読書
[トップ] [戦略] [日記] [読書] [討論] [蜘蛛]
書籍の要約をHPに掲載することは、著作権法27条の翻案権を侵害する可能性があるため、感想以上のことを掲載することが出来ません。オメーの感想はイイから本の内容紹介しろよという方はメールやBBSで連絡いただければ、分かる範囲でご紹介いたします。
ネクスト・ソサエティ P.F.ドラッカー ダイヤモンド社 03/2/18 S
これまで読まず嫌いでいたドラッカーを、やっと手にとってみました。経営系の本は好きでよく読んでいる。ここで紹介してない本も多いが、なんやかんやと読んでいる。でも、ドラッカーはこれまで一度も読んだことが無い。これまで意識的に避けていたのだ。

なぜかというと、ビジネス書でも、思想系はあまり好きではないのである。松下幸之助とか、下に書いた稲盛とか、思想系の本は避けてきた。どちらかというと学者の書いた本が好きなのだ。客観的・科学的な雰囲気のする学者の本の方が、重要に思えていたのである。

で、ネクスト・ソサエティを読んでみたのであるが、これが実におもしろい。超ヒサビサにMy Sランク書になってます。ドラッカーの知識の幅・量・深さとそこから組みあがる社会の洞察は読んでて恐ろしくなるほどだった。こんなの読んじゃうと、自分の知識なんぞアリん子のうんこみたいに思えてしまう。

内容については今回は書かないことにしよう。この本は一度で済ませるわけにはいかなさそうだ。
稲盛和夫の実学 経営と会計 稲盛 和夫 日経ビジネス文庫 03/1/16
ビジネス書にはいろいろあるが、実は「○○経営者 自伝」みたいなものはあまり読んだことがない。どうしても学者や先生が書いたような理論書に目がいってしまうのが、ボクの趣向だ。そんなわけで、この本も目はとまったものの、「んー、どうしよっかなー。ま、文庫だし・・・」と思いつつ手をのばした。

いやーしかし。これは一読の価値あります。診断士なら(または志している人なら)稲盛氏が以前から考えていた会計思想が、どれだけ的を得ているか感じることができるでしょう。それとこの質実剛健な雰囲気がまたオレ好み。読んでいるうちに、骨太なオトコ稲盛和夫というイメージが、ことりことりと心にたまってくるような、そんなマジメな本でした。

実際にはこれを読んでも稲盛の会計が実践できるわけではないし、会計のプロにとっては、「まぁそいうやり方もあるかもね」ぐらいなことなのかもしれない。さらにはひょっとしたら京セラ社員にとっては「ま、現場はそう上手くいってないけどね」とさらっと言うかもしれない。
そんなこんなではありますが、なんていいますかね、考え方のベクトルが合うんです。だから、読んでて楽しかった。
できる社員は「やり過ごす」 高橋 伸夫 日経ビジネス文庫 02/12/19 B
某診断士に紹介してもらった本で、早速読んでみました。
話の中身としては、それほど目新しいというようなものはなく、ビジョン重視・企業風土や文化重視の経営論でした。しかし、文章は平易で分かりやすく、読むには非常に面白い本だ。

企業文化から競争優位の源泉を探るという本はいくつか既に存在するし、代わり映えするほどのモンぢゃぁないんだけど、この本が面白いのは書き手の視点だ。なんとこの源泉の根拠を「やり過ごし」「尻拭い」「見通し」というよくある日常の中間管理職の行動からみちびいているのである。しかも非常に科学的・統計的な方法で結論づけているところがイイ。

楽しく日本型経営システムの本質が見えてくるので、勉強の合間に読むと面白いかもよん。
道は開ける D カーネギー 創元社 02/11/27 B
たまには大物級の本を読んでみようということで、カーネギーに手を出してみました。最近「新装本」ということで良く書店に置いてあるアレです。
さて、中身はといえば「お悩み解決法」。世界の悩み解決法をより書物から集め、さらには実際にインタビューして集めたというモノです。んで、随所に格言のようなものがあるわけですね。たとえば『過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日1日の区切りで生きよう』とか『小事にこだわるには人生はあまりにも短い』とか。これだけ書いても何のことかわからんと思いますが、本書を読むとフムフムとそれなりに思う。

ただねぇ、正直あまり興味深くは読めない自分がいたのは事実でありまして、それはなんでかって、オレってあんまり悩んでないってコトなんかなぁとそんあコトが証明されるのもシャクなのですが。
ウラを返せば、仕事が忙しくてイライラしてたり、親類縁者や本人が病気なりなんなりで悩んでいたりでやや精神がキビシーって人には、きっと助けになる本でせう。書いてあることは価値のあるモノでした。
経営革命大全 ジョセフ・ボイエット他 日経ビジネス人文庫 02/11/7 B
副題に『世界をリードする79人のビジネス思想』とあるとおり、各種の経営理論のエッセンスを盛り込んだ本である。
だいたいこのテの理論紹介モノはろくでもないのが多い。便利なので活用させてもらうのは事実で、活用しちゃうとそれなりに分かった気になってしまう。しかし、あとから原書(といっても邦訳です)を読むと「ゲッ、こういう意味だったのか・・・」と自分が勘違いして覚えていたことに気付かされ、一人恥ずかしくなることも多い。

しかし、この本に関してはそのようなことは心配しなくてよいであろう。この本は有名理論の要約というより、評価している本なのだ。最近あちこちで見かける『これ1冊ですぐわかる。経営の基本』みたいな軽軽しいものとはまったく異質であり、読めばそれなりに面白い。ただ、ある程度基礎がないとちと読みこなせないかも。
MBAクリティカル シンキング グロービス・マネジメント・インシュティテュート ダイヤモンド社 02/4/7 A
最近になって、思考技術系の本が乱発されているが、かなり良質な部類に入る本である。なにより読みやすいのが素晴らしい。

が、この手の本でいっつも不満に思うことがあるのだが、「類推」の取り扱いがあまりに低いのである。この本でも、「因果関係の特定-推量、類推の重要性」(P77)などいくつか書かれているが、十分とは思えない。実際は、推量の方が使う場面が遥かに多いはず。まぁ書けない理由はなんとなく予想できるのだが、だからこそ、ワタシはそれが読みたいのだ。
ザ・ゴール エリヤフ・ゴールドラット ダイヤモンド社 02/4/7 S
ワタシがまだ1次試験を勉強している頃、予備校の授業でほんの少しだけTOC理論について触れられることがあった。この時はSCMとの絡みでの説明だったと思うのだが、考えてみれば日本ではTOCよりSCMの概念の方が先行して広まったように思う。こういうのはあまりイイ傾向でないですね。本質を知らず器だけ作ってしまう危険性を生んでしまう。

さてザ・ゴール。これはTOC理論(制約条件の理論)を誰にでも分かりやすく説明するために書かれた小説である。はっきりいっておもしろい。

ザ・ゴールに嵌ってしまうと、旧来型企業の意思決定基準がどれだけ間違えているかが分かる("旧来型が間違い"というのは実は正確ではない。まだTOCには批判も多いことも事実だから)。ワタシの勤める会社も旧来型なのだが、上層部からくる指示は全ていわゆる旧来型の企業会計に基づいている。んなもんで、TOC派のワタシとしてはがっくりきてしまうのだなぁ。

例えば今期期初の上層部の考えだが、主張されていることは・・・
 1.一人あたり売上高の低さが当社の問題である
 2.これを是正するには引合量を増加する必要がある
 3.その上で受注確率を高める
 4.結果として増加する仕事量をこなすために生産性の向上が必要である
 5.また、企業存続のためには粗利の確保が必須である
ということになっている。
この場合、問題になるのは、「受注確率の向上」と「粗利の確保」という自分勝手な希望の矛盾を理解していないことだ。

会社はプラント業なのであるが、コスト・粗利のはじき方は下記のようになっている。
 1.設計人員コストを各物件に固定費配賦
 2.故に、物件当たり総コスト=物件当たり変動費+配賦固定費 となる。
 3.よって、粗利=売価-(物件変動費+配賦固定費) となる。

現在、市場は過当競争ともいえる状態にある。物件の売価は著しく低迷している。この時、受注する/しないの意思決定基準となるが、現在「粗利率」なのである。市場価格が低下している以上、この粗利率が確保できず、受注できない状態が発生しているのである。この状態で上層部指示を実行するとどうなるか?
営業は、会社指示通り、引合をバンバン持ち込む。増えた引合に対応するため設計ロードがかかる。しかし粗利率を意思決定基準にしているため売価が上がり、受注確率は向上しない。結果として、「忙しいけど儲からない」という状態が発生する・・・のである。

これをザ・ゴールの手法を取り入れると、状況は変わってくる。方法は・・・
 1.受注する/しないの基準をボトルネック(主に設計ロード)に求める
 2.コストを「変動費+固定費」でなく「変動費」だけと考える(つまり見かけ上の総コストは下がる)
 3.変動費を割らない範囲で出来る限り高い売価を設定する(つまり物件の売価は下がる)
 4.ゆえに、安値受注になるが、受注確率は高まることになる
 5.粗利は低下するが「忙しいけどキャッシュは確実に入る」ことになる
 6.あとはボトルネック(設計ロード)を改善すればするほどキャッシュが入ってくることになる。
という感じだろうか(無論、最終的には固定費総額を支払うので、その分のキャッシュは確保できてないといけないのだが・・・)。

更にイイのは、価格競争にならないマーケティングプランの確立であるが、これはザ・ゴール2で述べられている。営業にいる私としては、このプラン構築に注力するのが仕事なんだろーなー。ケド・・・難しい。
キャッシュフロー経営入門 中沢 恵/池田 和明 日経文庫 02/4/7 A
旧制度診断士としてやはり不安なのは、企業ファイナンスの分野だ。今後ますます注目されてくる以上、やはり勉強せないかん!というわけで、入門書の位置付けで買ってみた。
日経文庫は薄い故にわけ分からんモノと、薄い故に良く分かる、というのが混在しているが、この本はアタリに入ると思います。まぁまぁわかりやすかった。
企業進化論 情報創造のマネジメント 野中 郁次郎 日本経済新聞社 02/4/4 B
世界を代表する経営学者、野中郁次郎教授の本。
知識創造に関する論理は近年になって完成(ひとつの区切り)されたようであるが、これはまだ論理が未熟なときの本である。

ちゅーか、読んだのは随分前なので、実はよく覚えてなかったりするので感想省略。
問題解決プロフェッショナル「思考と技術」 斎藤 嘉則 ダイヤモンド社 01/4/26 S
『戦略シナリオ [思考と技術]』の入門編として書かれた問題解決のための思考方法を紹介した本です。以前に購入し、今ひとつピンとこないまま読了してしまったのですが、改めて読み直すと、この本のありがたみがよくわかりました。こいつもオススメ。
特徴的なのは、MECE(Mutually Exclusive Collectively Exhaustive) 〜「モレなし かつ ダブリなし」やロジックツリーを詳細に紹介していることでしょう。診断士試験事例問題を解く上で、ロジックツリー分析は柔軟性があり非常に有効です。おいらも試験中にちょこちょこっとロジックツリーを作りながら試験に臨んでおりました。
戦略シナリオ [思考と技術] 斎藤 嘉則 東洋経済新報社 01/4/24 S
オススメです!この本は「戦略策定フローの紹介」ではなく、「戦略を策定するのに着眼すべき事とその考え方」を記載しておる。だから、業界・業種・地位など関係なく参考にすることができる。自分の身近な行動に当てはめて使うことだってできる。
わけもわからず戦略戦略戦略戦略と騒ぎつつ、毎年毎年変わらぬプランを立ててる人は、一読すべき本だ!
未知の問題に対し、現状維持優先でリスクをとらない、責任回避のための言い訳を用意する、具体的結論が出せない、右か左か判断ができない、過去と同じ結論しか出せない、判断したことに責任を持てない、という思考停止(思考のモラルハザード)があらゆる企業・地位で起きている。
これから必要なのは・・・
@責任を持って具体的結論を出す力
仮設思考のスキル(ざっくりと短時間に結論をだし、具体的なアクションに結びつけるスキル)に「責任」を付け加えたもの。ギリギリまで考えぬき、グレーゾーンの中で限りなく白に近いところで決着をつけるのが現実的。
A過去から将来までロジックで構造を洞察する力
洞察力をもってして本質を掴み、構造やメカニズムを把握するのが重要。ただし、構造を捉えることが目的ではないことに注意
B価値基準をもってリスクを伴う判断を行う力
リスクのない戦略はない。リスクを伴う判断力を磨くには、自らリスクを取る状況をどれだけ踏んだかという場数に比例する。また、リスクある環境下で意思決定できないのは、明確な評価・判断軸が不明だから。その軸とは、「収益上の評価軸」「理念などの価値基準」である。
であるわけだが、どうやって身に付けるかは本書を読め!
ここから会社は変わり始めた 柴田 昌治 日本経済新聞社 01/4/10 B
かなり売れたらしい『なぜ会社は変われないのか』シリーズの第三弾。第二弾をすっとばして読んでみました。このシリーズに書かれている精神は基本的に大好き。何かっていうと、沈滞する企業風土を変えていこう、そのためには「気楽になんでも話せる場」が必要だ、上司が指示するのではなく社員一人ひとりがやる気をだす雰囲気を作るのが重要だ、てなことなのです。<br>
ただし、本筋については第一弾を読むのがよろし。第三弾は具体的事例を紹介することが目的になってまして、いきなり読んでも何のことやら分からないっす。
うまい!と言われる 文章の技術 轡田 隆史 三笠書房 01/4/8 B
年配の方のいう「うまい!」って文章は、総じてスピード感に欠ける。んまぁ、味わいある文章というのも好きなんだけれども、じれったくなる時もある。それと、この本にはユーモアについても書いてるんだけど、おもろないねぇ。分かっていたけど、おもろない。
そうは言ってもだね、やはり先輩の話はきちんと聞けば聞いたなりの価値はあるもんだ。おいらにとって価値ありそうな文言を拾ってみた。
・表現の仕方には型がある
 5W1Hで骨組をつくろう。順序は変わったっていいし、一つひとつが明瞭でなくてもよい。ただ、いい文章には5W1Hが潜んでいる。
・文章のきっかけは、たった一つの「なぜ」でいい
 花が美しいことを書いても誰も興味を引かない。しかし、「なぜ」美しいと思うのは人の興味を引く。
・体験そのものを書くのが作文、体験を考察するのが論文
・推敲のポイント
 1:誤字脱字はないか、
 2:句読点がちゃんと打ってあるか、
   長い修飾句が二つ以上続くときは、その境に「、」を打つ。
   語順を原則と違って逆にした場合は、間に「、」を打つ。そうしないと文章の意味が違ってしまう。
   筆者の気持ちにしたがって、自由に(勝手に、ではない)打つ読点。
・書くことは読むことである。他人の目で自分の文章を読む
・名詞・動詞・形容詞の語幹はなるべく漢字を使う。
・○○達、頃、迄などは漢字より平仮名の方が○○が浮き出るのでよい。
・文章を削る目標
 「この」「その」「あの」のような代名詞がやたらに出ていないか
 同じ単語が重複していないか
 同じ表現が重複していないか
 過剰な飾りがないあ(バラの花のように美しい人)
・書き出しにテーマのオウム返しはタブー
 旅の思い出という題で、「旅の思い出と言われて思い出すのは昨年の…」は読み手に新鮮さがない。
・借り物の引用より、自分の体験を利用すること
・冒頭で「いきなり考えを述べる」とうまくいく
・「…と思う」を捨てればもっと歯切れのよい文章がかける。
 自信がなくても曖昧な表現は使うな。
・使い古された言葉は、言葉の力が摩滅している。
・日ごろから、書くように観察し、考えておくこと(観察力のなさを常套句でごまかしていないか)
・パソコンの検索機能を利用しておこなう、「意識しない盗作」に敏感であれ!
・読むのも、書くのも、想像力の作業なのである。
・文章とは、書く側と読む側の共同作業である。
・文章は読まれることで完結する。

・丸谷才一『文章読本』(中公文庫)をよめ!
・われわれは常に文章を伝統によって学ぶ。人は才能を云々したがるけど、個人の才能とは実のところ伝統を学ぶ学び方の才能にほかならない。
・読んでもらうためには、読まなければならない。

イロ付はなかでも気に入ったコトバである。良い文章の書き手にはナカナカなれそうにない。
アイデアのつくり方 ジェームス・W・ヤング TBSブリタニカ 01/4/7 A
一番を持ってる人って本当にいるんでしょうか?<br>
最近、自分の特徴は何なんだと考え込むことが多い。差別優位にたてるものは何なんだ?オレは一体何をしたいの?
  診断士の資格をとりました。立派りっぱ、大変よくできました、はいおしまい
と、大層な資格をとったものの、ひどく薄っぺらく感じてしまうのである。会社の中では理論立てや知識はバツグンよ。そりゃそれだけのことはした。でも診断士集団の中に入ると、どこまでも埋没してしまう。顔のない診断士という資格を持つ人。以上。
そんなわけで、ぼやーと考えているときに見つけたのがこの本。いえね、密かに「アイデア」を生み出す力は人よりあるんではないかと思っているわけなんです。だったら、その力を強化してみようかと手にとった次第。
そして、この本がめちゃくちゃ薄いくせに非常に要点をついている。
おいらは自分のやること書くことほーんと人まねでオリジナリティないよなぁと反省しており、ほーんとにオリジナリティある人ってすんげぇなあと思っていた。しかし、この本では「アイデアは既存の知識の新しい組み合わせである」と言い切っており、おいらが人まねと思っていたことは、なんてことない、まさしく既存の知識の新しい組み合わせだったわけであり、それこそがアイデアということだったのだ。
そして、原理と手順をみれば、アイデアは誰にでも起こりえることだということが分かるであろう。

<基礎原理>
・アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない ということ。
・既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きい ということ。
<アイデア作成の手順>
第一段階:資料を収集すること。
 たとえば広告なら、対象製品に関する資料(特殊資料)を十分深く掘り下げれば、どんな単調なものでも、消費者との関係の特殊性が見つかるものである。また文化や経済など一般資料の収集も大切である。アイデアは、この特殊知識と一般知識の新しい組み合わせから生まれるからである。
第二段階:これら資料を咀嚼する。
 知識・資料間の関係を一つ一つ考える。何もかもが心の中でごっちゃになるまでパズルを組み合わせる努力を続ける。
第三段階:問題を心の外にほうり出す。
 問題を無意識の心に移し、無意識が勝手にはたらくのにまかせておく。
第四段階:アイデアがふとわく。
 ひげそりしてたり、朝寝ぼけ眼のときに思いついたりする。
第五段階:アイデアの具体化
 そのアイデアを現実の有用性に合致させるためにアイデアを具体化し、展開させる段階。現実の過酷な条件に適合させるために忍耐強くたくさん手を加える。

この本は1960年にかかれている。その後、さまざまな分析手法(KJ法など)が生まれ、アイデア創造のツールとなっている。いまでは第二段階・第三段階は、もっと効率的にすごすことができるであろう。
戦略シナリオのノウハウ・ドゥハウ 野口吉昭/HRインスティテュート PHP研究所 01/4/6 A
戦略とはこうもスピード感のあるものだったのか!中小企業診断士の勉強過程で、戦略立案のストーリーは一通り身に付けている、ハズである。ちょっとまて。『君の戦略は、本当に戦略か?』

戦略とはFocus&Deep!
競争に勝つためには客観的ポジショニングとポジショニングに合った戦い方が重要だ!
コンセプトを概念と訳しては弱すぎる!コンセプトとは「特徴」であり「差別的優位性」だ!
日本企業の中期経営計画はシナリオではない!あれはタダの目標管理シートだ!
ロジック(=統合化・一気通貫)に裏打ちされた戦略シナリオ(=仕組み)を描け!
戦略思考の原点は「ツリー」と「マトリックス」だ!
ツリーはトップダウンで思考せよ!ボトムアップ型思考は改善型(帰納法的)、トップダウン型思考は変革型(演算法的)
マトリックスはポジショニング(「軸の設定」と「位置化」)が重要だ!

と!ばっかりだが、はじめから終わりまで、こんな調子で書かれている戦略立案指南本。スピード感たっぷりに戦略シナリオの描き方を教えてくれる。

興味深かったのが「戦略思考の原点」について書かれた章。ここではコンサルティング・ディメンジョンとして、次の5つを挙げている。

・メジャメント(客観化する):定量的にデータを把握し、座標にプロットし位置関係を見る。
・ストラクチャー(構造化する):分析結果を何らかの視点(軸)でヒエラルキー化(階層化)する。
・コンセプト(差別化する):問題意識をもって目的を創り、競争優位にたつために差別化・優位化する。
・サイクル(時間を超える):企業の発展を恒常化させるため善循環させる。
・モチベーション(人を動かす):個人の目標を見つけ、行動させる。

これらのコンサルティング・メソッドは、すべてツリーとマトリックスに基づいているというのである。旧商業部門の人は二次試験でたっぷり学んだことでしょうが、旧情報部門の私には、結構刺激的でありました。

大変参考になる本でございました。
なぜ会社は変われないのか 危機突破の企業風土改革 柴田 昌治 日本経済新聞社 98/05/02 A
★内容★
「言いだしっぺが損をする」「やってもやっても仕事が溜まるし、会社の経営は良くならない」「社員は飲み屋で愚痴る評論家」等など、ありがちな企業風土をいかに解決していくかが小説仕立てで書かれています。舞台は1050億円、従業員数1600人の自動車部品会社。物語は一人の社員が社内回覧の小冊子で、あまりに率直な事を書いたことからはじまります。
一時この社員は社内で問題視されるも、社長他一部トップの後押しで改革推進室で活躍の場を与えられる。彼を助けるのは外部コンサルタント。彼らは 風土改善にプロセスデザインという手法を導入し、風土改革に乗り出します。
風土改革のキーワードは、「牽制しあう人間関係」を「信頼しあい、相談しあえる人間関係」へいかに変えていくか、という事。そのためにコンサルタントは「気楽にまじめな話をする場(オフサイトミーティング)」を作り出す事を主軸に活動してゆきます。このオフサイトミーティングというのは、従来の研修(目標、テーマを決め、それに合わせ討論・発表する)とは違い、ゆるやかなテーマに沿って自由に話をする(引出す)場だそうです。
それともう一つのキーワードは「衆知を集めて一人で決める」にあります。スピード経営に沿うには責任者を確実に決め、またその責任者はオフサイトミーティングで交流しあった関連部署員と連携し、すばやく対応してゆくことで乗り切ってゆく。

さて、小説では倒産か!?という危機に直面します。果たしてどのような結末になるか!? ・・・ってそこはコンサルタントさんの小説ですので、ご想像通りの結末でございます(^ ^;

ちなみに、風土改革についてがほとんどなので、診断士の勉強にはあまり役には立ちません。