこの質問に答えられないとイケナイんだと思う。昔なら、その方法は先輩から盗め!と言い放てば終わりだった。しかし、今は時代が違う。OJTだとごまかすのではなく、きちんと理解し、分かるように説明することが必要だ。

 そこで、今日はNLP理論の中から、信頼関係構築に役立ちそうな原則を紹介する。

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◆熟知性の原則
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 「熟知性の原則」というのがある。これはアメリカの心理学者ザイアンスが唱えたもので、「人は、知れば知るほど好きになる傾向がある」というものだ。

 あなたも思い当たることがあるだろう。最初は相手にもしてくれなかったお客さんが、通っているうちに信頼してくれ、ついには商品を買ってくれる・・・よくある話だし、私も同様の体験がある。

 そもそも、人は知らない人には冷たいものだ。町中で肩がドンとぶつかった時、知らんヤツなら「なんじゃわれ!あやまらんかい!」となるが(イエ、私はそんな風にブチ切れませんよ)、それが知っているヤツなら「なんじゃわ・・・よぉ、久しぶり。なにやってんの!」なんてな風になってしまう。

 肩がぶつかったという現象は同じなのに、知り合いか知り合いでないかで反応が変わるわけだ。こんな些細なことでも「熟知性の原則」なんて改めて解説されると、なるほど、と思ってしまう。


 これまで、このメルマガでは信頼関係の重要性を書いてきた。
 営業活動は「対面」しておこなわれ、そこでは「買い手の情報」と「売り手の情報」が交換される。このやりとりの中で、信頼関係を構築していくことが営業の仕事だ、と何度も書いてきた。

 その中で以前、「とにかく足で稼げ」というのは、効率性は別にして間違ってないと書いた。なぜなら、訪問回数(接触回数)が増えると、自然と買い手と売り手の情報交換量が増えるので、商機が増えるからだ。

  接触回数増→ニーズと製品の情報量増→商機増

 しかし、「熟知性の原則」を踏まえると、信頼関係強化という側面も見えてくる。接触回数が増えると、お客様に自分をより知っていただける機会が増えるため信頼関係がより強くなる、という考えだ。

  接触回数増→人・製品・会社の情報量増→信頼関係強化

 訪問回数を増やすことには、この二つの効果があるのかもしれない。

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◆解放性の法則
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 「解放性の法則」とは、人は、その人の人間的側面を垣間見ると、好意をもつようになる、というものだ。

 例えば、営業トークの中に次のような失敗談を入れてみる。

「この製品は、初号機納入した時、○○な問題があったんですよ。修復に深夜までかかっちゃって。めちゃくちゃ疲れました。営業なんて見てることしかできないじゃないですか。それが悔しかったのを覚えてますよ〜。あ、二号機からは問題もクリアになって、今は全然問題はおきませんよ。」

どう受け取るかは人によりけりだろうが、一般的にこのようなエピソードを会話に盛り込むと好意をもたれるらしいのだ。

 こういう失敗談ではなくても、家庭の話などプライベートな話題も、解放性の法則からすると、信頼関係構築に役立つといわれている。

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◆類似性の法則
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 「類似性の法則」とは、自分と似たものが好きになる、という現象のことだ。
例えば、話しているうちに出身地が同じだということが分かると、急に親しみを感じてしまうなどだ。

確かに、飲み会で話しているとき、「え、オマエも○○の出身なの!いや、オレもそーなんだよー」なんて興奮しながら握手求めちゃったりすることあるよね。たかだか出身地が同じってダケなのに。

ともかくも、これが「類似性の法則」。ムリにでっち上げるようなマネはしない方がいいと思うが、お客様と共通点を探そうと意識するのは大切だと思う。

 もしあなたが時計に詳しいなら、お客様の腕時計を見て「あ、私も持ってますよ」とか、話の中で自分も読んだことのある本がでてきたら、「それ私も読みました。良かったですよぉ」などなど。難しく考える必要はない。

 どんな些細なことでもいいから類似性のあることを見つけ、声に出して伝えよう。それが相手に気に入ってもらえるきっかけになる。

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◆まとめてみよう。
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 これまでの法則をまとめてみよう。

  連合の法則 :自分が好かれれば製品も好かれる
  熟知性の原則:知ってもらうほど、好かれやすい
  解放性の法則:内面をみせると親しみをもたれやすい
  類似性の法則:自分と似たものを好きになりやすい

 この4つの法則を分かりやすく書くと次のようになる。

 ●自分が好かれれば→製品も気に入ってもらえる(連合の法則)

 ⇒だから、お客様に好かれるようになろう!

 ●好かれるには、次の方法をつかおう。

  ・知ってもらおう(熟知性の原則)
  ・内面を見せよう(解放性の法則)
  ・同じ所を探そう(類似性の法則)』


 うんちゃらの原則なんていう言葉はどうでも良い。そんなことより、「あ、そういう風にやればいいんだ」と感じていただければ幸いである。


 しかし本来、信頼関係の構築は技術に頼るものではないと思う。
まず大前提として、営業の”心”が必要だし、それに、会社全”体”として信頼関係を支えることも大切だ。
例えば、営業の言った納期が実際と違うようなことが繰り返されれば信頼関係は壊れてゆく。会社全体として約束を破らない、期待を裏切らない体制を作ることまで含めて対応してゆくことが必要なのだ。

 だからこそ難しい。だからこそ、それができる企業とできない企業とでは大きな差がつくのである。

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◆雑談
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 というわけで、聞きかじっただけの知識ながら、自分なりに咀嚼してまとめてみました。勉強してたらオモロくなってきたので、もうちょっとNLPを続けたいと思います。

で、実は、この雑談コーナーは”解放性の法則”を生かしたものだったんです。私に親しみを感じてるあなたは、なんと私のワナにはまっただけなんですよ。わっはっはっは。
・・・って、ホントは今気づいたんですけどね。ワナかけられるほど知らないっちゅーの。

本日のメルマガ、336行。長くてスンマセン。
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