学ぶが勝ち! 生産財のセールス&マーケティング
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Vol.051 2004年5月11日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。

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◆人間の3大欲求
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 3大欲求なんていわれると、性欲・食欲・睡眠欲ってのが思い浮かぶ。あなたのゴールデンウィークはどうでした?「食っちゃ寝して、たまに彼女とデート」なんていう人は、まさしく欲求そのものの生き方。んまぁ、そんなんもイイよね、たまには。

ところで、今回の3大欲求とは、それらとは違う。そういう動物的なものではなく、「自尊心」に関わる欲求のことを紹介したい。具体的には次の3つを言う。

  ●重要と思われたい(重要感)

  ●有能と思われたい(有能感)

  ●好かれたい(好感)

 これに気をつけるだけで、お客様との関係を良好にすることができる。それぞれどんなものか見ていこう。

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◆感×3
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◆重要感

 重要感とは、”仲間に入りたい、大切な存在として認めてもらいたい”という欲求のことだ。

 あなたも、こんなときイヤな思いをしなかっただろうか?

  ・会った時、あいさつされなかった
  ・「電話をくれ」と伝言したのにしてこない

 このようなことをされると、「重要とされてない」と感じ、不愉快に思うのである。


◆有能感

 ”的確な意思決定と行動を起こせる自分でありたい”と思う欲求のことである。だから、まだ納得もしてない物を無理やりクロージングされたりすると、有能感が下がり、不愉快な思いをしてしまう。

例えば、洋服を買いに行ったとき。あまり似合ってないなぁと感じているのに、店員から「よくお似合いですよ」と言われることがある。

 こんなとき、「似合ってないのに無理やり売ろうとしやがる。むかつく!」なんてな風に不愉快に思ってしまうのは、この有能感のせいだ。店員に騙されていると感じると、有能感が低下し、防御しようとしてしまうからである。

 また、こんなこともある。
私の取り扱い製品は、プラント設備系なため、しばしば技術的な話になる。
そんなとき、相手の自尊心を傷つけないように、「ご存じとは思いますが・・・」と話をすることがあるのだが、これは実は必ずしもいいものではないらしい。お客様が本当に知らなかった時、気まずく感じてしまうからだ。

 じゃぁ逆に、「ご存知ないでしょうが・・・」とすればいいかというと、それもまずい。「知ってるよ、そのくらい。なめんなよー」となりかねない。

うーん。難しいもんだ。

◆好感

 ”好かれたい、自分を知ってほしい”という欲求のことである。

 こんなお客様はいないだろうか?

 アポはとれるし、突然訪問しても会ってくれるし、プレゼンも聞いてくれる。
「いやー、ウチのことを考えてくれてるお客様だ」と営業マンにとって非常に気分いいのだが、全然注文してくれないお客様。

 このお客様は、ひょっとすると「好感」を脅かされているためにアナタの訪問を受け入れてるかもしれない。

 つまり、お客も、営業マンに嫌われたくないという気持ちがあるのだ。だから、嫌われない程度に話だけは聞いてくれる。特に、いい情報を持っていく営業マンの場合、余計にこの傾向は高まるだろう。

 確かに、例えば、家に新聞勧誘の訪問がよくあるのだが、「悪いねぇ」と言って断っている。
私の本音は、「家でのんびりしてんのにウルセーヨ!」というものなのだが、心では思っても、口には出していない。やっぱり、なんつーか、いい人と思われたい欲求がはたらいちゃってるんだと思う。

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◆とはいえ、実践できるのか?
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 というわけで、3大欲求を教科書的に紹介した。以上の内容は、この本にもっと丁寧にわかりやすく書いてあるので、是非参考にして欲しい。

参考文献
『「あなたから買いたい」と言わせる営業心理学』菅谷信吾他 明日香出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756906419/salesmarketin-22


で、ともかくも、3大欲求についての内容は、あなたもきっと納得しているはずだ。
なぜならあなた自身「重要と思われたいし、有能と思われたいし、人から好かれたい」と感じているはずだからだ。あたなが思うのだから、お客が同じように思うのも当たり前だ。

 しかし、これが分かったからといって、そうそう素直に「ハイ、そうですね」と実践できるものでもない。

 なぜなら、この3大欲求は、営業マンの側にもあるからだ。

 例えば、営業をしていると、私自身の有能感と好感が葛藤してしまうときがある。こんな会話があったとき、あなたならどう思うだろうか。

客「まぁキミの言いたいことは分かったよ。でも、このシステムだと××という問題になるだろう。違うか? トラブルになったら責任取れるのか?」

営業(なんか挑発的な質問だなぁ。まぁいいや。その問題はシステムではなく運用上の問題だから、きちんと説明しなきゃ。)「ええと、その問題はシステムというより、運用上の問題となりますので・・・」

客「なんだとぉ。おタクはそんな無責任なシステムを売りつけようっていうのか!」

営業(ムカッ!何も知らないくせに何言ってんだ、この人は。くっそー) 「××××××××!」


 この営業マンは、今、自分の「有能感」を傷つけられている。きちんと説明させてももらえず、一方的に無責任と罵られて、営業マンの側の自尊心が傷つけられているわけだ。

 ここで営業マンが自分の「有能感」を守ろうとすると、最後のセリフは次のようになるだろう。

営業(ムカッ!何も知らないくせに何言ってんだ、この人は。くっそー)
「まず話を最後まで聞いてください!いいですか、このシステムのコンセプトは・・・なので、・・・は運営者が管理しないと、ダメなんですよ!」

 こうなると、このお客とは、おそらくケンカ別れになるだろう。言いたいこと言えてスカッとするが、仕事はもらえない。
で、スカッとはしたが、お客から嫌われてしまうため、今度は「好感」が落ちてしまう。
・・・結局、仕事もとれず、自分の「好感」を傷つけて帰ることになる。しかも、次がない。


 逆に、営業マンが自分の「好感」を守ろうとすると、最後のセリフはこんな感じだろう。

 営業「いえいえとんでもございません。いやー、おっしゃる通りの問題はございまして、その問題もシステム面でクリアできるように社内で検討しまして、また改めてご提案させていただきますので、また次もごひいきに是非・・・」

 こうして、営業マンは自分の自尊心を抑え、相手に好かれようと媚びを売ってしまう。一見、仕事は繋がったように見えるが、問題の解決は非常に困難なため、仕事は受注できずに終わるだろう。
・・・結局、仕事はとれず、自分の「有能感」を傷つけて帰る。ただし、次へつなげることはできる。


3大欲求は「人間としての原則論」だ。だから、お客様も営業マンも持っている欲求なハズ。両者の欲求をともに満足させるようなアプローチを、僕らは考える必要がある・・・と思う。

 うーん。セールスって、ムズカシイ・・・。

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◆雑談
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 3大欲求の話は教科書的な理論の話、後半は私の思ったこと、という内容でまとめてみました。

お客様に不愉快な思いはなるべくさせないようにしなきゃぁいけません。でも、同時にこちらもあまり不愉快な思いはしたくないですよね。

 営業マンとしては、最低限、次へ繋がるように、「平謝り」するケースが多いんじゃないかと思いますが、んー、それでいいのか、悪いのか・・・。

両者を満たすアプローチはNLP理論とは違うところにあるかもしれません。
問題解決技法とかコーチングとか・・・。も少し研究が必要ですね。
Vol.052 2004年5月18日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。

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◆これまでのまとめ。
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 人間、たいていのことは忘れちまう。
書いてる私が忘れんだから、読んでるあなたはもっと忘れているはずだ。そこで、これまでのポイントだけをまとめてみた。

◆NLP理論

 NLP理論(Neuro Linguistic Programming 神経言語プログラミング)

 人の行動は、「神経(五感:視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)」と、「言語/非言語」によって「プログラミング」されている。つまり、ある刺激を与えると、ある反応が返ってくる・・・例えば、営業マンの口の利き方が悪いと、お客様は不愉快な気持ちになる。そのような人間の性質を知ることで、もっと上手にコミュニケーションを図ろうというのがNLP理論である。

 また、NLPでは信頼関係のことを「ラポール」と呼ぶようだが、この信頼関係(ラポール)を短期間で構築するための優れたモデルがNLPには豊富にあるらしいのだ。



◆「好かれると、製品も気に入ってもらえる」を理解する4つの法則

  連合の法則 :自分が好かれれば製品も好かれる
  熟知性の原則:知ってもらうほど、好かれやすい
  開放性の法則:内面をみせると親しみをもたれやすい
  類似性の法則:自分と似たものを好きになりやすい

 ●自分が好かれれば→製品も気に入ってもらえる(連合の法則)

 ⇒だから、お客様に好かれるようになろう!

 ●好かれるには、次の方法をつかおう。

  ・知ってもらおう(熟知性の原則)
  ・内面を見せよう(開放性の法則)
  ・同じ所を探そう(類似性の法則)』



◆人間の3大欲求・・・嫌われないためにはこれを傷つけないように。

  ●重要と思われたい(重要感)

  ●有能と思われたい(有能感)

  ●好かれたい(好感)



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◆ペーシング
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 さて、以前、「類似性の法則」というのを紹介した。これは、自分と似たものを好きになりやすいという法則だ。

 裏を返すと、人は「違い」にある種の恐れを抱いていることの証明でもある。実際、人と「違う」というのはイヤなもんだ。

フォーマルな場で、一人だけ平服で行っちゃったときのあの気まずさ・・・。招待状の「平服でいい」って、素直に解釈する人っていないのか・・・オレだけ浮いてるよ・・・とか、カラオケで一人だけシンミリした曲入れちゃって、場をしらけさせたときのあの気まずさ・・・。あちゃぁー、オレだけ選曲ミスかよぉ・・・とか。

 「違い」はユニーク性・オリジナル性・差別化のポイントなんで、本来はあって当然なんだけど、こと人間関係においては、悪く反映する場合が多い。

 「郷に入りては郷に従え」という教えの通り、時と場合によっては、相手やその集団に合わせることで、人間関係を良好に保つことができる。つまり、相手との違いを意図的に消し去ることで、良好な関係を構築できるのである。

 そして、そのようなテクニックを「ペーシング」と呼ぶ。

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◆ペーシング テクニック
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 ペーシングとは、とにかく「相手のペース合わせる」ことがポイントと考えてもらって良いようだ。相手の口調が早ければ、自分も早くする、相手が明るいなら、自分も明るくする・・・このように、相手のペースに合わせる行為がペーシングである。

 ●ペーシングの3つの要素

  ボディランゲージ:姿勢・身振り・手振り・服装・態度・動作・表情など
  言葉・話し方  :速さ・高低・表現・文章の長さ・専門用語・口調など
  ムード     :喜び・悲しみ・静か・熱意・信念・価値観・思考など

 それぞれの頭文字をとって、BMW(Body language、Mood、Word)と呼ぶそうだ。ん、覚えやすくてイイ。

 で、どうすればイイかというと、とにかく「合わせる」のがポイント。

<ボディランゲージ>
・お客様がお年寄りなら、派手な服装はやめて落ち着いたものにする
・お客様が身振り手振りしてるなら、こちらも身振り手振りする
・お客様が胸を張っているなら、こちらも背筋を伸ばし、胸をはる

 <言葉・話し方>
・お客様が早口なら、こちらもペースを上げて話す。
・お客様が大声なら、こちらも声のボリュームを上げる
・お客様がカタカナ用語が好きなら、こちらもカタカナを混ぜる

 <ムード>
・お客様が急ぎのようなら、こちらも急ぎな風にする
・お客様が真剣にしてるなら、こちらも真剣にする
・お客様のテンションが高ければ、こちらもテンション高くする

 あと、コツとして、100%真似るのではなく、70〜80%程度の気持ちでいた方がよいらしい。例えば・・・

・お客様が腕組してるなら・・・
        →こちらは片手だけを片方の肘を持つ

・お客様が足を組んでいるなら・・・
      →こちらは足首を交差させる程度に真似る


 但し、やはり限界があるので注意しとこう。
 例えば、「エラそうにしている客」に対し、こちらもエラそうにふんぞり返ったら、逆効果。もしくは・・・

  「お客様が怒っていたので、こちらも怒った」

・・・こんな人は、営業やめた方がイイね。つまり、相手の行動に何らかのメッセージがある場合は、その意味を考えて行動しようってことだ。

 また、話し方も、相手が専門用語が多いからといって、知りもしない専門用語を振り回してはいけない。口調も、相手が関西弁だからといって、出来もしないのにマネようもんなら、かえって反感を買うだけだ。


参考文献
『「あなたから買いたい」と言わせる営業心理学』菅谷信吾他 明日香出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756906419/salesmarketin-22

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◆雑談
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 今日はペーシングというテクニックを紹介してみました。が、おそらくそのうちミナサマにお詫びしなくてはいけないようなことになるかもしれません。

 というのは、NLPを考えていくと、どうしても越えられない壁にぶち当たるのです。それは、正直さとか誠実さ、というものとの矛盾です。

 ドラッガーは『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)で「信頼」について次のように書いています(P187から引用)

「信頼するということは、必ずしもリーダーを好きになることではない。常に同意できるということでもない。リーダーの言うことが真意であると確信をもてることである。それは真摯さという誠に古臭いものに対する確信である。 ・・・中略・・・
 リーダーシップは賢さに支えられるものではい。一貫性に支えられるものである。」

 これはリーダーに関する記述ですが、営業マンに置き換えてもいい気がします。「営業マンの言うことが真意であると確信をもってもらう」ことができれば、それは”信頼されている”と捉えていいような気がしています。

 で、その信頼を勝ち取る手法が「NLP」では、ちょっと納得がいきません。やはりもっと別のもの・・・”心”で紹介したような要素の方が大きいように思います。

 さらに、NLPは「刺激−反応モデル」で構築されていますが、そもそもこのモデル体系にムリがある・・・気がします。この詳細は別の機会に説明しましょう。

ともかくも、NLPは技術の一つであり、これを主軸にしていてはダメだということです。あくまで道具の一つという程度に留めておくことが大切だと思います。
Vol.053 2004年5月25日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。
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◆一貫性の法則
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 人は、一貫性のある人間でありたい、という願望を抱いている。

前号の雑談で、「リーダーシップは賢さに支えられるものではい。一貫性に支えられるものである。」というドラッガーの言葉を紹介したが、まさしく一貫性のある人間とは、信頼に足る人の証なのである。

大抵の人は、皮膚感覚でそれを知っている。優柔不断でない一貫性ある人になれば、人から尊敬されるはず・・・と皮膚で知っているのだ。だからこそ、人は一貫性のある人間でありたい、という願望を抱くのだろう。


この心理は、あなたの顧客にもある。
例えば、「今回値引きしたら、次の仕事もお願いできますね?」という質問に「イエス」と答えさせたら、この顧客は、次の仕事のとき、あなたを無視するわけにはいかなくなる。
なぜなら、人間は一貫性の法則があり、自分の言ったことに対して責任をとろうとするからである。

で、この心理は、会話の雰囲気にも影響を与えるらしい。
どういうことかというと、人は、一度「No」といってしまうと、その後「Yes」とは言いにくくなるらしいのだ。
つまり、スタートが「Yes」なら次も「Yes」という可能性が高くなり、スタートが「No」なら次の返事も「No」となる可能性が高くなるのである。

要するに人は、何回か同意していると、急には反論しにくくなるのである。

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◆イエスセット話法
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 この心理を応用したのが、「イエスセット話法」である。

営業「最近いい天気が続きますね 。」
              
客 「そうだね 。おかげで忙しいよ。」
  
営業「御社のような飲料メーカーでは、天気は重要ですよね 。」
                        
客 「ええ 、天気で売上が大きく変わるからね。」
   
営業は、お客様が必ず「イエス」と言わざるを得ない質問をし、お客はそれに「イエス」と返事をしている。こうして同意の雰囲気を作り、営業とお客様との関係を良好なものにしようとしているのだ。これがイエスセット話法。

これを読んでふと思い返すと、同じようなことをやっていたかもしれない。

 私「先日の件ですが、まず、条件確認からさせてください」

 客「はい。いいですよ。」

 私「最終的な目的は○○で、設備条件としては△と□に配慮することでいいですよね ?」

 客「ええ。その通りです。」

  私「で、前回は、値段がネックになっていた。確か他社はウチの下の値段だったんですよね

 客「そうそう。んー、これだけ違うとね。いくらキミでもねぇ。ウチも今、稟議通すの大変なんだよ」

 私「ですよねぇ〜。そこで、持ってきました。これでなんとかお願いします!」

・・・こんな感じはよくあった。別にイエスセット話法を意識してないのだが、結構、こんな風に流れることが多かった。ただ、話そのものはスムースに流れることが多いが、だからといって受注が増えたという記憶はない。それとこれとは次元が違うというのが率直な感想だ。

あと、客の立場としては、キャッチセールス系で、同様のアプローチがされていた記憶がある。

営業「有望な投資案件の話なんですが・・・」

私 「あ、そういうの全部断ってますから」

営業「ええ、今回の件は危険性が少なくお金が増やせるんですよ。興味ありますよね ?」

 ・・・こんな感じの電話セールスだ。私の場合、何言われても「申しわけないが、全て断っている」しか話さないんで、ここから先へ話しが進むことはないのだが、どうも背景にはイエスセット話法が潜んでいるように思えてならない。

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◆クッション話法とイエスアンド話法
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 ついでにもう一つ紹介しておこう。

相手からの反論をどう処理するか? これは、そのまま受け止めるのがイイらしいのだ。つまり、「反論に対し、反論しない」これが鉄則らしい。

 客 「オタクの商品、よそより高いんだよねぇ」
営業「いいえいいえ、誤解ですよ。いいですか、これはですね・・・」

という会話は、ペーシングとまったく反対の会話になっている。これでは客は自分を否定されたと感じ、ますます防衛的になってしまう。

 客 「オタクの商品、よそより高いんだよねぇ」
営業「ええ。確かに他社より高い金額設定になっています」

ってな具合に、一度受け止めた方がいいらしいのだ。これをクッション話法という。
そして、クッション話法のあとの対応にも注意が必要だ。

 客 「オタクの商品、よそより高いんだよねぇ」
営業「ええ。確かに他社より高い金額設定になっています。しかし、当社の商品は○○な点が・・・」  

 クッション話法で受け入れたあと、”しかし”で話をすすめることを「イエスバット話法」というそうだ。この方法では、顧客の心を開くことはできない。
聞き手は、”しかし”のあと、なにか否定的な言葉が続くと思ってしまい、防衛的な態度になってしまうからだ。

 そこで登場するのが「イエスアンド話法」。下記が正解だ。

 客 「オタクの商品、よそより高いんだよねぇ」
営業「ええ。確かに他社より高い金額設定になっています。実は 、当社の商
    品は○○な点が・・・」        

 接続詞を「実は、だから、したがって、そして」というような肯定的なものを使い、話を進めてしまうのがイエスアンド話法だ。文法的には「しかし」が適切であっても、会話の上では「実は、だから」を使っても誰もたいして気にしないものだ。顧客は、接続詞が適切か否かではなく、このような期待感を裏切らない話の流れに引き寄せられるものなのだ。

参考文献
『「あなたから買いたい」と言わせる営業心理学』菅谷信吾他 明日香出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756906419/salesmarketin-22


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◆雑談
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 前回の雑談で、NLPの限界についてコメントしたところ、メールを頂戴したので要点を掲載したいと思います。おそらくきっと匿名にしなくても良い方たち(私以上にプロフェッショナルな方からメールをもらったんです)なんだと思いますが、ちょっと許可を取り忘れたため、匿名&内容要約にて掲載いたしマス。

Y様
 NLPについて私も同感。あくまでテクニック(心理的)。しかしペーシングなどはラポール形成には有効なテクニックでもある。もっと大事なことは自分の良い雰囲「気」である。良い雰囲「気」作りに精を出してNLPを加えると良い。

U様
 高確率セールスでは、NLPでつかうペーシング手法は操作的であるからという理由で「使うな」といっている。「相手から好かれようと思うな」ともいう。営業においては、好かれているかどうかよりも、信頼されているかどうかのほうが重要だと考えているから。


 というわけで、ご両人のご意見も参考に考えると、NLPの重要性は、私の中でもどんどん小さくなっていってしまうわけです。

 心に誓わなければいけないのは、NLPは”従”であるということ。”主”は営業マンたる自分自身であり、まず”心”が主。

言葉巧みにお客を騙して・・・なんて考えてNLPを学んでも、お客はそう簡単に騙されてくれないでしょう。特に、今日紹介した「イエスセット話法」なんて、商品や営業マンの人間性などがダメなら、ほとんど何の役にも立たないでしょう。

ただ、こういうテクニックが、場合によっては助けになることもまた事実。
もし、お客さんの所でちょっと話が煮詰まったときには「相手がイエスと答えそうな質問」をしてみよう。
ひょっとしたら、その質問が、一瞬にして固い空気を柔らかくするかもしれないのだから。
Vol.054 2004年6月1日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。
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◆何のためかを再確認
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 メルマガで何度も書いているが、ここで再度、「営業」という仕事の意味を確認したい。

 営業には必要不可欠な役割がある。これはホント、突き詰めてしまえば次の3つしかない。

  1.顧客ニーズを収集すること
  2.自社の製品/サービスなどの情報を伝達すること
  3.上記のやりとりを通じて顧客との信頼関係を作ること

自分のいつもの”商談”している姿を思い出して欲しい。きっとこんな感じだろう

〜 営業 約束とおりの時間に到着する(信頼関係の構築)〜

営業「どんなんがエエですかー」(顧客ニーズの収集)

客 「△△みたいなものが欲しいのだけど」

営業「この製品ならバッチリですよ。△△はもちろん○○だって出来ますよ」(製品情報の提供)

客 「んー、ホントに出きるのぉ?」

営業「見てくださいよ、この納入実績。官公庁にだって納めてるんですよ」(信頼関係の構築)

客(フムフム。この営業マン、キチンと勉強してんだなぁ。聞けばすぐ答えが返ってくる。ちょうどいい機会だし、試しに1つ買ってみるか)

  ☆          ☆        ☆

とうように、営業は商談を通じて、顧客と信頼関係を構築することが仕事なのだ。もちろん、売らなきゃいけない。最後は数字が全てだ。しかし、押しても売れないこの世の中、営業の基本に立ち返り、信頼関係の構築を重視すべきだ。

で、今、信頼関係の構築に役立てないかと思い、こうしてNLP理論を紹介しているわけだが、例えば、商品知識がまだまだ身についてない、というならば、こんな理論を勉強せずに・・・

  今 す ぐ 商 品 知 識 を 増 や せ !

 ・・・と言い切りたい。しかもスパッと。このメルマガも読むのをやめて、商品カタログを再読しよう。その方がよっぽど顧客の信用を得られる。

しかし、既に営業として基礎的な知識は身につけている、というならば、NLP理論は役に立つかもしれない。

顧客ニーズを聞き出すにも、商品紹介するにも、相手を対話しなければならない。NLP理論は、この対話にあたっての基本的な原理を示している。私自身、NLPに全面的に賛成するわけではないが、NLPを使った対話で顧客の信頼を得られるならば、それはそれでいいと思う。

NLP理論を使えば、お客様を手のひらで転がすかのごとく販売できる・・・なんて考えないことだ。また、そんな風にNLPを宣伝している人の言うことは、聞くべきではないと思う。

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◆相手の言うことを聞きましょう
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 さて、「営業マンとして知識はつけているが、どうしてもお客様とスムーズな会話ができない」という方がいたら、オススメの手法がある。

 それは、リフレクティング(オウム返し)話法。これは私もよく使っており、なれるとかなり便利だ。

やり方はカンタン。相手の言うことをそのままお返ししてあげればよい。へんに盛り上げたりとか笑わそうとかアドバイスしようとか余計なことは考えなくてよい。素直に相手の言葉に反応するだけでいい。

例)
客 「んー、まだまだ景気わるくてねぇ」

営業「いやー、そうですか。まだ景気悪いですか」

 客 「給料は下がったままあがらねぇしな。まいったよ」

営業「はぁ、下がったままですよねぇ。ええ、まいりますよねぇ」


 こんな感じだ。とはいえ、さすがに客のいうことを繰り返すだけじゃぁ芸がないよ、という方には、リフレクティング・プラスワン話法というのがある・・・って、別にエラそうなのは名前だけで、やってることはカンタンだ。リフレクティングしたあとに、一言つけてあげればよい。

例)
客 「んー、まだまだ景気わるくてねぇ」

営業「いやー、そうですか。まだ景気悪いですか。(+α)ウチもまだまだ悪いですよぉ」

 客 「そちらもそうか。給料は下がったままあがらねぇしな。まいったよ」

営業「はぁ、下がったままですよねぇ。ええ、まいりますよねぇ。(+α)何か活気づくような新製品とか御社ではありませんか?」

客 「あぁ、まぁウチもメーカーだからね。いろいろトライしてるよ。まだ内緒だけど、今○○なんてのを計画中でね・・・」


 雰囲気はこんな感じだ。「リフレクティング=相手の言葉を繰り返す」ことで、お客様は「あぁ、この営業マン、オレの話を聞いてくれてんだなぁ」と実感することができるのだ。だから、話がスムースに流れやすい。

あまりしゃべりが得意でない営業マンは、ムリに話す必要はない。相手の話を聞いてあげよう。むしろその方が喜ばれるはずだ。

参考文献
『「あなたから買いたい」と言わせる営業心理学』菅谷信吾他 明日香出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756906419/salesmarketin-22


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◆雑談
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 んー、”話法”っていうほどのものかぁ?とも思いつつ、便利な手法なので紹介してみました。

ところで、これ、もし互いにリフレクティングしてたらどうなるんでしょうね?(笑)堂堂巡りするんだろうか。


 ふと気が付くともう6月。このメルマガも、7月15日に発刊して以来、そろそろ1年経とうかというところに差し掛かってきました。

PLAN−DO−SEEというわけではないですが、ここらで一度、継続するのか廃刊するのか検討せないかんなぁと思っています。マクロ的には読者数800強というのは存在意義として疑問のあるところですし、生活面ではカミさんが妊娠したのでいろいろ忙しくなりそうだし、とちょっとターニングポイントです。
Vol.055 2004年6月8日
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”技”。

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◆これまでのまとめ。
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◆NLP理論

 NLP理論(Neuro Linguistic Programming 神経言語プログラミング)

 人の行動は、「神経(五感:視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)」と、「言語
/非言語」によって「プログラミング」されている。つまり、ある刺激を与え
ると、ある反応が返ってくる・・・例えば、営業マンの口の利き方が悪いと、
お客様は不愉快な気持ちになる。そのような人間の性質を知ることで、もっと
上手にコミュニケーションを図ろうというのがNLP理論である。

 また、NLPでは信頼関係のことを「ラポール」と呼ぶが、この信頼関係(
ラポール)を短期間で構築するための優れたモデルがNLPには豊富にあると
いわれている。
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=266264



◆「好かれると、製品も気に入ってもらえる」を理解する4つの法則

 連合の法則 :自分が好かれれば製品も好かれる
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=268415
 熟知性の原則:知ってもらうほど、好かれやすい
 開放性の法則:内面をみせると親しみをもたれやすい
 類似性の法則:自分と似たものを好きになりやすい
 http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=270449

 ●自分が好かれれば→製品も気に入ってもらえる(連合の法則)

 ⇒だから、お客様に好かれるようになろう!

 ●好かれるには、次の方法をつかおう。

  ・知ってもらおう(熟知性の原則)
  ・内面を見せよう(開放性の法則)
  ・同じ所を探そう(類似性の法則)
    →「同じ所」がないときは、自ら作ろう!(ペーシング)
     ペーシング:BMWの3要素において、相手のペース合わせること
     (Body language、Mood、Word)
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=276040



◆人間の3大欲求・・・嫌われないためにはこれを傷つけないように。

  ●重要と思われたい(重要感)
  ●有能と思われたい(有能感)
  ●好かれたい(好感)
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=273924


◆イエスを引き出すトークの原理

 ●一貫性の法則・・・人は一貫性のある人間でありたいと願うもの
          →人は何回か同意していると急には反論しにくくなる
          →イエスと応えざるを得ない雰囲気作りが大事

 イエスセット話法:イエスと言わせる質問をし、最後もイエスを引き出す
 クッション話法 :反論をそのまま受け止める
 イエスアンド話法:「実は、そして」など肯定的接続詞で、話を進める
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber.php?back_rid=278127


◆オウム返しで人の話を聞く

 リフレクティング(オウム返し)話法
リフレクティング・プラスワン話法
 http://www.melonpan.net/letter/backnumber.php?back_rid=280373

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◆質問テクニック
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 さて、お客様のニーズを探ったりするためには、的確な質問が必要になってくる。今日はそれを勉強してみよう。

 質問には、拡大質問と限定質問がある。まずはそれを確認しよう。

 ◆拡大質問

 「何が」「どのように」「なぜ」といった言葉で始まる質問のこと。
相手がどう答えるか決まってない質問のこと。

   例「好きな料理はなんですか?」
  「なにが食べたいですか?」

     →焼肉、刺身などさまざまに答えることができる

 ◆限定質問

 「YES」「NO」で答えられる質問のこと。
相手がどう答えるか決まっている質問のこと。

   例「焼肉は好きですか?」
 「焼肉と刺身どっちが食べたいですか?」

      →焼肉 か 刺身 のどちらかしか答えられない

 
 拡大質問は、

  メリット :相手が自由な発想で考えるため話が広がりやすい
      口数の少ない人に話しをさせることができる
デメリット:漠然として答えにくい場合がある

限定質問は、

  メリット :口の重い人に話すきっかけを作ることができる
      YES,NOを引き出せる
デメリット:それ以外の関連情報が入りにくい

 ・・・という特徴をもっている。おわかりのとおり、ちょうど裏返しの特性をもっている。

この二つを意識して組み合わせることで、お客様からかなりの情報を引き出せるようになるはずだ。

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◆こんな風に使うといい
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 私自身、この質問テクはけっこう使っている。意識して使うようにすると、けっこうおもしろい。私の場合のパターンは、次のようなものだ。

1)面談初期:限定質問

 面接初回は、限定質問をする。まだ信頼関係が作られてないので、拡大質問をしても、相手が答えてくれないからだ。だれもが答えられる簡単な質問から入ることが多い。

私「今日は暑いですね」(限定)
客「そうだねぇ。蒸し暑くてやんなるね」
私「ところで、当社とは過去、取引なかったですよね?」(限定)
客「えぇ初めてですね」
私「それでは、製品のご案内をする前に、弊社の概要を説明申し上げてよろしいですか?」(限定)

 ただYESと答えるだけなので、限定質問は客にとってはストレスが少ない。同時に、イエスセット話法にもなっている。

2)中盤:拡大質問

 ある程度話せるようになったら、今度は拡大質問だ。答えに自由度が高い拡大質問をつかって、相手のしゃべらせよう。

私「・・・というような製品なんです。これ、御社の製造ラインでも導入できると思うんですけど、いかがですか?」(拡大)
客「うーん。まぁ使えないことないけど・・・」
私「あ、なんか引っかかってますね。なにか気になることでも?」(拡大)
客「うーん。まぁなんていうかなぁ・・・」

 ところが、拡大質問をしたら、このように曖昧な返事しか返ってこないことがある。拡大質問は漠然とした質問となってしまい、相手を困らせることもあるから要注意だ。
 このような時は、再度限定質問に切り替え、焦点を定め、答えやすくしてあげるのがよい。

私「例えば他社さんと比べると、どうですか?○○という点には自信があるんで、負けてないと思うんですけど」(限定)
客「あぁ、その点では確かに、現行の機械よりイイよね」
私「そうすると、悩みどころは予算ですか?」(限定)
客「いや、そうじゃないんだ。」
私「・・・というと、何か別のトラブルですか?」(拡大)
客「いやね、この機械を入れると、他のシステムに影響及ぼさないかなぁと思ってね。」

3)終盤:限定質問

 最後のまとめは限定質問だ。っていうか、打ち合わせた内容を確認してゆくようにすると、自ずと限定質問になってしまう。

私「・・・となりますね。分かりました。それでは、見積仕様は○○ということでいいですか?」(限定)
客「あぁ、それなら大丈夫だと思う」
私「見積は、来週月曜日までに提出、ということでいいですか?」(限定)
客「うん、それで結構」

 大きな流れはこんな感じだ。

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◆言葉ってすごかったのだ。
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 今回、メルマガを書くためにいろんな○○話法というものを再確認したのだが、意識して実際に使っているのは、この質問手法とリフレクティングくらいかもしれない。

 しかも、この質問手法やリフレクティングは営業トークというより、コーチング手法として学んだものだ(概略だけだが)。もしあなたもコーチングを学べる機会があるならば、きっと営業にも役に立つ。積極的に参加した方が良い。


 言葉は、思考のスイッチを入れるために絶対必要なものだ。的確な質問を投げかけると、投げかけられた人の思考のスイッチがONされる。

 例えば、今、ここであなたに一つの質問をしてみよう。

 『お客様が回答しやすいのは「拡大質問」「限定質問」のどちらですか?』

 この質問で、今、あなたの思考回路にはスイッチが入ったはずだ。「拡大質問って、どんなんだったかな、限定質問って、どんなんだったかな」と意識の矢印が自分自身の頭の中へと向き、思考回路がぎゅるぎゅる回っているはずだ。

 これが言葉のスゴイところだ。ただし、ヘンにお客様を質問で操ろうなんて思ってはいけない。イエスを引き出そうなんて無理に思わないほうが良い。そうではなく、質問を重ね、お客様が本当に考えていることは何かを引き出すように努力しよう。


参考文献
『「あなたから買いたい」と言わせる営業心理学』菅谷信吾他 明日香出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756906419/salesmarketin-22

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◆雑談
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 あー、ついに日付を廻ってしまいました。火曜日発刊に間に合いませんでした。

前回のメルマガに対し、励ましのメールを頂戴しました。ホント、どうもありがとうございます。やはりこういうものは、読み手に支えられて初めて存在するのだなぁと改めて認識できました。
しかしながら、まだ迷ってはいるものの、廃刊した方がいいかな・・・と考えております。応援していただいてる方には大変申し訳ないのですが、んー、やっぱりそろそろかなぁという気持ちです。

とはいえ、今月中は発行するつもりですので、次回も楽しみに待っててください!
Vol.056 2004年5月?日
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 ■■■ 基本から学ぶ! 営業マンのセールス&マーケティング ■■■

          Vol.56 2004年6月22日

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このメルマガは、中小企業診断士&法人営業マンが贈るセールス&マーケティ
ング読本です。連載モノなので、できればバックナンバーも参考にしてちょー
だい。          http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9515/
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◆受注をつかむ心・技・体
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 「受注をつかむ心・技・体」

   ◆”心”=営業マンとして心得、心構え
   ◆”技”=営業マンが知っておくべき販売テクニック
   ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

現在、シリーズでお送りしております。
今日のテーマは、”体”。

 先週は、体調不良もあって休みにしちゃいました。申しわけありません。
 そんでもって、本号はナミダナミダの最終回でございます!

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◆技のまとめ
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◆NLP理論

 NLP理論(Neuro Linguistic Programming 神経言語プログラミング)

 人の行動は、「神経(五感:視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)」と、「言語
/非言語」によって「プログラミング」されている。つまり、ある刺激を与え
ると、ある反応が返ってくる・・・例えば、営業マンの口の利き方が悪いと、
お客様は不愉快な気持ちになる。そのような人間の性質を知ることで、もっと
上手にコミュニケーションを図ろうというのがNLP理論である。

 また、NLPでは信頼関係のことを「ラポール」と呼ぶが、この信頼関係(
ラポール)を短期間で構築するための優れたモデルがNLPには豊富にあると
いわれている。
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=266264


◆「好かれると、製品も気に入ってもらえる」を理解する4つの法則

 連合の法則 :自分が好かれれば製品も好かれる
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=268415
 熟知性の原則:知ってもらうほど、好かれやすい
 開放性の法則:内面をみせると親しみをもたれやすい
 類似性の法則:自分と似たものを好きになりやすい
 http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=270449

 ●自分が好かれれば→製品も気に入ってもらえる(連合の法則)

 ⇒だから、お客様に好かれるようになろう!

 ●好かれるには、次の方法をつかおう。

  ・知ってもらおう(熟知性の原則)
  ・内面を見せよう(開放性の法則)
  ・同じ所を探そう(類似性の法則)
    →「同じ所」がないときは、自ら作ろう!(ペーシング)
     ペーシング:BMWの3要素において、相手のペース合わせること
     (Body language、Mood、Word)
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=276040



◆人間の3大欲求・・・嫌われないためにはこれを傷つけないように。

  ●重要と思われたい(重要感)
  ●有能と思われたい(有能感)
  ●好かれたい(好感)
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=273924


◆イエスを引き出すトークの原理

 ●一貫性の法則・・・人は一貫性のある人間でありたいと願うもの
          →人は何回か同意していると急には反論しにくくなる
          →イエスと応えざるを得ない雰囲気作りが大事

 イエスセット話法:イエスと言わせる質問をし、最後もイエスを引き出す
 クッション話法 :反論をそのまま受け止める
 イエスアンド話法:「実は、そして」など肯定的接続詞で、話を進める
  http://www.melonpan.net/letter/backnumber.php?back_rid=278127


◆オウム返しで人の話を聞く

 リフレクティング(オウム返し)話法
リフレクティング・プラスワン話法
 http://www.melonpan.net/letter/backnumber.php?back_rid=280373

◆質問テクニック
  拡大質問:「何が」「どのように」「なぜ」といった言葉で始まる質問
    メリット :相手が自由な発想で考えるため話が広がりやすい
         口数の少ない人に話しをさせることができる
   デメリット:漠然として答えにくい場合がある
  限定質問:「YES」「NO」で答えられる質問
    メリット :口の重い人に話すきっかけを作ることができる
        YES,NOを引き出せる
  デメリット:それ以外の関連情報が入りにくい

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◆雑談
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 ”技”の話は、探せばまだまだありそうなんだが、ひとまずここで打ち切り。
我ながら、イイところをうまく紹介できたんではなかろーかと自画自賛してい
たりして。

 さて、なんでもそうなんですが、こういう技術(テクニック)みたいなもの
は、トレーニングがすべて。いかに実践に取り込んでいけるかで、雲泥の差が
出てきます。

 実際のところ、教わった物をすべて使いこなすようになんてなれません。わ
たし自身、こうして皆さんに紹介しつつも実践で試してみてるんですが、意識
して使いこなせているのは一部だけですね。

 ちなみにリフレクティングなどは、カミさん相手にもしょっちゅう使ってま
す。ん、確かに聞いてあげるだけで落ち着いたりしてくるみたいだし、良好な
人間関係の構築に役立ってます。

 商談ってのは、いつだって緊張するもの。何度もやりとりしているお客さん
であっても、心のどこかに緊張の糸がピーンと張り詰めてます。
 初めて会う人ならなおさらですよ。10年営業やってるけど、常に緊張して
いる。あー、イヤだなぁとか思いながら、客先の玄関前でうろうろするなんて
ことも、いまだにありますよ。

 でも、会ってみると、意外にイイ人だったりするんですよね。ウチはプラン
トメーカーなんで、工事着工してから検収までが長いんです。その間に何度も
足を運ぶし、接待もします。トラブルがあると深夜まで原因追求に立ち会った
りもします。んで、仲良くなっちゃう。それが楽しい。

 いや、余談が過ぎました。商談に緊張しちゃうって人は、上の”技のまとめ
”をプリントアウトして、商談前にでも眺めてもらえると嬉しいですねぇ。メ
ルマガやってよかった、という気にもなりますし。



 さて、気になるこのメルマガの行く末について。

いろいろ心配していただき、メールを頂戴しましてありがとうございました。
しかしながら、やはりここは一度終わりにすべきだと決めました。そんなわけ
で、今回が最後のメルマガになります。

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◆体
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 というわけで、今回のみになってしまうが、”体”について。冒頭に、

  ◆”体”=営業活動を支える組織全体・システム全体のあり方

 こんな大それたことを書いているが、要するにコレは”マーケティング”の
ことだ。

 マーケティングとは何か。それは”売れる仕組みを作る”こと。仕組みとは
何か。それは”一方に影響を与えると関連する別の方へも影響が及ぶ状態”の
ことだ。

例えば、交通ルールも仕組みの一つだ。一台の車が信号無視をすると、横断
歩道を歩いている人がケガをする。つまり、一方が変化すると、別の方へも影
響が及ぶ、ということだ。交通ルールは、みんなが守れば、事故が絶対に起き
ないようになっている。そういう仕組みなのだ。

売れる仕組みも考え方はいっしょで、”こういう段取りで企業運営すれば、
絶対に売れてゆく”という仕組み・システムを作ることがマーケティングだ。
そして、経営者側は、売れつづけるようにルール・組織づくりなどを整えなけ
ればならないのだ。

 んで、世の中みんな、「どういうルール・組織づくりをすると、売れつづけ
る仕組みができるのか」という答えが分からず悩んでいるわけだ。そう、あな
たの会社の経営者も悩んでいる。

 そして、その答えは、「ない」。

以前、会社の先輩から「どういう組織が一番いいんだ?」と聞かれたことが
ある。私はそれに「そんなものはない」としか答えられなかった。
職能別組織、機能別組織、マトリックス組織など中小企業診断士として一と
おりのことを学んだが、結局、今一番正しいとされている答えは”環境変化に
柔軟に適応できる組織”である。

つまり、「ある成功する型があって、それに当てはめれば上手くいく」なん
ていうものではない、ということである。その都度の外部環境に併せて変えて
いかねばならないのだ。だから、経営者は常に悩まなければならない。決めら
れた答えなど、どこを探しても出てこない。


 ちょっと話がそれたか。さて、マーケティングに戻ろう。マーケティングは、
セールスの先にあるものではない。それはまったく別のモノと考えた方がいい。

あなたはは、おそらく20〜30歳代くらいだろう。このメルマガの読者層はだ
いたいその年代だと思う。今はセールスマンだ。でも、いずれ課長になり部長
になり、経営者へとなってゆく。勤勉なあなたのことだ、間違いなくそうなる
だろう。

 以前、優秀な営業マンは、何でもできるということを書いた。
 http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=251937

私は、マーケティングにはそれなりに強いのだが、セールスの能力は自慢す
るほどのものはない。このメルマガもいろいろと紆余曲折があって、ここまで
きたわけだが、最終的に、メルマガを通じて、「セールスとは何か」というこ
とを考えられたのは、本当に良かったと思う。

 書籍に残るような優秀な営業マンは、本当に熱心に取組んでいる。それは昔
ながらの根性とか気合とかいうものではない。なんというか、目指し、向かっ
ていく力なんだと思う。私も、負けないようにしていきたい。

で、今はまだセールスしか知らないあなたも、将来のためにマーケティング
を勉強すると良いと思う。優秀な営業マンは、何でもできるのである。だから、
あなたも負けないように勉強せねばならない。

最後に、本を紹介して終わりにしたい。

●『プロフェッショナルの条件』P・F. ドラッカー著 ダイヤモンド社
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478300593/salesmarketin-22

 マーケティングの本ではないが、成長志向があるなら、この本がオススメだ。
物事をどう捉えるべきなのか、その指針を与えてくれる。ボクは、ドラッカー
の”真摯”という言葉が大好きだ。

●『7つの習慣』スティーブン・コヴィー著 キング・ベアー出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4906638015/salesmarketin-22

本当の自立を教えてくれる名著。真剣に読むと、真剣に読んだだけのお返し
を絶対してくれる本だ。マーケティングなどは一切触れられていないが、リー
ダーを目指す読んでおくべき本だと思う。

●『営業マンは断ることを覚えなさい』石原明著 アスカビジネス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756906281/salesmarketin-22

 平易な文章であり、マーケティングでありながらセールスにも比較的近く、
すごく良く出来ている。専門的な本を読みなれている人は、文章が平易すぎて
拒否反応がでると思うが、最後まで読んでみた方がいい。


★『営業力は企業力』小泉 豊著 工業調査会
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4769361165/salesmarketin-22

これは、本当は紹介したくなかった本。私は、日本語で出版されている生産財
マーケティング関連の本は、あらかたよんでいる。そんな中で、この本はダン
トツにすばらしい。実務者にとっても非常に役に立つ超良品だ。

なぜ紹介したくなかったのかというと、読めば分かるが、私の「受注の方程
式=(ニーズ×投資能力)×(製品×比較優位)×信頼関係」という式のアイ
デアは、この本から得ているからだ。

はっきりって、生産財マーケティングに関する本は、ロクなものがない。そ
んな中で、この本はまさしく特別の輝きを持っていた。事例も具体的で、随所
に現場を知っている著者の見識が伺える。マジで弟子入り頼みにいきたくなっ
たくらいイイ本だった。

いや、本の作りはすんごく地味だ。地味すぎて普通の人が読んだら面白くな
い本だと思う。メッセージ性は薄いし、多少疑問をもつところもある。でも、
生産財マーケティングを考えつづけてきた私にとっては、非常に興味深い本だ
ったのだ。生産財系企業に勤める営業マンは絶対に手に入れて欲しいし、特に
管理職・経営職の人は絶対絶対読むべき本だ。

逆に、生産財マーケティングに関しては、この本以外はあまり読む価値がな
いと思う。消費財マーケティングならばもっと良本が多い。でも、生産財マー
ケティングというカテゴリでは、これ以上に分かりやすく実務的な本は存在し
ないと思う。


以上、リーダーシップ系の本、マーケティング系の本、それぞれ2冊づつご
紹介した。本気でオススメする本だ。是非、楽しんで読んで欲しい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆最後の雑談
───────────────────────────────────

いやー、なんだか後半はイキオイだけで書いてしまった感あり。あまり読み
返してないんで、見難いところがあったらごめんなさい。

繰り返しですが、応援のメールいただいた方、個別にもお礼のメールいたし
ましたが、改めて感謝です。メルマガに書いた以外にも、なんというか、しょ
ーもない理由もありまして、やはり本号で最終回にしたいと思い至りました。
本当に応援ありがとうございました。

最後なんで、軽く素性を書いときますと。***なんてか
なりごっつい名前になってますが、当の本人はヤセ型で迫力に乏しいメガネ野
郎でございまして、まぁ小市民です(笑)
ちなみに、***というのはですね、東京のJR中央線に武蔵境という駅が
ありまして、そこからパクりました。ちょっと前まで住んでたんですよ。ふっ
と反対にしたら名前っぽいなぁ〜って思い、安直にそのまま走りました(笑)

いろいろエラソーに書きましたが、もともとテキトーなフシもありで、最終
回もズルズルのグダグダですし、本人が書いてるとおりに生きてんのかってい
うと、そーでもなかったりしますし。って、それはダメっすね。ハイ、すんま
せん。

メルマガに限らず、こうしてイロイロ手をつけるのは嫌いじゃありません。
そんなわけで、また機会があれば何かやりたいと思っています。もし、そのわ
たくしメにですね、ご興味ご関心があるような方がいらっしゃいましたら、是
非メールでもください。いろいろ情報交換いたしましょ。これも何かの縁です
し。アドレスは → ***

 それでは、約1年にわたりありがとうございました。

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